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武道大会と俺
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「いよいよ2週間後は『武道大会』だ。皆、自分の出たい種目は決まってるなー?」
『武道大会』とは「君アス」のなかで1番最初の一大イベントだ。前世の体育祭のようなものだが、種目は3つしかない。魔法の美しさを競う魔法舞踊という種目、箒に乗って障害物を避けながら一位を競うスウィープという種目、そして剣の腕前を競う剣技大会だ。
「アースはどれにするの?」
「俺はやっぱり魔法舞踊かな。マーズは?」
「俺はスウィープ。ソレイルは剣得意だし、剣技大会か?」
「ああ。カストロも剣技に出るって言ってたから負けないようにしないと。」
「カストロはガタイがいいし、才能もあるもんなー。」
「アースが何かご褒美くれたら頑張れる。」
「例えば?」
「キスとか。」
俺の頬がカッと熱くなる。本当にソレイルはリミッターが外れたように、恥ずかしいことを平気で吐く。
「人前でそんなこと言うな。」
俺はソレイルの頭を叩いた。
しかし、満更でもない表情のアースを見てマーズは「俺も恋人作ろう…」と呟いた。
放課後、カストロが廊下でヒロイン、ステラと楽しそうに話をしていた。またなと笑顔で手を振っている。
「カストロ、いつの間にステラ嬢と知り合いになったの?」
「俺が剣の練習をしてる時に剣術練習場にステラが来てたんだ。その時に運動不足解消のために何かトレーニングしたいって言ってたから、おすすめのトレーニングメニューとか教えてあげて、それで仲良くなったんだ。」
ステラはカストロの攻略は順調そうだ。でもソレイルを狙っていたのでは?もしかしてハーレム狙い?ダメだ、ステラのことを悪く考えてしまう。こんな風に悪く捉えちゃいけないと分かっているのに、ソレイルを奪われるかもしれないという不安から自然と敵対心が生まれてしまう。
俺は邪念を振り払うように魔術練習場に向かった。
中庭のような少し開けた原っぱには何人かの生徒が魔法の練習をしている。一見ただの中庭に見えるが、魔法により爆発や災害が起こっても周りに影響が出ないようになっている。
「あら?アース様。奇遇ですわね。」
「シーア様!」
そこにはシーアが立っていた。
「アース様も武道大会のための練習ですの?」
「そうなんです。俺も魔法舞踊に出ようと思っているので。」
「なら、一緒に練習しませんこと?」
「いいんですか!?」
俺は目を輝かせた。
俺は魔法が得意だと自負しているが、シーアも負けず劣らず魔法が得意だ。
「君アス」でのシーアは勉強が嫌いで、魔法なんてもってのほかというタイプだったのだが…。シーアに何か心境の変化でもあったのだろうか。シーアは前回のテストでも総合3位をとっていた。
「魔法舞踊はどのような構成で披露しようと考えておりますの?」
「えっとですね…」
2時間後。
「そろそろ暗くなってきたし帰りましょうか。」
「まあ!本当だわ!すっかり時間を忘れて練習してしまいましたわ。」
「暗くなってますし、寮まで送りますよ。」
「いいえ。お気持ちはありがたいのですけど、アース様はソレイル殿下の婚約者でございますわ。変な噂をたてられてはなりません。それに…。ほら、いらっしゃったわ。」
シーアがクスッと笑う。
シーアの視線の先を辿るとソレイルがこちらに手を振っていた。
「もう遅いからね。迎えに来たよ。」
「最近ソレイルには迎えに来させてばっかりいる気がするな。」
「俺がやりたくてやってることだからいいんだよ。」
ソレイルが俺を甘く見つめた。
「近い…!近すぎますわ!!
こんな至近距離でお二人を見てしまったら…私は…もう…!」
シーアがワナワナと震え出した。
「お先に失礼いたしますわー!!」
シーアは目にも止まらぬ速さで魔術練習場を後にした。
「シーア様はあんな性格だったか…?」
「シーア嬢は俺たちを前にすると頭のネジが緩むようだね。」
アースとソレイルはシーアの消えた彼方を見つめた。
『武道大会』とは「君アス」のなかで1番最初の一大イベントだ。前世の体育祭のようなものだが、種目は3つしかない。魔法の美しさを競う魔法舞踊という種目、箒に乗って障害物を避けながら一位を競うスウィープという種目、そして剣の腕前を競う剣技大会だ。
「アースはどれにするの?」
「俺はやっぱり魔法舞踊かな。マーズは?」
「俺はスウィープ。ソレイルは剣得意だし、剣技大会か?」
「ああ。カストロも剣技に出るって言ってたから負けないようにしないと。」
「カストロはガタイがいいし、才能もあるもんなー。」
「アースが何かご褒美くれたら頑張れる。」
「例えば?」
「キスとか。」
俺の頬がカッと熱くなる。本当にソレイルはリミッターが外れたように、恥ずかしいことを平気で吐く。
「人前でそんなこと言うな。」
俺はソレイルの頭を叩いた。
しかし、満更でもない表情のアースを見てマーズは「俺も恋人作ろう…」と呟いた。
放課後、カストロが廊下でヒロイン、ステラと楽しそうに話をしていた。またなと笑顔で手を振っている。
「カストロ、いつの間にステラ嬢と知り合いになったの?」
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ステラはカストロの攻略は順調そうだ。でもソレイルを狙っていたのでは?もしかしてハーレム狙い?ダメだ、ステラのことを悪く考えてしまう。こんな風に悪く捉えちゃいけないと分かっているのに、ソレイルを奪われるかもしれないという不安から自然と敵対心が生まれてしまう。
俺は邪念を振り払うように魔術練習場に向かった。
中庭のような少し開けた原っぱには何人かの生徒が魔法の練習をしている。一見ただの中庭に見えるが、魔法により爆発や災害が起こっても周りに影響が出ないようになっている。
「あら?アース様。奇遇ですわね。」
「シーア様!」
そこにはシーアが立っていた。
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「なら、一緒に練習しませんこと?」
「いいんですか!?」
俺は目を輝かせた。
俺は魔法が得意だと自負しているが、シーアも負けず劣らず魔法が得意だ。
「君アス」でのシーアは勉強が嫌いで、魔法なんてもってのほかというタイプだったのだが…。シーアに何か心境の変化でもあったのだろうか。シーアは前回のテストでも総合3位をとっていた。
「魔法舞踊はどのような構成で披露しようと考えておりますの?」
「えっとですね…」
2時間後。
「そろそろ暗くなってきたし帰りましょうか。」
「まあ!本当だわ!すっかり時間を忘れて練習してしまいましたわ。」
「暗くなってますし、寮まで送りますよ。」
「いいえ。お気持ちはありがたいのですけど、アース様はソレイル殿下の婚約者でございますわ。変な噂をたてられてはなりません。それに…。ほら、いらっしゃったわ。」
シーアがクスッと笑う。
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「もう遅いからね。迎えに来たよ。」
「最近ソレイルには迎えに来させてばっかりいる気がするな。」
「俺がやりたくてやってることだからいいんだよ。」
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「近い…!近すぎますわ!!
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「お先に失礼いたしますわー!!」
シーアは目にも止まらぬ速さで魔術練習場を後にした。
「シーア様はあんな性格だったか…?」
「シーア嬢は俺たちを前にすると頭のネジが緩むようだね。」
アースとソレイルはシーアの消えた彼方を見つめた。
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