ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
2,498 / 2,518

第2498話 クソッタレな神に復讐!

しおりを挟む
 創造神に言われたことを、頭の中で繰り返す。俺が生身で行えることなら反則にならない……何を当たり前なことを言っているのかと思う。実質俺しか活動できないのに、俺以外の力なんて使える訳が……

 あ~、あるじゃん。最近は使ってなかったから忘れてたけど、俺が行った事なら何でもいいってことだよな? そして、手持ちで持っている物は、全て使っていいと……必要な物は手持ちでもまだあるけど、出来れば回収して使いたいところだ。

 審判! と言って、存在しているのか分からんが、誰か出てこいや!

『うるさいな……何を言ってもルールは変えないよ』

 お前の事はよく知らんが、ルールは改変できないことは分かってるから、そんな事言わねえよ。人造ゴーレムが使えないことも理解したが、素材は返還しろ。それができないなら、召喚できるだけのDPを返せ。

『はぁ? 何でそんなことしなきゃいけないのさ。回収するのだって手間だったのに、お前になんか労力かけるのだってめんどくさいんだ。だから、大人しく負けてくれ』

 それなら、俺から取り上げたDPと同じ量だけ、他のダンジョンマスターからDPを回収しろよ。

『君が負けるのを見たいのに、何で君に有利になることをしないといけないのさ。さんざんひっかきまわしてきたお礼をするんだから、死にたくないと無様を晒してから死ね!』

 明らかな不公平は、さすがに看過できないだろうな……そうだよな、創造神の爺さんよ。

『何をバカな事を、創造神様がこの会話を聞いている訳がn『気付いておったのか』なっ! 創造神様!?』

『お主は……誰じゃったかな? 木端の名前などどうでもいいわ。お主、ゲーム開始時のルールが、こやつにとって不利な物になったのは認めるが、後出しのルール改変は認めぬ。回収した人造ゴーレムとやらの素材を変えすか、ゲームに参加したすべてのダンジョンマスターから、同等のDPを回収しなさい。

 DPが足りない分は無効ではなく、借金……ん? 借DP? まぁどっちでもええか。同等のDPを回収しない限り、ゲームマスター介入による不正とみなして、ワシの権限でこのダンジョンバトルの勝者をこやつとする』

『なっ! さすがに、創造神様とはいえ、お戯れが過ぎます!』

『そんなもの知らぬ。お前が不正をするなら、それを正すのがワシの仕事じゃ。ゲーム続行するとして、補填に使うDPはお主らのグループから拠出せよ。他の……特に、こやつを召喚した神とその関係者に拠出させた場合も、その時点でこやつの優勝じゃ』

『この計画には、あいつの神も関わっているのだぞ! それを何故、私たちだけに払わそうとする!?』

 うん、知ってた。ここまで早く動くとは思ってなかったけど、何か企んでいるのは分かってたからな。それに、タイミングが良すぎるのも少し引っかかったんだよな。シリウス君とブラウニーがいる時点で、俺の負けは無かったからな。

 冷静に考えれば、すぐに分かった事だけど、怒りって言うのは簡単におさまらんから、暴走してしまっただけだ。だからこそ、俺はあれを優勝の報酬として願ったんだからな。

『こやつの神と仲間なら、簡単に拠出できるじゃろう。それでは面白くないからな。こやつが1人で不利を背負っているから、お前らにもペナルティが欲しかったのじゃよ。いつも言っておろう、ゲームは公平にしろと……不公平にするなら、バレない様にしろとな。で、ゲームは続行か? 中止か?』

『……続行します……』

 そういうと、創造神と良く分からん奴がフェードアウトした。

 よし、予定より上手くいったな。せめて制限がかけられる程度かと思ったが、現物が丸々手に入るのはかなり上手くいった。そして俺には……まだ、4体の総アダマンタイト製の人造ゴーレムがいるんだ。どうせダンジョン以外で使い物にならないなら、ここで現物に変わってくれ!

 よろしく頼むぜ爺さん!

『了解じゃ、納品は受け取ったから、しばらくしたら現物を送ることになるじゃろう。お主を打ち負かしたいなら、正々堂々とルール内で勝てる方法を探せと言っておいたんじゃがな……』

 そう言って、再び創造神の爺様はフェードアウトしていった。

 これで手持ちの15個以外にもSランクの魔核が50個も手に入るな。

 総アダマンタイト製の人造ゴーレムは、アダマンタイトのマッスルメタルと動かすのと、重すぎる自重を動かすために膨大な魔力が必要なのだ。駆動用に8個、知能用に1個、コピーと転送用に1個で、合計10個使っている。それが5体分なので、50個だ。

 急いでコアルームに戻ってから、事情を説明しあるスキルを使用する。

『クリエイトアンデッド』

 アンデッドの卵のような物を作りだし、限界まで魔力を注いで孵化させるとS級スケルトンが生まれるあれだな。これは俺の力で生み出す魔物なので、今回のルールには抵触しない。人造ゴーレムは良く分からんが、クリエイトアンデッドで作られたモノは、魔物なので扱いとすると従魔と変わらないからだ。

 もしこれがダメとなると、魔法系はすべて禁止にしなければいけなくなる。放出した魔力を違う形で利用するという意味では、魔法の種類に関係は無いからね。

 そう考えると、人造ゴーレムは、俺が作ったけど俺の力ですべて生み出されたものでは無いからアウトなんだろう。おそらく、Sランクの魔石もアダマンタイトも自分で作り出さない限りは、自分の力として認められないとかそんなところで、屁理屈をこねたと考えられるな。

 その屁理屈を俺もこねくり回し、Sランクの魔石は生み出せないが、クリエイトアンデッドに注ぐ魔力回路を作ったのは、俺の能力だから俺の力で作成したという強引な理由だな。魔石を魔核にして、魔力を生み出せるようにしたのは、俺だからな。

 もしこれがダメなら、全てのスキルが使用禁止にならないと、不公平ということになる。

 俺は15個の手持ちのSランクの魔石を、クリエイトアンデッドに魔力を注ぐ装置として作り変えた。これで恐らく明日には1体のS級アンデッドができるだろう。効率的に魔力を注ぐことができるようにしたので、おそらくそのくらいの時間で孵化するはずだ。

 それまでは、慎重にこのダンジョンを探索することにしよう。

 妻たちはチビ神から、しっかりと事情が聞けただろうか? 通常のダンジョンバトルであるなら、こちらの事をモニターできるはずだから、交代しながら見ているてくれるかな?

 絶対にシンラ、プラム、シオンの3人は守るからな……
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

処理中です...