悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人

文字の大きさ
13 / 70

第13話 ローランドさんのお誘い

しおりを挟む
 授業二日目。
 授業自体は火魔法の授業が相変わらずだった……というくらいで、特に何も無かったんだけど、終わりのホームルームで魔法大会の話があった。
 ときメイにおける、バトルのチュートリアルね。
 ダンジョンに潜る時もそうだけど、パートナーとなる男子生徒に前で戦ってもらい、女子生徒が後ろから支援するというのが基本的なバトルシステムとなる。
 男子生徒は好き勝手に動くので、状況に応じて適した支援を使ってあげれば良いんだけど……そもそも私は組む相手が居ないので関係ないかな。
 そんな事を思いつつ、いつもの通りに菜園クラブへ行くと、

「ルーシー。俺と一緒に魔法大会へ出場しよう」
「……はい?」

 ローランドさんから予想外の言葉が投げかけられた。

「あの、魔法大会って、同じクラスの生徒としかペアを組めないのでは?」
「いや、同じクラスの者で組む者が多いが、クラブで組むのも認められているよ」
「そうなんですね……って、どうして私なんですか? 三年生同士で組んだり、生徒会として出た方が良いと思うんですが」
「あぁ、クラブでペアを組むと、ペア名にクラブ名が付くからね。菜園クラブの宣伝だよ」

 あぁ、なるほど。
 魔法大会はチュートリアルで負け確定のバトルだし、出場したところでアメリアに絡む事も無いから、別に構わないかなとも思う。
 ローランドさんにはお世話になっているし。
 火魔法の教科書でわからない所なんて、ディラック先生じゃなくてローランドさんに教えてもらっているくらいだしね。
 問題は、目立ってしまう事かな。

「ちなみに、ローランドさんの目標は……優勝ですか?」
「いや、俺より強い生徒だって居るからね。そこまでは望まないよ。予選突破が目標かな」

 まぁ予選トーナメントを突破して、決勝トーナメントへ進出しただけでも凄いし、菜園クラブの宣伝にはなるよね。
 一年生の大会は負けイベントだけど、二年生や三年生では勝ち上がる事が出来るし、予選トーナメントを突破しただけでも、ステータスアップのアイテムが貰えるはずだ。
 優勝なんてしたら目立ち過ぎてしまうけど、ゲームでも一年目に攻略対象の一人であるケヴィン王子が予選トーナメントを突破していたし、予選突破までなら大丈夫かな?

「分かりました。ローランドさんにはお世話になっていますし、私で良ければ」
「ありがとう。宜しく頼むよ」
「いえいえ。あと、私も一つお願いがありまして」
「ん、何だい?」
「何か草を刈る様な農具を借りられないでしょうか? 鎌なんてあると助かるんですけど」

 魔法大会は魔法大会で良いんだけど、私としてはお米を食べたい気持ちが強い。
 せっかく稲が見事に育ったから収穫したいんだけど、稲を刈り取る農具がないんだよね。
 だから、菜園クラブにならあるかもと思ったんだけど……

「鎌? 草を刈り取るなら、風魔法を使った方が早くて楽だから、そういう物は無いんじゃないかな?」
「えぇっ!? でも、細かく刈り取りたいとか、風魔法を使えない人の為とかに無いですかね?」
「んー、ちょっと待ってね。一応、見てみようか」

 ローランドさんから、困った表情を浮かべられてしまった。
 一先ず探してくれるらしく、庭園の隅っこから少し移動し、小さな倉庫へ行くと、

「……ルーシーの言う鎌とは違うけど、これでどう?」

 革の鞘に包まれたナイフが差し出される。
 イメージしていたのとは違うけど、とりあえず刈り取りは出来るかな?
 ローランドさんにお礼を言い、ナイフを借りると、今日は少し早めに森へ行く事にした。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。

拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。

婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る

拓海のり
ファンタジー
 階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。  頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。  破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。  ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。  タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。 完結しました。ありがとうございました。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます

里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。 だが実は、誰にも言えない理由があり…。 ※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。 全28話で完結。

【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。

鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。 さらに、偽聖女と決めつけられる始末。 しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!? 他サイトにも重複掲載中です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます

かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~ 【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】 奨励賞受賞 ●聖女編● いきなり召喚された上に、ババァ発言。 挙句、偽聖女だと。 確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。 だったら好きに生きさせてもらいます。 脱社畜! ハッピースローライフ! ご都合主義万歳! ノリで生きて何が悪い! ●勇者編● え?勇者? うん?勇者? そもそも召喚って何か知ってますか? またやらかしたのかバカ王子ー! ●魔界編● いきおくれって分かってるわー! それよりも、クロを探しに魔界へ! 魔界という場所は……とてつもなかった そしてクロはクロだった。 魔界でも見事になしてみせようスローライフ! 邪魔するなら排除します! -------------- 恋愛はスローペース 物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。

転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。

桜城恋詠
ファンタジー
 聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。  異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。  彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。  迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。 「絶対、誰にも渡さない」 「君を深く愛している」 「あなたは私の、最愛の娘よ」  公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。  そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?  命乞いをしたって、もう遅い。  あなたたちは絶対に、許さないんだから! ☆ ☆ ☆ ★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。 こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。 ※9/28 誤字修正

処理中です...