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第5章 新たな試練
第119話 ハイスピードお散歩
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「ユーリヤ。今から、ちょっと速いお散歩をするからね。もしも怖かったら、すぐに言うんだよ?」
「はーい、わかったー!」
「アジリティ・ブースト!」
ユーリヤを抱っこしたまま街の門から外へ出ると、神聖魔法で敏捷性を強化した。
「じゃあ、行くよっ!」
先ずは六割くらいの速さで街道を走ってみる。
一応ユーリヤの反応を見ながら走ろうと思い、アタランテとの競走の時みたいに、いきなりトップスピードにはしなかったのだが、
「あはははっ! にーに、はっやーいっ!」
予想通り、楽しそうに笑っている。
とはいえ、ユーリヤを抱っこした状態での六割程度の速さとは言え、駿馬を走らせるくらいの速度は出ているのだが。
「ユーリヤ。もーちょっと速く走っても大丈夫?」
「うん。へーきだよー」
強がっている訳でも、気を使っている訳でもなく、単純に平気だという回答なので、もう一段階ギアを上げる。
八割くらいの速度で走っているのだが、ユーリヤは全く問題無さそうだ。
もう少し速く走ろうかと思った所で、街道を走る馬車が見えた。
だが、その直後には馬車へ追いつき、少しだけ並走すると、
「すみません。先を急ぐので、失礼」
「ばーいばーい!」
出来るだけ馬を驚かせないように気を使いつつ、一気に追い越す。
「え? 今……人か? 子供を抱っこして……いや、そんな訳……」
遥か後方で御者のオジサンの声が聞こえた気もしたけれど、あっと今に聞こえなくなって……だが、ちょっと気付いた事があり、ユーリヤをしっかり抱きかかえながら足を止める。
「にーに、どうしたのー?」
「ん? あぁ、ちょっとお仕事だよ」
既に街が見えなくなる程離れていて、街道の両脇が林となっていて、隠れるにはもってこいの場所に、数人の気配があった。
「時間が無いから、五秒しか待たない。俺は、第三王女直属特別隊隊長ヘンリー=フォーサイスだ。投降するか、痛い目に合うか、好きな方を選べ。五、四、三……」
「何が隊長だ! その制服は、魔法学校のローブだろ。ハッタリにしても下手過ぎるんだよっ! ガキと一緒に死ねっ!」
予想通り、盗賊か何かだろう。
街道に面した木々から八つの影が飛び出し、それぞれの得物を手に、襲いかかって来た。
八方向からの同時攻撃……以前、俺にケンカを売って来た仕官学校の生徒たちとは違い、連携がしっかりしている。
おそらく、ここで何度も馬車や旅人を襲っているのだろう。
しかし連携は良いが、個々の能力が低い。
魔法や剣を使うまでも無く、回し蹴り一発で終わらせよう。
――ブォンッ
飛びかかって来た男どもを蹴ろうとして……突風が起こり、足が身体に触れる前に盗賊たちが吹き飛ばされる。
何故だろう。ユーリヤが俺を守る為に不思議な力を発動させたりしたのだろうか。
『いえ、ユーリヤちゃんは何もしていませんよ』
(え? でも、今の蹴りは全く手応えが無かったぞ? 絶対に当たる前に吹き飛んでいたって)
『あの、ヘンリーさん。神聖魔法で身体能力を強化しているのを忘れていませんか?』
あ、忘れてた。
俺は神聖魔法で身体強化した状態で、大型の魔物を殴り倒した事があるのに、いくら盗賊とはいえ、そんな状態で蹴り飛ばしていたら……あー、うん。蹴りで突風が発生して良かったな。
確実にこいつら死んでたよ。
気絶しているものの、八人とも命に別条は無さそうだったので、ワープ・ドアに押し込めて、王宮の前へ。
「あ。フローレンス様の恩人の……ヘンリー様! って、今どこから現れたんスか!?」
「そんなどうでも良い事よりも、北東の街道で盗賊を倒したから、任せて良いか?」
「え? えぇ……って、こいつ、マーティン=リッジウェイじゃないッスか! Aランクの賞金首ッスよ!?」
「そうなんだ。まぁそいつらについては、任せるから。じゃあ、急いでるんで」
「え? ヘンリー様!? ちょ、ヘンリー様っ!? ……だぁぁぁっ! 先輩ッ! ちょっと来て欲しいッス、先輩っ!」
とりあえず、王宮の門番に盗賊たちを任せ、再び先程の街道へ。
少し時間が取られてしまったので、急がなければ。
「にーに。さっきは、なにをしてたのー?」
「ん? あぁ、俺は国の平和を守るお仕事をしているからさ。その一環だよ」
「ふーん。にーには、みんなをまもるヒーローなんだー」
「まぁね。それより、また走るよー」
ユーリヤを抱き寄せ、九割程の速さで爆走する。
……しかし、皆を守るヒーローか。一応、子供の頃になりたかったものには成れたって事で良いのだろうか。
そんな事を思っているうちに、街道が西へ曲がりだしたので、草原に足を踏み入れ、真っ直ぐ目当ての山へ。
あっという間に草原を越え、深い森の中へ入って行くと、魔物が現れ出したので、すれ違いざまに斬り捨てて行く。
そうこうしている内に、森の中が坂道になってきた。
どうやら目的の山の麓に着いたみたいだが、開けた場所が無い。
樹が生い茂って薄暗いし、魔物とか普通に湧きそうで、そうすると俺はともかくソフィアが驚いてしまう。
この辺り一帯の木々を燃やしたら解決しそうだけど……流石にダメだよなぁ。
『止めときましょう。過度な自然破壊はダメです』
アオイにも当然止められ、いろいろと考えた結果……浮遊魔法で樹の上に移動し、そこへ具現化魔法で簡易な物見台みたいな物を作る事にした。
「はーい、わかったー!」
「アジリティ・ブースト!」
ユーリヤを抱っこしたまま街の門から外へ出ると、神聖魔法で敏捷性を強化した。
「じゃあ、行くよっ!」
先ずは六割くらいの速さで街道を走ってみる。
一応ユーリヤの反応を見ながら走ろうと思い、アタランテとの競走の時みたいに、いきなりトップスピードにはしなかったのだが、
「あはははっ! にーに、はっやーいっ!」
予想通り、楽しそうに笑っている。
とはいえ、ユーリヤを抱っこした状態での六割程度の速さとは言え、駿馬を走らせるくらいの速度は出ているのだが。
「ユーリヤ。もーちょっと速く走っても大丈夫?」
「うん。へーきだよー」
強がっている訳でも、気を使っている訳でもなく、単純に平気だという回答なので、もう一段階ギアを上げる。
八割くらいの速度で走っているのだが、ユーリヤは全く問題無さそうだ。
もう少し速く走ろうかと思った所で、街道を走る馬車が見えた。
だが、その直後には馬車へ追いつき、少しだけ並走すると、
「すみません。先を急ぐので、失礼」
「ばーいばーい!」
出来るだけ馬を驚かせないように気を使いつつ、一気に追い越す。
「え? 今……人か? 子供を抱っこして……いや、そんな訳……」
遥か後方で御者のオジサンの声が聞こえた気もしたけれど、あっと今に聞こえなくなって……だが、ちょっと気付いた事があり、ユーリヤをしっかり抱きかかえながら足を止める。
「にーに、どうしたのー?」
「ん? あぁ、ちょっとお仕事だよ」
既に街が見えなくなる程離れていて、街道の両脇が林となっていて、隠れるにはもってこいの場所に、数人の気配があった。
「時間が無いから、五秒しか待たない。俺は、第三王女直属特別隊隊長ヘンリー=フォーサイスだ。投降するか、痛い目に合うか、好きな方を選べ。五、四、三……」
「何が隊長だ! その制服は、魔法学校のローブだろ。ハッタリにしても下手過ぎるんだよっ! ガキと一緒に死ねっ!」
予想通り、盗賊か何かだろう。
街道に面した木々から八つの影が飛び出し、それぞれの得物を手に、襲いかかって来た。
八方向からの同時攻撃……以前、俺にケンカを売って来た仕官学校の生徒たちとは違い、連携がしっかりしている。
おそらく、ここで何度も馬車や旅人を襲っているのだろう。
しかし連携は良いが、個々の能力が低い。
魔法や剣を使うまでも無く、回し蹴り一発で終わらせよう。
――ブォンッ
飛びかかって来た男どもを蹴ろうとして……突風が起こり、足が身体に触れる前に盗賊たちが吹き飛ばされる。
何故だろう。ユーリヤが俺を守る為に不思議な力を発動させたりしたのだろうか。
『いえ、ユーリヤちゃんは何もしていませんよ』
(え? でも、今の蹴りは全く手応えが無かったぞ? 絶対に当たる前に吹き飛んでいたって)
『あの、ヘンリーさん。神聖魔法で身体能力を強化しているのを忘れていませんか?』
あ、忘れてた。
俺は神聖魔法で身体強化した状態で、大型の魔物を殴り倒した事があるのに、いくら盗賊とはいえ、そんな状態で蹴り飛ばしていたら……あー、うん。蹴りで突風が発生して良かったな。
確実にこいつら死んでたよ。
気絶しているものの、八人とも命に別条は無さそうだったので、ワープ・ドアに押し込めて、王宮の前へ。
「あ。フローレンス様の恩人の……ヘンリー様! って、今どこから現れたんスか!?」
「そんなどうでも良い事よりも、北東の街道で盗賊を倒したから、任せて良いか?」
「え? えぇ……って、こいつ、マーティン=リッジウェイじゃないッスか! Aランクの賞金首ッスよ!?」
「そうなんだ。まぁそいつらについては、任せるから。じゃあ、急いでるんで」
「え? ヘンリー様!? ちょ、ヘンリー様っ!? ……だぁぁぁっ! 先輩ッ! ちょっと来て欲しいッス、先輩っ!」
とりあえず、王宮の門番に盗賊たちを任せ、再び先程の街道へ。
少し時間が取られてしまったので、急がなければ。
「にーに。さっきは、なにをしてたのー?」
「ん? あぁ、俺は国の平和を守るお仕事をしているからさ。その一環だよ」
「ふーん。にーには、みんなをまもるヒーローなんだー」
「まぁね。それより、また走るよー」
ユーリヤを抱き寄せ、九割程の速さで爆走する。
……しかし、皆を守るヒーローか。一応、子供の頃になりたかったものには成れたって事で良いのだろうか。
そんな事を思っているうちに、街道が西へ曲がりだしたので、草原に足を踏み入れ、真っ直ぐ目当ての山へ。
あっという間に草原を越え、深い森の中へ入って行くと、魔物が現れ出したので、すれ違いざまに斬り捨てて行く。
そうこうしている内に、森の中が坂道になってきた。
どうやら目的の山の麓に着いたみたいだが、開けた場所が無い。
樹が生い茂って薄暗いし、魔物とか普通に湧きそうで、そうすると俺はともかくソフィアが驚いてしまう。
この辺り一帯の木々を燃やしたら解決しそうだけど……流石にダメだよなぁ。
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