276 / 343
第9章 ドワーフ婚姻試練
第273話 アタランテと久々に勝負
しおりを挟む
「おにいちゃん! おふろ、ありがとっ! あんなに大きなおふろ、レオナはじめてっ!」
「リオナはおふろより、ごはんがほしいー! おなかすいたー!」
「わ、わたしは、おふろくらい一人で入れたんだけど……た、たまには良いかな」
新たに加わった犬耳幼女三姉妹を綺麗に洗い、ついでにユーリヤともお風呂で遊んであげて、食堂へ。
メリッサが用意してくれた昼食を食べながら皆への紹介と、変態――もとい父さんへの警告を行って、後はノーマに任せて解散とした。
ラウラが俺の部屋でゴロゴロしているので、こっそりユーリヤを連れ出して、人気のない裏庭へ移動する。
「さて、ユーリヤ。今日もお散歩に行こうか」
「うん! にーにと、おさんぽいくー!」
正直言って、俺とユーリヤだけで進んだ方が速いので、今日もそうしようと思っていたのだが、
「貴方。どこへ行くつもりかしら」
「あ、アタランテ!?」
「今回は、私も連れて行ってくれるんでしょ?」
「いや、そうなんだけどさ。ラウラはあんまり魔法を使いたがらないだろうし、俺が一人で走って次の街へ行ってから、皆で瞬間移動した方が早いと思うんだが」
「貴方。もしかして、私の能力の事を忘れたの? 以前、貴方には負けたけど、それでも元は世界で一番足が速かったんだよ!?」
「……えっと、それはつまり、アタランテも俺と一緒に走るって事か?」
「ふふっ。久しぶりに競走しましょう。貴方が勝ったら、私に好きな事をして良いわよ」
好きな事!? アタランテに!?
それはつまり、成り行きでの建前上の妻や、書類上での妻とかじゃなくて、本当の妻にしちゃうような事でも!?
「……いいの?」
「もちろん。というか、私だって負けるつもりはないんだよ? それに私が勝ったら、私も貴方に好きな事をさせてもらうからね?」
「あぁ、競走だからね。じゃあ、行こうか……テレポート」
ユーリヤをおんぶし、アタランテをお姫様抱っこして、レオナたちが住んでいた小屋へ移動する。
「じゃあ、この街から次の街へ先に着いた方が勝ちって事で」
「えぇ、構わないわ」
「よし。じゃあ、その条件で競走だ。だけど、先に情報収集だな」
「じれったいわね。要はこの街に入ってきた門と逆側の門から出て、街道沿いに走れば良いんでしょ?」
「そうだけど……まぁいいか。前の街で帝都は北東だって言っていたしな」
アタランテの提案通りに、反対側の門の近くまで行くと、浮遊魔法を使ってこっそり門を越える。
暫く街から離れたところで街道へ降り立つと、
「じゃあ、これからアタランテと競走する訳だけど、本来の目的は次の街へ行く事だ。なので、身体強化魔法を使ってどちらも足が速くなるようにするから」
「わかった。けど、ユーリヤちゃんはどうする気なんだい?」
「もちろん連れて行くさ。俺がおんぶしたまま走る」
「……まぁ、私は構わないけど、大丈夫なのかい? 貴方も、ユーリヤちゃんも」
「大丈夫だ。いつもユーリヤとは、こうやって移動しているし」
「そ、そうなのね」
改めてアタランテに競走の話をして、それから俺とアタランテに身体強化魔法を掛けた。
「あんまり、強化された感じはしないけどねぇ」
「それは、走ってみれば分かるよ。じゃあ、準備は良い?」
「大丈夫さ。じゃあ、次の街の中へ、先に入った方が勝ちだよ?」
「了解。じゃあ……スタートッ!」
街道を俺とアタランテの二人で爆走して行く。
以前、アラランテを召喚して間もない頃は、俺自身にだけ身体強化魔法を使用して圧勝してしまった訳だが、条件を同じにすると……流石にアタランテは速いな。
昔、アラタランテが生きていた時代では世界一の速さだったというだけはある。
だが、その時代に俺は居ないからな。
もしも俺がその時代に居たならば、アタランテは世界二位だったのだろう。
悪いが俺は、武術を極めようとしているんだ。
身体能力だって、おろそかにせず、ちゃんとトレーニングしているんだからなっ!
ユーリヤをおんぶしたハンデがあっても、僅かに俺の方が速い。
このまま走り続けれ居れば、俺が勝ってしまうがアタランテはどうするのだろうか。
夜の屋敷で、俺の部屋に来て貰い、あんな事や、こんな事をしてもらっちゃうぞ!?
「どうしたんだい? 突然スピードが落ちたよ? じゃあねっ!」
「しまった! 変な事を妄想している場合じゃないっ!」
気合を入れ直し、アタランテに追いた所で、
「うげっ。前方に魔物の群れが居る……」
索敵魔法で魔物の群れを発見してしまった。
「仕方ないね。ここは一旦、競走を止めるかい?」
「……いや、あの程度の魔物の群れごときに、俺たちの走りは邪魔させないっ! 文句無しに俺が勝って、あんな事や、こんな事をするんだっ!」
「貴方。願望が声に出てる……というか、そういう事がしたいなら、競走なんてしなくても、もっと早くすれば良いのに……」
早く走り過ぎて、アタランテが後半何を言っていたのか聞こえなかったが、
「マテリアライズ!」
具現化魔法で投槍――ジャベリンを生み出す。
右手にそのジャベリンを持つと、
「っらぁぁぁっ!」
走る勢いを殺さず、しっかり投槍に速度を乗せて前方に投げ放つ。
すると、索敵魔法に引っ掛かった十数匹の魔物の反応が半分消えたので、同じ事をもう一度行い、
「よし、討伐成功!」
前方の魔物を全滅させた。
「……貴方。少し見ない内に、前より更に強くなってない?」
ただ、アタランテとは競走中だというのに、何故かジト目で見られてしまったが。
「リオナはおふろより、ごはんがほしいー! おなかすいたー!」
「わ、わたしは、おふろくらい一人で入れたんだけど……た、たまには良いかな」
新たに加わった犬耳幼女三姉妹を綺麗に洗い、ついでにユーリヤともお風呂で遊んであげて、食堂へ。
メリッサが用意してくれた昼食を食べながら皆への紹介と、変態――もとい父さんへの警告を行って、後はノーマに任せて解散とした。
ラウラが俺の部屋でゴロゴロしているので、こっそりユーリヤを連れ出して、人気のない裏庭へ移動する。
「さて、ユーリヤ。今日もお散歩に行こうか」
「うん! にーにと、おさんぽいくー!」
正直言って、俺とユーリヤだけで進んだ方が速いので、今日もそうしようと思っていたのだが、
「貴方。どこへ行くつもりかしら」
「あ、アタランテ!?」
「今回は、私も連れて行ってくれるんでしょ?」
「いや、そうなんだけどさ。ラウラはあんまり魔法を使いたがらないだろうし、俺が一人で走って次の街へ行ってから、皆で瞬間移動した方が早いと思うんだが」
「貴方。もしかして、私の能力の事を忘れたの? 以前、貴方には負けたけど、それでも元は世界で一番足が速かったんだよ!?」
「……えっと、それはつまり、アタランテも俺と一緒に走るって事か?」
「ふふっ。久しぶりに競走しましょう。貴方が勝ったら、私に好きな事をして良いわよ」
好きな事!? アタランテに!?
それはつまり、成り行きでの建前上の妻や、書類上での妻とかじゃなくて、本当の妻にしちゃうような事でも!?
「……いいの?」
「もちろん。というか、私だって負けるつもりはないんだよ? それに私が勝ったら、私も貴方に好きな事をさせてもらうからね?」
「あぁ、競走だからね。じゃあ、行こうか……テレポート」
ユーリヤをおんぶし、アタランテをお姫様抱っこして、レオナたちが住んでいた小屋へ移動する。
「じゃあ、この街から次の街へ先に着いた方が勝ちって事で」
「えぇ、構わないわ」
「よし。じゃあ、その条件で競走だ。だけど、先に情報収集だな」
「じれったいわね。要はこの街に入ってきた門と逆側の門から出て、街道沿いに走れば良いんでしょ?」
「そうだけど……まぁいいか。前の街で帝都は北東だって言っていたしな」
アタランテの提案通りに、反対側の門の近くまで行くと、浮遊魔法を使ってこっそり門を越える。
暫く街から離れたところで街道へ降り立つと、
「じゃあ、これからアタランテと競走する訳だけど、本来の目的は次の街へ行く事だ。なので、身体強化魔法を使ってどちらも足が速くなるようにするから」
「わかった。けど、ユーリヤちゃんはどうする気なんだい?」
「もちろん連れて行くさ。俺がおんぶしたまま走る」
「……まぁ、私は構わないけど、大丈夫なのかい? 貴方も、ユーリヤちゃんも」
「大丈夫だ。いつもユーリヤとは、こうやって移動しているし」
「そ、そうなのね」
改めてアタランテに競走の話をして、それから俺とアタランテに身体強化魔法を掛けた。
「あんまり、強化された感じはしないけどねぇ」
「それは、走ってみれば分かるよ。じゃあ、準備は良い?」
「大丈夫さ。じゃあ、次の街の中へ、先に入った方が勝ちだよ?」
「了解。じゃあ……スタートッ!」
街道を俺とアタランテの二人で爆走して行く。
以前、アラランテを召喚して間もない頃は、俺自身にだけ身体強化魔法を使用して圧勝してしまった訳だが、条件を同じにすると……流石にアタランテは速いな。
昔、アラタランテが生きていた時代では世界一の速さだったというだけはある。
だが、その時代に俺は居ないからな。
もしも俺がその時代に居たならば、アタランテは世界二位だったのだろう。
悪いが俺は、武術を極めようとしているんだ。
身体能力だって、おろそかにせず、ちゃんとトレーニングしているんだからなっ!
ユーリヤをおんぶしたハンデがあっても、僅かに俺の方が速い。
このまま走り続けれ居れば、俺が勝ってしまうがアタランテはどうするのだろうか。
夜の屋敷で、俺の部屋に来て貰い、あんな事や、こんな事をしてもらっちゃうぞ!?
「どうしたんだい? 突然スピードが落ちたよ? じゃあねっ!」
「しまった! 変な事を妄想している場合じゃないっ!」
気合を入れ直し、アタランテに追いた所で、
「うげっ。前方に魔物の群れが居る……」
索敵魔法で魔物の群れを発見してしまった。
「仕方ないね。ここは一旦、競走を止めるかい?」
「……いや、あの程度の魔物の群れごときに、俺たちの走りは邪魔させないっ! 文句無しに俺が勝って、あんな事や、こんな事をするんだっ!」
「貴方。願望が声に出てる……というか、そういう事がしたいなら、競走なんてしなくても、もっと早くすれば良いのに……」
早く走り過ぎて、アタランテが後半何を言っていたのか聞こえなかったが、
「マテリアライズ!」
具現化魔法で投槍――ジャベリンを生み出す。
右手にそのジャベリンを持つと、
「っらぁぁぁっ!」
走る勢いを殺さず、しっかり投槍に速度を乗せて前方に投げ放つ。
すると、索敵魔法に引っ掛かった十数匹の魔物の反応が半分消えたので、同じ事をもう一度行い、
「よし、討伐成功!」
前方の魔物を全滅させた。
「……貴方。少し見ない内に、前より更に強くなってない?」
ただ、アタランテとは競走中だというのに、何故かジト目で見られてしまったが。
0
あなたにおすすめの小説
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる