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第一章 恋愛編
第6話 余震
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地震による地盤沈下で孤立した私たちは、地上に開いた大穴からの脱出はほぼ不可能だと判断した。
私は、ここで救助を待ちつつも、必死に助けを呼びかけ続けた。
一方で、彼は地下空間から脱出するルートを探すため、決意を込めて動き出した。
「助けてください!誰かいませんか!?」
私が声を張り上げると、その声は響き渡り、壁を反射して広がっていくように感じられた。
しかし、外部からの反応は一切なかった。
私は、耳を澄ましてもただの静寂が返ってくるばかりで、孤独感に襲われることとなった。そんな時…。
《ガタガタ…。ガタガタ…。》
《ガタガタ…。ガタガタ…。》
再び、地震の揺れが私を襲った。
それは激しく、立っていられないほどだった。先程の地震のことがトラウマになって足がすくむ。
「拓弥君!地震よ。助けて!」
《ガタン…。》
《ドスン!!》
地上の出口の辺りが再び崩れ始め、石や土砂が下まで落ちてくる。
私は、急いで安全な場所に移動して身を守った。
「いたーい!」
30cmほどの石が私の左足首に激突し、激痛に苦しむことになった。
その間に地震の揺れはようやく収まった。
「真由!大丈夫か!?」
私の悲鳴を聞いた拓弥君は、慌てて戻って来てくれた。
「拓弥君、足が…。」
「見せて!あっ、腫れちゃってるじゃないか!」
「さっきの地震でまた崩落が始まって、転がってきた石が当たってしまったのよ。」
「見た目だと腫れてるだけだけど、もしかしたら骨折しちゃってるかも知れないな。無理に動かさない方がいい。」
「でも、さっきの崩落で大穴が塞がってしまったわ。」
地震が起こり、地上近くの地盤が崩壊した。
岩が地表に続く通路に引っかかり、出口を塞いでしまったのだ。
僅かな隙間はあるが、人が通り抜けるほどのスペースはない。これにより、大穴からの脱出は現実的に不可能となった。
「真由。ここは、まだ落石の危険があるから離れよう。さっき別の空間を発見したんだ。そこの方が安全だと思う。」
「わかったわ。でも、あまり速くは歩けないわよ。」
「大丈夫!乗れよ。おぶってやるから。」
拓弥君は、私が乗りやすいように屈んで背中を見せる。
「えっ。それは流石に悪いわ。」
「大丈夫だ。俺だってフィットネスで身体を鍛えてるんだ。真由相手でも平気さ。」
「あ!その言い方は酷いわね!私はこれでも45キロよ!太ってなんかいないんだから…。」
「あはは。ごめん、ごめん。冗談だよ。ほらっ、乗れよ。」
「うん。ありがとう。」
私は、拓弥君のリュックを代わりに背負って、彼の背中に身を委ねた。
交際していた頃、酔いつぶれた私を同じように抱えて自宅へ送ってもらったことを思い出す。
彼の背中は、新田さんのように大きくはないけれど、男らしく強く、逞しい。
そして、とても暖かかった。私は、痛みを忘れ、彼と密着している箇所に全神経を集中してしまっていた。
スマホライトだけの心細い光源を頼りに、拓弥君は進み始めた。
本当は暗がりが怖い私だが、彼に密着していると、そう言った不安は不思議と感じ無かった。
私たちは転落した場所から拓弥君が見つけた抜け穴を通って進んでいる。
それは自然にできたものか、人工的に作られたものかは分からなかったが、子供の頃に家族と行った鍾乳洞のような雰囲気があった。
穴は一本道のようで、途中で分岐するような道は見つからなかった。
壁や天井、床からは水滴が落ちる音が響いていた。私はコウモリのような気味の悪い生き物に遭遇しないかと不安になったが、幸いなことに、そんな存在は確認できなかった。
ゆっくりとしたペースではあったが、私たちは順調に進んでいた。
「真由大丈夫か?まだ痛むか?」
「うん。まだ痛いけど大丈夫だよ。」
「俺は、実は後悔しているんだよ。」
「えっ…。」
「あの時のことだよ。恵美に真由のことを聞いた時…。」
私は、ここで救助を待ちつつも、必死に助けを呼びかけ続けた。
一方で、彼は地下空間から脱出するルートを探すため、決意を込めて動き出した。
「助けてください!誰かいませんか!?」
私が声を張り上げると、その声は響き渡り、壁を反射して広がっていくように感じられた。
しかし、外部からの反応は一切なかった。
私は、耳を澄ましてもただの静寂が返ってくるばかりで、孤独感に襲われることとなった。そんな時…。
《ガタガタ…。ガタガタ…。》
《ガタガタ…。ガタガタ…。》
再び、地震の揺れが私を襲った。
それは激しく、立っていられないほどだった。先程の地震のことがトラウマになって足がすくむ。
「拓弥君!地震よ。助けて!」
《ガタン…。》
《ドスン!!》
地上の出口の辺りが再び崩れ始め、石や土砂が下まで落ちてくる。
私は、急いで安全な場所に移動して身を守った。
「いたーい!」
30cmほどの石が私の左足首に激突し、激痛に苦しむことになった。
その間に地震の揺れはようやく収まった。
「真由!大丈夫か!?」
私の悲鳴を聞いた拓弥君は、慌てて戻って来てくれた。
「拓弥君、足が…。」
「見せて!あっ、腫れちゃってるじゃないか!」
「さっきの地震でまた崩落が始まって、転がってきた石が当たってしまったのよ。」
「見た目だと腫れてるだけだけど、もしかしたら骨折しちゃってるかも知れないな。無理に動かさない方がいい。」
「でも、さっきの崩落で大穴が塞がってしまったわ。」
地震が起こり、地上近くの地盤が崩壊した。
岩が地表に続く通路に引っかかり、出口を塞いでしまったのだ。
僅かな隙間はあるが、人が通り抜けるほどのスペースはない。これにより、大穴からの脱出は現実的に不可能となった。
「真由。ここは、まだ落石の危険があるから離れよう。さっき別の空間を発見したんだ。そこの方が安全だと思う。」
「わかったわ。でも、あまり速くは歩けないわよ。」
「大丈夫!乗れよ。おぶってやるから。」
拓弥君は、私が乗りやすいように屈んで背中を見せる。
「えっ。それは流石に悪いわ。」
「大丈夫だ。俺だってフィットネスで身体を鍛えてるんだ。真由相手でも平気さ。」
「あ!その言い方は酷いわね!私はこれでも45キロよ!太ってなんかいないんだから…。」
「あはは。ごめん、ごめん。冗談だよ。ほらっ、乗れよ。」
「うん。ありがとう。」
私は、拓弥君のリュックを代わりに背負って、彼の背中に身を委ねた。
交際していた頃、酔いつぶれた私を同じように抱えて自宅へ送ってもらったことを思い出す。
彼の背中は、新田さんのように大きくはないけれど、男らしく強く、逞しい。
そして、とても暖かかった。私は、痛みを忘れ、彼と密着している箇所に全神経を集中してしまっていた。
スマホライトだけの心細い光源を頼りに、拓弥君は進み始めた。
本当は暗がりが怖い私だが、彼に密着していると、そう言った不安は不思議と感じ無かった。
私たちは転落した場所から拓弥君が見つけた抜け穴を通って進んでいる。
それは自然にできたものか、人工的に作られたものかは分からなかったが、子供の頃に家族と行った鍾乳洞のような雰囲気があった。
穴は一本道のようで、途中で分岐するような道は見つからなかった。
壁や天井、床からは水滴が落ちる音が響いていた。私はコウモリのような気味の悪い生き物に遭遇しないかと不安になったが、幸いなことに、そんな存在は確認できなかった。
ゆっくりとしたペースではあったが、私たちは順調に進んでいた。
「真由大丈夫か?まだ痛むか?」
「うん。まだ痛いけど大丈夫だよ。」
「俺は、実は後悔しているんだよ。」
「えっ…。」
「あの時のことだよ。恵美に真由のことを聞いた時…。」
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