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第7章 マックート村の新領主
第189話 ドライアドの香り
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「で、結局ドライアドっていうのは、どういう存在なんだ?」
「んー、普通は森を守る存在で、人前に姿を現したりしないんだけどー……聞いてみた方が早いんじゃないかなー」
イロナが目を向けた先を見てみると、ワンダが花に水をやっていた。
女性にしては少し背が高く、髪の毛が緑色のワンダを見ていると、何となく樹の妖精みたいに……いや、見えないって。
どうみても普通の女性にしか見えないんだけどな。
とはいえ、何故かワンダに近寄りがたい雰囲気があると感じていたけど、その理由がこれなのだろうか。
見た目は人間だけど、無意識のうちに違和感を感じていたとか。
そんな事を考えている間に、気付けばイロナがワンダに近づいている。
「ねーねー、ワンダちゃん。ワンダちゃんって、ドライアドだよねー?」
「……ち、違いますよ? ドドドドライアドって、何の事でしょう?」
あからさまに狼狽してるっ!
ほぼこれで確定な気もするけど……こっそりユーリヤにも聞いてみようか。
抱っこされ、俺の胸に顔を埋めるユーリヤに、ワンダを見せ、
「……ユーリヤ。あの緑色の髪の毛の女性って、人間かな?」
「んー、ちがうよー」
「……そっか、ありがとう」
ユーリヤが即答した。
イロナとユーリヤの二人の答えが一致し、ワンダ自身のリアクションがそれを裏付けている。
一先ず、うろたえるワンダの元へ行き、フォローする事にした。
「ワンダ。別にドライアドだから、どうこうって訳じゃないんだ。ただ、イロナは話を聞きたいだけなんだよ」
「ご、御主人様までっ! わ、私は樹の妖精とかじゃいんです。ただ、この屋敷で働かせて欲しいだけなんです」
「大丈夫。もう一度言うけど、本当に妖精だとか、人間だとか、そんな事を俺は気にしないから。それを言ったら、この可愛いユーリヤなんてドラゴンだしな」
「……へ? ど、ドラゴン? この女の子が……ですか?」
ワンダが目を丸くしているので、抱っこしていたユーリヤを地面に降ろすと、
「うん。ユーリヤは、アースドラゴンだよー。にーにといっしょにいたいから、にんげんのすがたになってるのー」
ユーリヤが嬉しそうに口を開く。
「まぁそういう事だ。だから樹にしなくて良いからさ」
未だに信じられないという様子でワンダが硬直しているが、ユーリヤの――ドラゴンの魔力が高過ぎて変身している事を見抜けないんだろうな。
「で、イロナがワンダに聞きたい事があるんだろ?」
流石にワンダをイロナにあげるという訳にはいかないが、話を聞くくらいなら良いだろうと促したのだが……イロナまで硬直していた。
樹の妖精ドライアドとダークエルフ……どちらが魔力が高いのかは知らないけれど、どちらもユーリヤがドラゴンだって気付いてなかったのな。
「……あー、えっと。イロナちゃんはー、人前に姿を現さないドライアドのワンダちゃんがー、どうして人間の下で働いていたのかを知りたかったんだけどー、今となっては、どうしてドラゴンのユーリヤちゃんがヘンリーと一緒に居るかも気になるんだけど」
「ユーリヤの話は、またいつかな。それより、ワンダ。差し支えなければ、理由を教えてあげられないか? 話したくなければ別にかまわないが」
「えーっと、その……私、ちょっとドライアドの中でも変わっていまして、好奇心が強いというか、人間の生活がどんなものか見てみたくて。で、人間の振りをして、働かせてもらっていました」
そこからワンダへの質問大会となり、夜中はワンダが魔法で屋敷を守って居るとか、その気になれば光合成だけで生きられるとか、歳の取り方が人間よりも遥かに遅いとかって話を聞く。
その後も、イロナはイロナで俺に理解出来ない難しい話を聞いていたし、俺は俺で夜の警備などが出来ている事が分かったし、何よりワンダが植物を育成させる力があるという事が分かったのが良かった。
「わかった。じゃあ、これからもよろしく頼むよ、ワンダ」
「えっ!? 私、このまま働いていて良いんですか?」
「さっきも言ったけど、全然構わないって。むしろ夜に守ってくれていて、本当に感謝しているよ。ありがとう」
「こ、こちらこそ、ありがとうございますっ!」
余程嬉しかったのか、ワンダが抱きついてきたけど……うん、普通に女の子だよね。
最初の頃は、ちょっと距離があったように感じたけれど、いろいろ話して打ち解けられた気がするし、俺が勝手に感じていた近寄りがたさも無くなった気がする。
『抱きつかれて、胸の感触が良かったからじゃないですか?』
(……まぁそれは否定出来ないな。あと、柔らくて、身体から良い匂いがする)
『まぁ樹の妖精ですから、花も身体の一部でしょうし』
アオイの言う通りで、確かに花のような匂いだ。
俺の知識が無さ過ぎて、具体的に何の花の匂いかは分からないけど。
「あ、あの。御主人様」
「ん? どうしたんだ?」
「御主人様のおしべが……」
「じゃ、じゃあ、そういう事でっ!」
「ご、御主人様? どちらへ?」
ワンダに抱きしめられ続けたせいで、いろいろとユーリヤの教育に良く無さそうな事態になってしまった。
というか、ワンダの表現もどうかと思うが。
一先ず、これ以上話が変な方向に行かないようにと、ユーリヤを連れて逃げるように屋敷へ戻る事にした。
「んー、普通は森を守る存在で、人前に姿を現したりしないんだけどー……聞いてみた方が早いんじゃないかなー」
イロナが目を向けた先を見てみると、ワンダが花に水をやっていた。
女性にしては少し背が高く、髪の毛が緑色のワンダを見ていると、何となく樹の妖精みたいに……いや、見えないって。
どうみても普通の女性にしか見えないんだけどな。
とはいえ、何故かワンダに近寄りがたい雰囲気があると感じていたけど、その理由がこれなのだろうか。
見た目は人間だけど、無意識のうちに違和感を感じていたとか。
そんな事を考えている間に、気付けばイロナがワンダに近づいている。
「ねーねー、ワンダちゃん。ワンダちゃんって、ドライアドだよねー?」
「……ち、違いますよ? ドドドドライアドって、何の事でしょう?」
あからさまに狼狽してるっ!
ほぼこれで確定な気もするけど……こっそりユーリヤにも聞いてみようか。
抱っこされ、俺の胸に顔を埋めるユーリヤに、ワンダを見せ、
「……ユーリヤ。あの緑色の髪の毛の女性って、人間かな?」
「んー、ちがうよー」
「……そっか、ありがとう」
ユーリヤが即答した。
イロナとユーリヤの二人の答えが一致し、ワンダ自身のリアクションがそれを裏付けている。
一先ず、うろたえるワンダの元へ行き、フォローする事にした。
「ワンダ。別にドライアドだから、どうこうって訳じゃないんだ。ただ、イロナは話を聞きたいだけなんだよ」
「ご、御主人様までっ! わ、私は樹の妖精とかじゃいんです。ただ、この屋敷で働かせて欲しいだけなんです」
「大丈夫。もう一度言うけど、本当に妖精だとか、人間だとか、そんな事を俺は気にしないから。それを言ったら、この可愛いユーリヤなんてドラゴンだしな」
「……へ? ど、ドラゴン? この女の子が……ですか?」
ワンダが目を丸くしているので、抱っこしていたユーリヤを地面に降ろすと、
「うん。ユーリヤは、アースドラゴンだよー。にーにといっしょにいたいから、にんげんのすがたになってるのー」
ユーリヤが嬉しそうに口を開く。
「まぁそういう事だ。だから樹にしなくて良いからさ」
未だに信じられないという様子でワンダが硬直しているが、ユーリヤの――ドラゴンの魔力が高過ぎて変身している事を見抜けないんだろうな。
「で、イロナがワンダに聞きたい事があるんだろ?」
流石にワンダをイロナにあげるという訳にはいかないが、話を聞くくらいなら良いだろうと促したのだが……イロナまで硬直していた。
樹の妖精ドライアドとダークエルフ……どちらが魔力が高いのかは知らないけれど、どちらもユーリヤがドラゴンだって気付いてなかったのな。
「……あー、えっと。イロナちゃんはー、人前に姿を現さないドライアドのワンダちゃんがー、どうして人間の下で働いていたのかを知りたかったんだけどー、今となっては、どうしてドラゴンのユーリヤちゃんがヘンリーと一緒に居るかも気になるんだけど」
「ユーリヤの話は、またいつかな。それより、ワンダ。差し支えなければ、理由を教えてあげられないか? 話したくなければ別にかまわないが」
「えーっと、その……私、ちょっとドライアドの中でも変わっていまして、好奇心が強いというか、人間の生活がどんなものか見てみたくて。で、人間の振りをして、働かせてもらっていました」
そこからワンダへの質問大会となり、夜中はワンダが魔法で屋敷を守って居るとか、その気になれば光合成だけで生きられるとか、歳の取り方が人間よりも遥かに遅いとかって話を聞く。
その後も、イロナはイロナで俺に理解出来ない難しい話を聞いていたし、俺は俺で夜の警備などが出来ている事が分かったし、何よりワンダが植物を育成させる力があるという事が分かったのが良かった。
「わかった。じゃあ、これからもよろしく頼むよ、ワンダ」
「えっ!? 私、このまま働いていて良いんですか?」
「さっきも言ったけど、全然構わないって。むしろ夜に守ってくれていて、本当に感謝しているよ。ありがとう」
「こ、こちらこそ、ありがとうございますっ!」
余程嬉しかったのか、ワンダが抱きついてきたけど……うん、普通に女の子だよね。
最初の頃は、ちょっと距離があったように感じたけれど、いろいろ話して打ち解けられた気がするし、俺が勝手に感じていた近寄りがたさも無くなった気がする。
『抱きつかれて、胸の感触が良かったからじゃないですか?』
(……まぁそれは否定出来ないな。あと、柔らくて、身体から良い匂いがする)
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俺の知識が無さ過ぎて、具体的に何の花の匂いかは分からないけど。
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「ん? どうしたんだ?」
「御主人様のおしべが……」
「じゃ、じゃあ、そういう事でっ!」
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