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第2章 ゴミスキルと魔導少女たち

第70話 四人部屋?

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「いやー、団体のお客さんは予想外でしたね。やはり手頃で良い宿だからですかねー」
「……クリスは、さっきまでガラガラって感じだった気がするんたけど?」
「これから、来られるみたいですしね。仕方ありませんよー」

 一先ず、宿に泊まれる事になったものの、全員同じ部屋か。
 僕たちは良いとしてもレナさんは平気かな?
 ちょっと心配になって、チラッと顔を見てみると、思いっきりレナさんと目が合い、

「あらあら。カーディさんったら、私と同じ部屋で泊まるから、ドキドキしちゃっているんですね? 大丈夫ですよー。カーディさんの好きになさってくださいね」

 とんでもない事を言われる。

「お兄ちゃんは、クリスと一緒に寝るのーっ!」
「ご主人様は、私と一緒に寝るから、エロメイドが入る余地なんてないわよ」
「誰がエロメイドですかっ! でも、カーディさんは、真っ先に私を見てくださいましたから。ね、カーディさん」

 えぇぇ……何この状況。
 皆、普通に寝ようよ。
 一先ずレナさんを見た理由を説明し、当てがわれた三階の部屋に入ると、物凄く大きなベッドが一つだけ置かれた部屋だった。

「な、何これ……ここって、四人部屋だよね?」
「そう言っていましたね。しかしながら、このキングサイズベッドなら、四人で寝るくらい造作もないかと。それに、ベッドの上で動いても問題ない強度と思われます」
「いや、ベッドは寝るものだから。とりあえず、桶が用意してあるし、汗を……って、レナさん!? どうしていきなり脱ぎだすのっ!?」
「え? ですから汗を流そうと思いまして」

 お風呂でも少しだけ見えちゃったけど、レナさんは躊躇が無いっ!

「……って、マリーもクリスも対抗しなくて良いから!」

 全員服を脱ぎだしたので、慌てて部屋を出る。
 うーん。どうしてこうなったんだろう。
 とりあえず、三人の行水が終わるまで散歩でもしておこうと、一人で宿の外へ。

「そうだ。今のうちに、シャルロットに状況説明をしておこう」

 マリーからレナさんの前でシャルロットを出すなと言われているけど、今なら大丈夫だろう。
 先ずは人気の無い路地へ入り、ゴミスキルを使ってシャルロットをストレージから出すと、

「カーティスさーん! 無事で良かったです!」

 出てくるなり抱きつかれてしまった。
 そうか。前にシャルロットを収納したタイミングが、冒険者たちに追われていた時だからか。

「うん。あの後、レナさんっていうマジックフォンの人が現れたんだけど……」

 一先ず、ベルンハルト伯爵の話や、レナさんの話をして、今は宿で三人が身体を洗っている事を説明すると、

「ベルナルド伯爵ですか……ふむ。なるほど。確かに、あまり評判は良くないですね。あと、レナというマジックフォンは……確かに、風の魔法を得意としているようです。というか、風の魔法に特化していて、それ以外は使えなさそうですね」

 シャルロットが早速調べてくれた。

「しかし、泊まっているのが、向こうの宿でしたっけ? この街なら、同じくらいの料金で、もっと良い宿がありますよ? しかも、割と近くに」
「そうなんだ。まぁでも、シャルロットみたいに、何でも知っている訳じゃないから仕方ないよ」
「ふっふっふー。カーティスさんも、私の凄さを分かってくださったみたいですね。……でも私は、もっと色んなご奉仕が出来て、きっとそっちも凄いんですよ? 何と言っても、知識は凄いですから」

 そう言って、シャルロットが胸を張る。
 だけど、シャルロットは知識はあるけど、凄く不器用だったような気がするんだけど。

「カーティスさん。どうして、そんな微妙な顔何ですか? 二人っきりの今だから出来る、特別なご奉仕は不器用とか関係ありませんからね? やり方を知っていて、愛があれば出来るんですっ! とゆー訳で、カーティスさん! ご奉仕させていただきますね!」

 シャルロットが顔を赤く染めながらしゃがみ込むと、

「おぅおぅ……こんな所でナニをしてんだよっ!」

 路地の奥から、黒ずくめの男が近寄ってきた。

「くっ……すみません。ご奉仕の事で頭がいっぱいで、近くに人が居ると気付けませんでしたっ!」

 シャルロットが何をする気だったのかは分からないけど、こっそり氷の魔銃を取り出し、身体で隠しながら魔力を注いでいると、

「待て! 任務の前に何を考えているんだ! 盛ったガキなんて放っておけ!」
「チッ……ふんっ」

 別の黒ずくめの男に言われ、近くに居た男が奥へ消えて行く。
 ただ、去り際に鈍い光を放つ何かを投げたような……

「カーティスさん! 危ないっ!」

 シャルロットに身体を引っ張られ、体勢を崩してしまい、先程僕の頭があった所に黒いナイフが刺さった。

「ありがとう、シャルロット。しかし、今のは……?」
「路地の奥に、五人程集まっていますね。どうされますか?」
「任務っていうのが気になるし、いきなりナイフを投げつけてくるような奴らだから、悪い事を企んでいるかもね。ちょっと様子を伺おう」

 明らかにシャルロットを狙っている人たちとは別件みたいなので、一先ず様子を見てみる事にした。
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