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第5章 新たな試練
第108話 放課後は商店街へ
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ソフィアと別れ、今日も女子生徒に囲まれる一日を過ごした後、早速魔法訓練場へとやって来た。
ホームルームが終わった後、女子生徒たちに捕まらないようにと、ユーリヤを抱きかかえて走ってきたのだが、
「ア、アンタ! 遅いわよっ!」
どういう訳か、俺より先にソフィアがいつもの仁王立ちで待って居た。
教室の位置的にも、俺の方が早く着きそうな気がするんだが……ユーリヤを抱きかかえていて、自分で思っていたよりも足が遅かったのか?
「ソフィア。随分と早かったんだな」
「べ、別にっ。……ア、アンタよりも後に来て、『遅れたからパンツ見せろ』とか言われたくないからよっ!」
「いや、今朝見せて貰ったし、流石に遅刻くらいでパンツ見せろとは……言うかもれしれないな」
胸に手を当てて自分の言動を振り返ってみると、言いそうだし、ソフィアにそう思われても仕方が無い気がする。
だけど、そこにパンツがあるんだから、仕方が無いじゃないか。
しかし改めてソフィアを見てみると、いつも通り制服のローブ姿ではあるのだが、どこか違和感がある。
何だろう……あ、髪型がいつもと違うのか。
普段は背中まで真っ直ぐ伸びる金髪を、今は三つ編みたいにしてからポニーテールみたいにして……この髪の毛はどうなっているんだ?
女の子の髪型は良く分からないけど、とにかく手間が掛かっていそうな髪型になっていた。
「って、制服で思い出した! ソフィア、俺がこの前貸したローブってどうなったんだ?」
「あ。そ、そうね。返そうと思ってすっかり忘れてたわ。えーっと、これね。あの時は……ありがとう」
ソフィアが学校指定の鞄を漁ると、男子生徒用の制服のローブが出てきた。
まさか毎日俺のローブを持って来ては、そのまま忘れていたのか? まぁ俺もその手のミスは良くやるけどさ。
「悪いな……って、あれ? このローブ、新品じゃないか?」
「え、えぇ。アンタから借りたのは家に保存……じゃなくて、汚れていたから捨てておいたわ。新調してあげたんだから、感謝しなさいよね」
「そ、そっか。あ、ありがとう?」
あのローブ、魔法科に転科した時にもらった物だから、まだ使い始めて一ヶ月も経って居ない気がするんだが……まぁあれを着たまま魔族と戦ったりもしたし、汚れていたのだろう。
しかし、ソフィアの家はやっぱり金持ちなんだな。俺なら汚れていても、洗濯して普通に着るけどな。
「そ、それよりアンタ。これからウチをどこへ連れて行く気なの? それに、その女の子はどうするの?」
「それは……お、丁度今定時連絡が来たな。……なるほど。ソフィア、行くぞっ!」
「え? 行くって、どこへ? サプライズにしても、もう少しスマートにしなさいよっ!」
「サプライズ? まぁいいや。それより移動される前に行くぞ……ワープ・ドア」
左手でユーリヤを抱っこしたまま、右手で戸惑うソフィアの手を握り、ワープ・ドアへ。
……最近、ユーリヤの抱っこが上手になってきた気がするが、それはさて置き、マーガレットが商店街で情報収集中だと言うので、その近くの人気の少ない路地へと移動してきた。
「ここは……ちょ、ちょっと。こういう場所に来るのは……ウ、ウチはともかく、その女の子はダメでしょ!」
「そうか?」
「そ、そうよっ! こんな宿屋通りに女の子を預かってくれる場所なんてあるの!?」
「いや預けたりせずに、一緒に連れて行くぞ?」
「ど、どういう事!?」
ソフィアが慌てふためいているが、俺の方がどういう事か聞きたいのだが。
先ず宿屋通りって何だ? と思っていると、ソフィアの視線の先に、安宿の看板が沢山並んで居た。
なるほど。いつもこの路地から商店街へ出ていたけれど、反対側は宿が――それも安っぽい宿が並ぶ通りだったのか。
ソフィアはこんな所へ来た事がないだろうし、いきなりあの看板を目にしてしまったら変な事を想像してしまうのも仕方が無い……って何を想像したんだ!?
ちょっと突っ込んでみたい気持ちもあるものの、マーガレットたちと合流出来なければ、次の定時連絡まで待たなくてはならなくなってしまう。
今日はシャロンとも約束があるし、あまり時間がないんだ。
「ソフィア。そっちじゃなくて、こっちだ。とにかくついて来てくれ」
「あ。そ、そっちにも何かあるのね? や、やだっ! ウチったら……」
「いや、割と本気で急いで欲しいんだが。あと、逸れるとやっかいだから……行くぞ」
改めてソフィアの手を取って強く握ると、ソフィアも迷子にはなりたくないのか、ギュッと握り返してきた。
まだ夕方前なのでそこまで人通りは多く無いが、流石に走り抜ける事は出来そうに無い。
ユーリヤとソフィアを連れて商店街を歩き、時折店の中の様子を伺う。
「ふーん。買い物と言えば、出入りの商人に注文した品が家に届けられるだけだったけど、こんな場所があったのね」
「……ソフィアって、もしかして貴族とかなのか?」
「あ……う、うん。まぁ、そんな感じ……かな。……で、でも貴族だからって、変に特別扱いとかはしないでね?」
「あぁ、そんな気は無いさ」
ソフィアがお金持ちなのは想像していた通りだし、俺は王族――フローレンス様と接する機会があるからな。
今更ソフィアが貴族だと知った所で、特に何かが変わる事はない。
貴族だろうと平民だろうと、パンツはパンツだしな。
そんな事を考えていると、ようやく目当ての人物――マーガレットとニーナのコンビを見つけた。
ホームルームが終わった後、女子生徒たちに捕まらないようにと、ユーリヤを抱きかかえて走ってきたのだが、
「ア、アンタ! 遅いわよっ!」
どういう訳か、俺より先にソフィアがいつもの仁王立ちで待って居た。
教室の位置的にも、俺の方が早く着きそうな気がするんだが……ユーリヤを抱きかかえていて、自分で思っていたよりも足が遅かったのか?
「ソフィア。随分と早かったんだな」
「べ、別にっ。……ア、アンタよりも後に来て、『遅れたからパンツ見せろ』とか言われたくないからよっ!」
「いや、今朝見せて貰ったし、流石に遅刻くらいでパンツ見せろとは……言うかもれしれないな」
胸に手を当てて自分の言動を振り返ってみると、言いそうだし、ソフィアにそう思われても仕方が無い気がする。
だけど、そこにパンツがあるんだから、仕方が無いじゃないか。
しかし改めてソフィアを見てみると、いつも通り制服のローブ姿ではあるのだが、どこか違和感がある。
何だろう……あ、髪型がいつもと違うのか。
普段は背中まで真っ直ぐ伸びる金髪を、今は三つ編みたいにしてからポニーテールみたいにして……この髪の毛はどうなっているんだ?
女の子の髪型は良く分からないけど、とにかく手間が掛かっていそうな髪型になっていた。
「って、制服で思い出した! ソフィア、俺がこの前貸したローブってどうなったんだ?」
「あ。そ、そうね。返そうと思ってすっかり忘れてたわ。えーっと、これね。あの時は……ありがとう」
ソフィアが学校指定の鞄を漁ると、男子生徒用の制服のローブが出てきた。
まさか毎日俺のローブを持って来ては、そのまま忘れていたのか? まぁ俺もその手のミスは良くやるけどさ。
「悪いな……って、あれ? このローブ、新品じゃないか?」
「え、えぇ。アンタから借りたのは家に保存……じゃなくて、汚れていたから捨てておいたわ。新調してあげたんだから、感謝しなさいよね」
「そ、そっか。あ、ありがとう?」
あのローブ、魔法科に転科した時にもらった物だから、まだ使い始めて一ヶ月も経って居ない気がするんだが……まぁあれを着たまま魔族と戦ったりもしたし、汚れていたのだろう。
しかし、ソフィアの家はやっぱり金持ちなんだな。俺なら汚れていても、洗濯して普通に着るけどな。
「そ、それよりアンタ。これからウチをどこへ連れて行く気なの? それに、その女の子はどうするの?」
「それは……お、丁度今定時連絡が来たな。……なるほど。ソフィア、行くぞっ!」
「え? 行くって、どこへ? サプライズにしても、もう少しスマートにしなさいよっ!」
「サプライズ? まぁいいや。それより移動される前に行くぞ……ワープ・ドア」
左手でユーリヤを抱っこしたまま、右手で戸惑うソフィアの手を握り、ワープ・ドアへ。
……最近、ユーリヤの抱っこが上手になってきた気がするが、それはさて置き、マーガレットが商店街で情報収集中だと言うので、その近くの人気の少ない路地へと移動してきた。
「ここは……ちょ、ちょっと。こういう場所に来るのは……ウ、ウチはともかく、その女の子はダメでしょ!」
「そうか?」
「そ、そうよっ! こんな宿屋通りに女の子を預かってくれる場所なんてあるの!?」
「いや預けたりせずに、一緒に連れて行くぞ?」
「ど、どういう事!?」
ソフィアが慌てふためいているが、俺の方がどういう事か聞きたいのだが。
先ず宿屋通りって何だ? と思っていると、ソフィアの視線の先に、安宿の看板が沢山並んで居た。
なるほど。いつもこの路地から商店街へ出ていたけれど、反対側は宿が――それも安っぽい宿が並ぶ通りだったのか。
ソフィアはこんな所へ来た事がないだろうし、いきなりあの看板を目にしてしまったら変な事を想像してしまうのも仕方が無い……って何を想像したんだ!?
ちょっと突っ込んでみたい気持ちもあるものの、マーガレットたちと合流出来なければ、次の定時連絡まで待たなくてはならなくなってしまう。
今日はシャロンとも約束があるし、あまり時間がないんだ。
「ソフィア。そっちじゃなくて、こっちだ。とにかくついて来てくれ」
「あ。そ、そっちにも何かあるのね? や、やだっ! ウチったら……」
「いや、割と本気で急いで欲しいんだが。あと、逸れるとやっかいだから……行くぞ」
改めてソフィアの手を取って強く握ると、ソフィアも迷子にはなりたくないのか、ギュッと握り返してきた。
まだ夕方前なのでそこまで人通りは多く無いが、流石に走り抜ける事は出来そうに無い。
ユーリヤとソフィアを連れて商店街を歩き、時折店の中の様子を伺う。
「ふーん。買い物と言えば、出入りの商人に注文した品が家に届けられるだけだったけど、こんな場所があったのね」
「……ソフィアって、もしかして貴族とかなのか?」
「あ……う、うん。まぁ、そんな感じ……かな。……で、でも貴族だからって、変に特別扱いとかはしないでね?」
「あぁ、そんな気は無いさ」
ソフィアがお金持ちなのは想像していた通りだし、俺は王族――フローレンス様と接する機会があるからな。
今更ソフィアが貴族だと知った所で、特に何かが変わる事はない。
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