27 / 51
第26話 薬草の研究
「母さん! 急いで屋敷へ戻ろう! アリスさんも!」
「そうね。タマちゃん、おいでっ!」
タマちゃんを狙っている人たちがいて、その人たちが捕まった途端に、一斉に亡くなるなんて絶対におかしい。
用心しておくに越した事はないだろう。
という訳で、事情は後で説明する事にして、周囲を警戒しながら領主の屋敷へ戻ってきた。
「俺は兵士の詰所で話を聞いてきます。アリスさんと聖獣様は、絶対にこの屋敷から出ないでください」
「えっと、タマちゃんはわかるけど、私も?」
「念の為です」
そう言って、リアムさんが屋敷を飛び出して行った。
でも父が関わっている可能性もあるし、リアムさんの言う通り、今は屋敷の中で待っているべきかも。
リアムさんの指示に従い、タマちゃんと屋敷の宛てがわれた部屋でジッと待つ。
……と思っていたけど、地下牢の事は気になるものの、リアムさんが帰って来る気配もないので、タマちゃんと共にキッチンへ。
この時間を活用して、前から気になっていた、薬草を使った料理を研究しようと思う。
「薬草ご飯? それなら、この前リアムと一緒に見つけた薬草を取っておいてもらってるよー!」
「あ、お預かりした植物ですか? 少々お待ちください」
キャシーさんが、タマちゃんから預かっていたという数種類の薬草を持ってきてくれた。
私としては、医食同源を実践する為にも、栄養バランスの良い食事にしたいので、是非とも活用したい。
特に、冒険者さんたちは汗をかく事が多いはずだし、流れ出ていってしまうミネラルやビタミンが取れる食材を使いたいと思う。
「んーとねー、アリスが言うような薬草は、これかなー。汗をかいた後に体調を悪くさせ難くするんだー」
「へぇー。ゴボウ……もとい、土の枝に似ているけど、長さや色が違うのね」
「土の枝は皮を剥くと白いけど、こっちは黄色いんだよー。それと、食べると身体がポカポカするから、炎の根って呼ばれているんだよー」
へぇー、炎の根かぁ。
一体どんな味なんだろう?
そう思って、小さなかけらを味見しようとした所で、タマちゃんから待ったがかかる。
「あ、待って! それは生で食べられない事もないけど、刺激が強いから、乾燥させた方が良いよー」
「そうなんだ。じゃあ……さっき教えて貰った事を、早速やってみようかな」
果樹園で使っていた燻製箱みたいなものは無いけど、キャシーさんに小さな木箱を貰い、逆さまにして空気を逃す穴を空ける。
あとは、果樹園で教えて貰った通りにするんだけど……この洗って皮を剥いた炎の根は、薄くスライスしてもしっかりしているので、熱風を強くしても大丈夫な気がする。
果樹園では、緩かな風だと聞いていたけど、ちょっと強めの風にしてしまおう。
あと、火力も強めにして温度を高め……ついでに箱の中で熱風を回転させて、竜巻みたいな感じにする。
とはいえ、あまり強くし過ぎると箱がもたないので、土魔法で箱を防御!
あとは強力な熱竜巻で炎の根を乾燥させるっ!
「これで、どうかしらっ!」
「あ、あの、お嬢様。薬草を乾燥させる為に、三種類の魔法を多重起動するのはやり過ぎな気がします」
「あ、確かに同時に発動させたんですけど、これは初級魔法なんで大した事がないんですよー」
「えっと、宮廷魔道士でも、二重起動すら難しいときいた事があるのですが。あと、魔力の消費が激しいとか……」
何故かキャシーさんが困惑しているけど、特に問題は無いんだけどなー。
そんな事を考えつつ、魔法を止め、箱を開けてみると、籠の上に乾いた炎の根があった。
ドライフルーツみたいに濃縮される……まではいっていないけど、乾燥はしているかな。
まずは炎の根の匂いを嗅いでみて……ん? これ、知っている香りな気がする。
何だっけ? 洗って皮も剥いたのに土の香りがして、黄色くて……アレかな?
食べたらポカポカするっていう話だし、カレーとかに使われるターメリックなのかも!
「アリスー。何か思いついたのー?」
「思いついたと言えば思いついたんだけど、ちょっと足りない物が多過ぎて、どうしようかなって思って」
「そうなんだー。一応伝えておくと、この炎の根を食べると、病気に罹りにくくなるのと、お肌が綺麗になる効能があるよー!」
やっぱりターメリックだ。
免疫力が高められ、肌が綺麗になるのと、この見た目と香り……間違いない!
とはいえ、どうやって使おうかなと考えていると……キャシーさんがターメリックを齧りだしたっ!?
「え? キャシー……さん?」
「美肌……これを食べれば、スベスベでツヤツヤのお肌に……」
「あ、あの、こういうのって、一気に食べると身体に良くなくて……キャシーさーんっ! 話を聞いてーっ!」
異世界でも、女性は肌を気にしているのね。
じゃあ、食事にも気を遣おうよ……。
「そうね。タマちゃん、おいでっ!」
タマちゃんを狙っている人たちがいて、その人たちが捕まった途端に、一斉に亡くなるなんて絶対におかしい。
用心しておくに越した事はないだろう。
という訳で、事情は後で説明する事にして、周囲を警戒しながら領主の屋敷へ戻ってきた。
「俺は兵士の詰所で話を聞いてきます。アリスさんと聖獣様は、絶対にこの屋敷から出ないでください」
「えっと、タマちゃんはわかるけど、私も?」
「念の為です」
そう言って、リアムさんが屋敷を飛び出して行った。
でも父が関わっている可能性もあるし、リアムさんの言う通り、今は屋敷の中で待っているべきかも。
リアムさんの指示に従い、タマちゃんと屋敷の宛てがわれた部屋でジッと待つ。
……と思っていたけど、地下牢の事は気になるものの、リアムさんが帰って来る気配もないので、タマちゃんと共にキッチンへ。
この時間を活用して、前から気になっていた、薬草を使った料理を研究しようと思う。
「薬草ご飯? それなら、この前リアムと一緒に見つけた薬草を取っておいてもらってるよー!」
「あ、お預かりした植物ですか? 少々お待ちください」
キャシーさんが、タマちゃんから預かっていたという数種類の薬草を持ってきてくれた。
私としては、医食同源を実践する為にも、栄養バランスの良い食事にしたいので、是非とも活用したい。
特に、冒険者さんたちは汗をかく事が多いはずだし、流れ出ていってしまうミネラルやビタミンが取れる食材を使いたいと思う。
「んーとねー、アリスが言うような薬草は、これかなー。汗をかいた後に体調を悪くさせ難くするんだー」
「へぇー。ゴボウ……もとい、土の枝に似ているけど、長さや色が違うのね」
「土の枝は皮を剥くと白いけど、こっちは黄色いんだよー。それと、食べると身体がポカポカするから、炎の根って呼ばれているんだよー」
へぇー、炎の根かぁ。
一体どんな味なんだろう?
そう思って、小さなかけらを味見しようとした所で、タマちゃんから待ったがかかる。
「あ、待って! それは生で食べられない事もないけど、刺激が強いから、乾燥させた方が良いよー」
「そうなんだ。じゃあ……さっき教えて貰った事を、早速やってみようかな」
果樹園で使っていた燻製箱みたいなものは無いけど、キャシーさんに小さな木箱を貰い、逆さまにして空気を逃す穴を空ける。
あとは、果樹園で教えて貰った通りにするんだけど……この洗って皮を剥いた炎の根は、薄くスライスしてもしっかりしているので、熱風を強くしても大丈夫な気がする。
果樹園では、緩かな風だと聞いていたけど、ちょっと強めの風にしてしまおう。
あと、火力も強めにして温度を高め……ついでに箱の中で熱風を回転させて、竜巻みたいな感じにする。
とはいえ、あまり強くし過ぎると箱がもたないので、土魔法で箱を防御!
あとは強力な熱竜巻で炎の根を乾燥させるっ!
「これで、どうかしらっ!」
「あ、あの、お嬢様。薬草を乾燥させる為に、三種類の魔法を多重起動するのはやり過ぎな気がします」
「あ、確かに同時に発動させたんですけど、これは初級魔法なんで大した事がないんですよー」
「えっと、宮廷魔道士でも、二重起動すら難しいときいた事があるのですが。あと、魔力の消費が激しいとか……」
何故かキャシーさんが困惑しているけど、特に問題は無いんだけどなー。
そんな事を考えつつ、魔法を止め、箱を開けてみると、籠の上に乾いた炎の根があった。
ドライフルーツみたいに濃縮される……まではいっていないけど、乾燥はしているかな。
まずは炎の根の匂いを嗅いでみて……ん? これ、知っている香りな気がする。
何だっけ? 洗って皮も剥いたのに土の香りがして、黄色くて……アレかな?
食べたらポカポカするっていう話だし、カレーとかに使われるターメリックなのかも!
「アリスー。何か思いついたのー?」
「思いついたと言えば思いついたんだけど、ちょっと足りない物が多過ぎて、どうしようかなって思って」
「そうなんだー。一応伝えておくと、この炎の根を食べると、病気に罹りにくくなるのと、お肌が綺麗になる効能があるよー!」
やっぱりターメリックだ。
免疫力が高められ、肌が綺麗になるのと、この見た目と香り……間違いない!
とはいえ、どうやって使おうかなと考えていると……キャシーさんがターメリックを齧りだしたっ!?
「え? キャシー……さん?」
「美肌……これを食べれば、スベスベでツヤツヤのお肌に……」
「あ、あの、こういうのって、一気に食べると身体に良くなくて……キャシーさーんっ! 話を聞いてーっ!」
異世界でも、女性は肌を気にしているのね。
じゃあ、食事にも気を遣おうよ……。
あなたにおすすめの小説
異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。