婚約破棄で追放されて、幸せな日々を過ごす。……え? 私が世界に一人しか居ない水の聖女? あ、今更泣きつかれても、知りませんけど?

向原 行人

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第6章 太陽の聖女と星の聖女

第310話 太陽の聖女と星の聖女

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「ビアンカさんにロレッタさん!? その光は!?」
「太陽と星の力です。魔王の弱点は太陽の光。ですが、夜には届かない太陽の光を、星の光で補助してもらっています」

 私の問いにビアンカさんが答えると、ロレッタさんが補足してくれる。
 どうやら、私と別行動している時にロレッタさんが占っているのを見て、ビアンカさんがもしかして星の聖女ではないか……と声を掛けたそうだ。
 ロレッタさんが占いをする時に周囲が輝く光によって、ビアンカさんが夜に力を使えるようになり、その太陽の力を借りてロレッタさんの星の力も強化されているのだとか。

「みなさん! ビアンカさんの太陽の力で魔王の力を弱め、私の星の力で魔王の行動を教えます」
「行動を教える?」
「はい。星の力で、魔王の数秒後の動きが見えるんです……右手から、炎の弾が飛んできます!」

 ロレッタさんが叫ぶと、その少し後に魔王が言葉通りの攻撃をしてくる。
 これは……占いの力の応用というか、進化なのだろうか。
 ロレッタさんの言葉が予言というか、未来予知みたいな事になっている。

「左から雷が! 時間差で正面から氷柱が落ちてきます!」
「なるほど。これは……我には十分過ぎる情報だ」

 私たちにとっては、ほんの少しの時間の猶予しかないけど、凄い速さで動けるイナリにとっては大きな時間らしく、全ての攻撃を避けていく。
 だけど、魔王にはイナリを吹き飛ばす、強力な風の力が……あっ!

「光よ!」

 ビアンカさんが手をかざすと、僅かな時間だけど周囲が明るくなり、魔王がイナリを吹き飛ばそうとして生み出した風が消えた!
 その隙に、イナリが生み出した黒い刃が魔王の身体と翼を斬る。
 だけど魔王が苦しむものの、再び風の力を生み出し、イナリが吹き飛ばされてしまった。

「すみません。夜に太陽の力を使うには、星の光を充填する必要があって、続けては使用出来ないんです」
「いや、十分だ。暫し魔王の攻撃を引き付ける故、また頼む。だがそれよりも、我の力では魔王へ攻撃するにはいささか相性が悪いようだ」

 イナリも扱うのは闇の力だと言っていた。
 ビアンカさんの太陽の聖女の力で魔王が弱る事から、イナリの闇の力と近しいのだろう。
 このまま長期戦になるのかと思っていると、思わぬ声が届いてきた。

「ならば、我らも攻撃に加わろう」
「俺たちは魔王を倒す為に来たんだからな」
「太陽の聖女さん、実は凄かったんだな。ぶっちゃけ、お飾りの聖女だと思ってたよ。悪かったな」

 教会の大部屋に居た各国の代表の人たちも集まってきたので、神水を飲んでもらい……ロレッタさんの声で魔王の攻撃を避ける。
 ビアンカさんが合図をすると、イナリが魔王に向かって行き、先程同様に光で魔王の攻撃が消えた。

「はぁぁぁっ!」
「一対多だが、悪く思うなよ」

 イナリに続いて、剣や矢で皆が一斉に攻撃し……魔王が地面に倒れ伏す。
 だけど……魔王の傷が塞がっていく!?

「首を斬り落としても復活するし、こんなのどうやって倒せば良いんだ!?」
「チッ! フランセーズの王子は、本当に人間をやめちまったんだな」

 各国の代表者たちが、魔王を倒しきる事が出来ずに暗い表情になっていく中で……一つ思い付いた事がある。

「ビアンカさん! ロレッタさん! 少し試してみたい事があるんです。協力してください!」
「勿論です。世界を救えるのなら、何でもします」
「アニエスさん。私たちに出来るのは、魔王を弱体化させる事までです。どうか、お願い致します」

 ビアンカさんとロレッタさんに来てもらい、思い付いた事を魔王に……トリスタン王子にしてみる事にした。
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