19 / 90
第1章 ゴミスキルと古代兵器
第17話 僕のお世話をすると言いだすクリス
しおりを挟む
「……シャルロット。一体何をしたの?」
『何もしていませんよ? ただ、あの少年の魔力と詠唱のクセから、飛んでくる氷の軌道を予測し、当たらない場所へ移動いただいただけです』
いやそれ、凄くない!?
だって、嵐みたいな風の中で、無数の氷の塊が凄い速さで飛んでくる魔法なんだよ!?
……って、感心している場合じゃない! 僕も反撃しなきゃ。
ジェームズには悪いけど、クリスを守る為だと、杖を向けたものの、シャルロットと言葉を交わした分、出遅れてしまった。
「くっ……な、ならば、これならどうだっ! ≪ファイア・ストー……」
「ダメーっ! お兄ちゃんに変な事しないでっ!」
「クリスっ!? ダメだ! 危ないっ!」
ジェームズが僕より先に魔法を完成させ、発動させようとした所で、僕の制止を聞かずにクリスが凄い速さで駆けて行き、その勢いのまま体当たりする。
クリスは、幼い男の子に見えるけど実は身体能力に優れた獣人族だからか、それともジェームズが油断していたからか、思いっきり後ろへ吹っ飛んだ。
僕も急いで走り、ジェームズの手から離れていた杖を遠くに蹴飛ばすと、
「動くな!」
顔に僕の杖を突き付ける。
「ま、待ってくれ兄貴。冗談だよ、冗談。悪かったよ。ちょっと、兄貴にちょっかいをかけてみただけなんだ。……長年同じ家で暮らした実の兄弟だろ。許してくれよ」
「…………次は無いぞ」
「わ、わかってるよ……チッ!」
ジェームズの奴、見逃してやったのに舌打ちして逃げて行った。
まったく……実の弟でなければ、問答無用で雷魔法を打ち込んでいる所だよ。
「お、お兄ちゃん! 守ってくれて、ありがとーっ!」
「いや、それは僕の方こそだよ。クリスがジェームズにタックルしてくれたおかげで勝てたんだ。……でも、危ないから出来ればしないで欲しいけど」
「ご、ごめんね。お兄ちゃんを助けないとって思ったら、いつの間にか身体が動いちゃってて。……それより、さっきの人って、お兄ちゃんの弟さんなの?」
「うん。ちょっと、実家で色々あってね」
これまでクリスに説明していなかったけど、巻き込んでしまった形になってしまったので、一先ず事情を説明する。
「……えっ!? じゃあ、お兄ちゃんは、その授かったスキルが期待していたのと違ったっていうだけで、勘当されたの!? 何それ、酷い! スキルなんて、何を授かるか自分で選べる訳じゃないのに!」
「そうなんだけど、うちのご先祖様に何人か賢者が居てね。それで、僕のゴミスキルが許せなかったみたいなんだ」
「ゴミスキルって、名前は確かに誤解しちゃいそうだけど、実際は凄いスキルなのに! 絶対におかしいよ!」
「はは……いやもう良いんだよ。実際、このスキルで家を追い出される事がなければ、クリスに会う事もなかったし、今となっては、勘当されて良かったと思っているからさ」
「お兄ちゃん……うん、決めた! お兄ちゃんの事は、クリスに任せて! クリスが、お兄ちゃんのお世話をずーっとしてあげるから」
いや、お世話って。
僕より幼いクリスにお世話してもらうのは、どうなんだろうか。
……まぁでも料理とか掃除とかって、家ではメイドさんたちがやってくれていたから、僕は殆どやり方が分からない。
そういう家事のやり方を教えてもらうっていうのはアリかもしれないな。
「じゃあ、一先ず今度こそ宿へ帰ろうか」
「うんっ! クリス、お兄ちゃんの為に頑張るねっ! いつかお金を貯めて、二人で住むお家とかが買えるといいなっ!」
家……か。毎日宿に泊まるより、そっちの方が良いのは分かるけど、とりあえずEランク冒険者で家を買うなんて到底無理な話だから、先ずは仕事を頑張って昇級しないとね。
そんな事を考えつつ、ジェームズが落とした杖を回収し、ストレージに収納して宿へ戻ると、
「お兄ちゃん。先ずは着替えるから、少し向こうを向いていてくれる?」
「ん? あぁ、分かったよ。着替え終わったら、呼んでね」
「うんっ!」
色々あって僕は忘れてしまっていたけど、クリスが買って来た服に着替える。
暫く待っていると、背後から声が掛かり、着替えを終えたクリスが……
「ど、どうかな? お兄ちゃんが選んでくれた服を着てみたんだけど」
「そ、そうだね。に、似合っているよ」
可愛らしい水色のワンピース姿で立っていた。
しかも妙に似合っていて、ちょっと可愛いとさえ思ってしまった程だ。
だけど、どうしよう。
僕が適当に服を選んでしまったせいで、クリスが……クリスが男の娘になっちゃったーっ!
『何もしていませんよ? ただ、あの少年の魔力と詠唱のクセから、飛んでくる氷の軌道を予測し、当たらない場所へ移動いただいただけです』
いやそれ、凄くない!?
だって、嵐みたいな風の中で、無数の氷の塊が凄い速さで飛んでくる魔法なんだよ!?
……って、感心している場合じゃない! 僕も反撃しなきゃ。
ジェームズには悪いけど、クリスを守る為だと、杖を向けたものの、シャルロットと言葉を交わした分、出遅れてしまった。
「くっ……な、ならば、これならどうだっ! ≪ファイア・ストー……」
「ダメーっ! お兄ちゃんに変な事しないでっ!」
「クリスっ!? ダメだ! 危ないっ!」
ジェームズが僕より先に魔法を完成させ、発動させようとした所で、僕の制止を聞かずにクリスが凄い速さで駆けて行き、その勢いのまま体当たりする。
クリスは、幼い男の子に見えるけど実は身体能力に優れた獣人族だからか、それともジェームズが油断していたからか、思いっきり後ろへ吹っ飛んだ。
僕も急いで走り、ジェームズの手から離れていた杖を遠くに蹴飛ばすと、
「動くな!」
顔に僕の杖を突き付ける。
「ま、待ってくれ兄貴。冗談だよ、冗談。悪かったよ。ちょっと、兄貴にちょっかいをかけてみただけなんだ。……長年同じ家で暮らした実の兄弟だろ。許してくれよ」
「…………次は無いぞ」
「わ、わかってるよ……チッ!」
ジェームズの奴、見逃してやったのに舌打ちして逃げて行った。
まったく……実の弟でなければ、問答無用で雷魔法を打ち込んでいる所だよ。
「お、お兄ちゃん! 守ってくれて、ありがとーっ!」
「いや、それは僕の方こそだよ。クリスがジェームズにタックルしてくれたおかげで勝てたんだ。……でも、危ないから出来ればしないで欲しいけど」
「ご、ごめんね。お兄ちゃんを助けないとって思ったら、いつの間にか身体が動いちゃってて。……それより、さっきの人って、お兄ちゃんの弟さんなの?」
「うん。ちょっと、実家で色々あってね」
これまでクリスに説明していなかったけど、巻き込んでしまった形になってしまったので、一先ず事情を説明する。
「……えっ!? じゃあ、お兄ちゃんは、その授かったスキルが期待していたのと違ったっていうだけで、勘当されたの!? 何それ、酷い! スキルなんて、何を授かるか自分で選べる訳じゃないのに!」
「そうなんだけど、うちのご先祖様に何人か賢者が居てね。それで、僕のゴミスキルが許せなかったみたいなんだ」
「ゴミスキルって、名前は確かに誤解しちゃいそうだけど、実際は凄いスキルなのに! 絶対におかしいよ!」
「はは……いやもう良いんだよ。実際、このスキルで家を追い出される事がなければ、クリスに会う事もなかったし、今となっては、勘当されて良かったと思っているからさ」
「お兄ちゃん……うん、決めた! お兄ちゃんの事は、クリスに任せて! クリスが、お兄ちゃんのお世話をずーっとしてあげるから」
いや、お世話って。
僕より幼いクリスにお世話してもらうのは、どうなんだろうか。
……まぁでも料理とか掃除とかって、家ではメイドさんたちがやってくれていたから、僕は殆どやり方が分からない。
そういう家事のやり方を教えてもらうっていうのはアリかもしれないな。
「じゃあ、一先ず今度こそ宿へ帰ろうか」
「うんっ! クリス、お兄ちゃんの為に頑張るねっ! いつかお金を貯めて、二人で住むお家とかが買えるといいなっ!」
家……か。毎日宿に泊まるより、そっちの方が良いのは分かるけど、とりあえずEランク冒険者で家を買うなんて到底無理な話だから、先ずは仕事を頑張って昇級しないとね。
そんな事を考えつつ、ジェームズが落とした杖を回収し、ストレージに収納して宿へ戻ると、
「お兄ちゃん。先ずは着替えるから、少し向こうを向いていてくれる?」
「ん? あぁ、分かったよ。着替え終わったら、呼んでね」
「うんっ!」
色々あって僕は忘れてしまっていたけど、クリスが買って来た服に着替える。
暫く待っていると、背後から声が掛かり、着替えを終えたクリスが……
「ど、どうかな? お兄ちゃんが選んでくれた服を着てみたんだけど」
「そ、そうだね。に、似合っているよ」
可愛らしい水色のワンピース姿で立っていた。
しかも妙に似合っていて、ちょっと可愛いとさえ思ってしまった程だ。
だけど、どうしよう。
僕が適当に服を選んでしまったせいで、クリスが……クリスが男の娘になっちゃったーっ!
82
あなたにおすすめの小説
チートツール×フールライフ!~女神から貰った能力で勇者選抜されたので頑張ってラスダン前まで来たら勇者にパーティ追放されたので復讐します~
黒片大豆
ファンタジー
「お前、追放な。田舎に帰ってゆっくりしてろ」
女神の信託を受け、勇者のひとりとして迎えられた『アイサック=ベルキッド』。
この日、勇者リーダーにより追放が宣告され、そのゴシップニュースは箝口令解除を待って、世界中にバラまかれることとなった。
『勇者道化師ベルキッド、追放される』
『サック』は田舎への帰り道、野党に襲われる少女『二オーレ』を助け、お礼に施しを受ける。しかしその家族には大きな秘密があり、サックの今後の運命を左右することとなった。二オーレとの出会いにより、新たに『女神への復讐』の選択肢が生まれたサックは、女神へのコンタクト方法を探る旅に目的を変更し、その道中、ゴシップ記事を飛ばした記者や、暗殺者の少女、元勇者の同僚との出会いを重ね、魔王との決戦時に女神が現れることを知る。そして一度は追放された身でありながら、彼は元仲間たちの元へむかう。本気で女神を一発ぶん殴る──ただそれだけのために。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
追放された最弱ハンター、最強を目指して本気出す〜実は【伝説の魔獣王】と魔法で【融合】してるので無双はじめたら、元仲間が落ちぶれていきました〜
里海慧
ファンタジー
「カイト、お前さぁ、もういらないわ」
魔力がほぼない最低ランクの最弱ハンターと罵られ、パーティーから追放されてしまったカイト。
実は、唯一使えた魔法で伝説の魔獣王リュカオンと融合していた。カイトの実力はSSSランクだったが、魔獣王と融合してると言っても信じてもらえなくて、サポートに徹していたのだ。
追放の際のあまりにもひどい仕打ちに吹っ切れたカイトは、これからは誰にも何も奪われないように、最強のハンターになると決意する。
魔獣を討伐しまくり、様々な人たちから認められていくカイト。
途中で追放されたり、裏切られたり、そんな同じ境遇の者が仲間になって、ハンターライフをより満喫していた。
一方、カイトを追放したミリオンたちは、Sランクパーティーの座からあっという間に転げ落ちていき、最後には盛大に自滅してゆくのだった。
※ヒロインの登場は遅めです。
転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜
ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。
アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった
騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。
今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。
しかし、この賭けは罠であった。
アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。
賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。
アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。
小説家になろうにも投稿しています。
なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる