神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

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第2章 ゴミスキルと魔導少女たち

第71話 狙われていた宿

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 とりあえず、ゴミスキルを使うと、投げ付けられたナイフが収納出来たので、捨てられたのと同義らしい。
 まぁ回収しようとしていないしね。
 一先ずシャルロットと共に路地の奥へ。
 少し進んだ所で、

「カーティスさん。ここで止まりましょう。この位置でも声が拾えます」

 僕には何も聞こえないけど、シャルロットには聞こえるそうで、足を止める。
 それからシャルロットが僕にくっつき、奥から聞こえてくるという話を耳元で囁く。
 ……こっちの話し声が向こうに聞こえないようにする為なんだろうけど、それにしても近すぎない!?
 近すぎるせいか、時折シャルロットの唇が僕の耳に触れている気がするんだけど。

「作戦の再確認で、今晩そこの宿を襲撃するって言っています」
「そこの宿……って、僕たちが泊まっている宿じゃないか」
「どうやらターゲットは、三階の一番奥の部屋だそうです」
「そこ、思いっきり僕らの部屋だよ」
「でしたら、背後関係を洗った上で倒しておきたいですね」
「分かった。とりあえず、氷の魔銃で動きを止めて聞きだそう」

 氷の魔銃を手に、シャルロットのナビに従って移動して行く。
 おそらく、さっきのナイフは僕をターゲットの一人だと認識せずに攻撃したのだろう。
 仮に僕をターゲットだと認識して攻撃していたのなら、そのまま放置なんてせずに、確実に倒したかどうかを確認するはずだしね。

「カーティスさん。ここからなら、ギリギリ射線が通ります。ですが、これ以上近付くと気付かれますので、ここから攻撃してください」
「わかった」
「ちなみに、もう少しだけ左へ……はい。そこです。その方角です」

 シャルロットから、建物と建物の隙間を狙うように指示されてそっちを向いたけど、相手が黒ずくめという事もあって、実は僕には全く相手が見えていない。
 だけど、シャルロットがこの向きだと言うのを信じて、魔銃を構えると、

「……ったくよ。幾ら金払いが良いからって、こんな仕事やりたくねぇよ」
「仕方がないだろ。ギルド経由の正式な依頼だ。しかも、俺も詳しくは知らないが、依頼主は貴族様らしいぞ」
「貴族様ね。ちっ……こんなクソ汚れ仕事なんざ早く終わらせて、もっとまともな――シーフらしい仕事がしてぇな」

 黒ずくめたちの小さな声が聞こえてきた。
 相手がシーフといえば、身軽さを武器にして、密偵や工作活動などを行う職業だ。
 シーフ自体が悪いって訳ではないけど、この人たちは宿を――僕たちを襲うと言っているし、何より僕に攻撃を仕掛けて来たのだから、反撃されても文句はないだろう。
 一先ず、当初想定と少し状況が変わってしまったので、弾丸自体は細く、着弾後に着弾点を中心に氷が広がるイメージで魔力を込め直し、撃つ!
 静かに薄暗い中を氷の弾丸が飛んで行き、

「ぐわっ! 何だっ!? 身体がっ……」
「敵かっ!? だが、まだ何もしていないのに、誰だっ!?」
「落ち着け! 凍結系の魔法攻撃だ! 確かターゲットも氷の魔法を使って来るからと、炎の魔法を使える奴が参加していただろ! 先ずは氷を溶かすんだ!」

 シャルロットのナビ通り命中した。
 しかし、僕の魔銃が知られているという事は、シャルロット絡みだったのかも。
 別件だと思っていたけど、読みが外れたか。

「カーティスさん。次弾準備出来ますか!? 咄嗟に仲間を盾にして回避した者と、凍結から回復した者……二名がこちらへ向かっています」
「わかった。後退しながら魔力を込めるよ」
「でしたら、右へ移動してください。大きくグルっと回って、先程の黒ずくめが居た所へ出られます」
「つまり、凍結を回復している者を狙えって事だね。了解っ!」

 シャルロットに案内してもらいながら薄暗い路地を移動していき、

「カーティスさん。その角を曲がった所です」
「わかった」

 角から僅かに顔と魔銃を出し、準備していた弾丸――射程を短くし、その分着弾後の範囲と威力を高めた弾を……撃つ。

「お見事。後は、後ろから追って来ている……三人だけですね」

 薄暗い路地の中で、死角になっている場所から黒ずくめが出てくるタイミングをシャルロットが教えてくれるので、そのタイミングに併せて氷の弾丸を放ち……無傷で全員凍結させる事が出来た。
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