7 / 53
7話 胎動
しおりを挟む
── 森の街ルーニェ ──
旅の始まりには、いつだって胸がざわつく。
期待と不安、その両方を連れて、私たちは深い森に抱かれた街、ルーニェへと足を踏み入れた。
そこは、自然と人の暮らしが溶け合う不思議な街だった。
街を囲む木造の外壁は、一見すると素朴な作り。でも、その内側に秘められた力強さは、石造りの城壁とは違った温もりと威厳を放っていた。
「ほう…これは興味深いな。」
レオさんが足を止め、壁に手を当てる。探究心がにじむその声に、私は思わず立ち止まる。
「どうかしました?」
「この壁だよ。木造とは思えないほど、頑丈にできている。」
促されるまま私も壁に触れると、冷たさのない木肌から、不思議と安心感のある重厚さが伝わってきた。
「旅人か。鋭い目をしてるな。」
ふと聞こえた声に振り向くと、門を守る兵士がこちらを見ていた。誇らしげな笑みを浮かべながら、彼は続ける。
「この壁は“カナの木”で作られてる。火にも強くてな、いくら攻め込まれても焼け落ちないんだ。石よりも軽くて強い、誇りの品さ。」
「なるほど、それは面白い。」
レオさんはすっかり話に夢中で、会話が止まる気配がない。
私はというと、胸がそわそわしていた。はやくこの街の中を歩いてみたくて仕方がない。
「レオさん、そろそろ行きませんか?」
「ああ、すまない。つい話し込んでしまった。」
兵士に礼を告げて、ようやく私たちは門をくぐった。
その瞬間、目の前に広がった景色に、思わず息をのむ。
巨木をくり抜いて造られた家々、そこを縫うように流れる透明な小川。まるで森そのものが街になったような、幻想的な風景だった。
「なんて綺麗な街…。」
私の言葉に、レオさんは無言で頷いた。彼の目にも、確かな感動が宿っていた。
私たちが泊まる宿は、ネナの木の香りがほんのり漂う、あたたかみのある建物だった。木の肌触りが心地よく、旅の疲れを包み込んでくれる。
「シルファ君、私は少し情報収集に出る。君は好きに過ごしてくれたまえ。」
「わかりました。」
レオさんは軽やかに部屋を出て行き、私は洗濯や水浴びで静かな時間を過ごす。
「…レオさんの服って、汚れないって言ってたけど、本当みたい。しかも、なんだかいい匂いがするのよね…男性なのに不思議よね。」
彼は本当に不思議な人だった。常識を軽々と飛び越えてくる。それが魅力でもあり、謎でもある。
「…でも、一体誰を探しているのかしら?」
ぽつりとこぼした言葉は、静かな部屋に溶けていった。
以前そのことを聞いたとき、彼は笑って話を逸らした。まだ、立ち入ってはいけない気がした。
夜になり、静寂が街を包み始めたころ、レオさんが戻ってきた。
「シルファ君、ただいま。」
「お帰りなさい。」
「例の人物は…どうでした?」
恐る恐る尋ねると、レオさんは肩をすくめて答えた。
「うーん、収穫はあまりなかったな。でも、明日も調べてみるよ。」
私の中で、彼の力になりたいという気持ちが静かに疼いた。でも、彼は私をこの件に関わらせようとはしない。そのことが、少しだけ寂しかった。
ベッドで背中合わせに横たわりながら、私は彼の寝息を聞いていた。
なのに、なぜか眠れなかった。
心のどこかで、何かが始まろうとしている──そんな予感がしていた。
* * *
翌朝、目を覚ますと、彼の姿はもうなかった。
柔らかな風が窓から流れ込み、揺れるカーテンの向こうに静かな朝の気配が広がる。
テーブルの上に置かれた、一枚の紙切れだけが彼の存在を物語っていた。
《 捜し人の情報収集に行ってくる。》
たったそれだけの、素っ気ない文字。
「…はぁ。」
ため息ひとつ。胸にぽっかりと空いた隙間を押し込むように、私はベッドから体を起こした。
今日は、この街ルーニェを歩いてみると決めていた。彼がいない寂しさは拭えないけれど、それでも何かを見つけたい──そんな気持ちで、一歩を踏み出す。
ルーニェは人口三千にも満たない、小さな街。けれど、その静けさにはどこか心をほどくような温もりがある。
石畳の道を歩けば、異種族の姿が自然に溶け込んでいるのがわかる。獣人、エルフ、ドワーフ。ミッドワンでは珍しかった彼らの暮らしが、ここでは当たり前の風景になっていた。
「ネーサンは初めて見る顔ニャ!」
突然、背後から元気な声が飛び込んできた。
振り向くと、陽気な笑みを浮かべた猫人族の女性が、こちらにまっすぐ向かってきている。
「え、私?」
彼女は嬉しそうに頷き、さらに距離を詰めてくる。
その動きはどこか猫のようで、甘えるようでもあり、同時に得体の知れない警戒心を呼び起こさせた。
「お願いがあるんだニャ、ネーサン!」
ぐいぐいと迫る彼女に思わず一歩引いてしまう。
「ごめんなさい、他の人に頼んでもらえるかしら?」
だが彼女は、少し意地悪そうに目を細めた。
「あれ、本当にそれでいいのかニャ?眼鏡をかけた男から頼まれたのニャ。」
「……!」
レオさんの顔が、頭に浮かんだ。
「まあ、嫌なら無理強いはしないニャ。他の人を探すニャ。」
にやり、と笑ってそっぽを向くその態度に、なぜか火がついた。
「…わかった、行くわ。」
「そうこニャくちゃ!」
彼女はしっぽを弾ませるように喜び、小道の方を指し示す。私は無言でそのあとをついていった。
喧騒を離れた細い路地。石の壁に囲まれたその先に、「ナッシュ」と書かれた小さな看板が揺れていた。
「ここで待っててニャ。眼鏡の男を連れてくるにゃ。」
彼女はそう言い残すと、まるで風のように去っていった。
本当に、彼が私を頼っているのだろうか。
それが少し…くすぐったくて、でも嬉しかった。
だが、その余韻を切り裂くように、肌を刺すような気配が走る。
「気配察知」が反応する。しかも、複数。すぐ近くに、何かがいる──
「えっ…?」
現れたのは、ニヤついた顔でこちらを囲む一団。それは、アカシアの元メンバー、ケイラたちだった…。
旅の始まりには、いつだって胸がざわつく。
期待と不安、その両方を連れて、私たちは深い森に抱かれた街、ルーニェへと足を踏み入れた。
そこは、自然と人の暮らしが溶け合う不思議な街だった。
街を囲む木造の外壁は、一見すると素朴な作り。でも、その内側に秘められた力強さは、石造りの城壁とは違った温もりと威厳を放っていた。
「ほう…これは興味深いな。」
レオさんが足を止め、壁に手を当てる。探究心がにじむその声に、私は思わず立ち止まる。
「どうかしました?」
「この壁だよ。木造とは思えないほど、頑丈にできている。」
促されるまま私も壁に触れると、冷たさのない木肌から、不思議と安心感のある重厚さが伝わってきた。
「旅人か。鋭い目をしてるな。」
ふと聞こえた声に振り向くと、門を守る兵士がこちらを見ていた。誇らしげな笑みを浮かべながら、彼は続ける。
「この壁は“カナの木”で作られてる。火にも強くてな、いくら攻め込まれても焼け落ちないんだ。石よりも軽くて強い、誇りの品さ。」
「なるほど、それは面白い。」
レオさんはすっかり話に夢中で、会話が止まる気配がない。
私はというと、胸がそわそわしていた。はやくこの街の中を歩いてみたくて仕方がない。
「レオさん、そろそろ行きませんか?」
「ああ、すまない。つい話し込んでしまった。」
兵士に礼を告げて、ようやく私たちは門をくぐった。
その瞬間、目の前に広がった景色に、思わず息をのむ。
巨木をくり抜いて造られた家々、そこを縫うように流れる透明な小川。まるで森そのものが街になったような、幻想的な風景だった。
「なんて綺麗な街…。」
私の言葉に、レオさんは無言で頷いた。彼の目にも、確かな感動が宿っていた。
私たちが泊まる宿は、ネナの木の香りがほんのり漂う、あたたかみのある建物だった。木の肌触りが心地よく、旅の疲れを包み込んでくれる。
「シルファ君、私は少し情報収集に出る。君は好きに過ごしてくれたまえ。」
「わかりました。」
レオさんは軽やかに部屋を出て行き、私は洗濯や水浴びで静かな時間を過ごす。
「…レオさんの服って、汚れないって言ってたけど、本当みたい。しかも、なんだかいい匂いがするのよね…男性なのに不思議よね。」
彼は本当に不思議な人だった。常識を軽々と飛び越えてくる。それが魅力でもあり、謎でもある。
「…でも、一体誰を探しているのかしら?」
ぽつりとこぼした言葉は、静かな部屋に溶けていった。
以前そのことを聞いたとき、彼は笑って話を逸らした。まだ、立ち入ってはいけない気がした。
夜になり、静寂が街を包み始めたころ、レオさんが戻ってきた。
「シルファ君、ただいま。」
「お帰りなさい。」
「例の人物は…どうでした?」
恐る恐る尋ねると、レオさんは肩をすくめて答えた。
「うーん、収穫はあまりなかったな。でも、明日も調べてみるよ。」
私の中で、彼の力になりたいという気持ちが静かに疼いた。でも、彼は私をこの件に関わらせようとはしない。そのことが、少しだけ寂しかった。
ベッドで背中合わせに横たわりながら、私は彼の寝息を聞いていた。
なのに、なぜか眠れなかった。
心のどこかで、何かが始まろうとしている──そんな予感がしていた。
* * *
翌朝、目を覚ますと、彼の姿はもうなかった。
柔らかな風が窓から流れ込み、揺れるカーテンの向こうに静かな朝の気配が広がる。
テーブルの上に置かれた、一枚の紙切れだけが彼の存在を物語っていた。
《 捜し人の情報収集に行ってくる。》
たったそれだけの、素っ気ない文字。
「…はぁ。」
ため息ひとつ。胸にぽっかりと空いた隙間を押し込むように、私はベッドから体を起こした。
今日は、この街ルーニェを歩いてみると決めていた。彼がいない寂しさは拭えないけれど、それでも何かを見つけたい──そんな気持ちで、一歩を踏み出す。
ルーニェは人口三千にも満たない、小さな街。けれど、その静けさにはどこか心をほどくような温もりがある。
石畳の道を歩けば、異種族の姿が自然に溶け込んでいるのがわかる。獣人、エルフ、ドワーフ。ミッドワンでは珍しかった彼らの暮らしが、ここでは当たり前の風景になっていた。
「ネーサンは初めて見る顔ニャ!」
突然、背後から元気な声が飛び込んできた。
振り向くと、陽気な笑みを浮かべた猫人族の女性が、こちらにまっすぐ向かってきている。
「え、私?」
彼女は嬉しそうに頷き、さらに距離を詰めてくる。
その動きはどこか猫のようで、甘えるようでもあり、同時に得体の知れない警戒心を呼び起こさせた。
「お願いがあるんだニャ、ネーサン!」
ぐいぐいと迫る彼女に思わず一歩引いてしまう。
「ごめんなさい、他の人に頼んでもらえるかしら?」
だが彼女は、少し意地悪そうに目を細めた。
「あれ、本当にそれでいいのかニャ?眼鏡をかけた男から頼まれたのニャ。」
「……!」
レオさんの顔が、頭に浮かんだ。
「まあ、嫌なら無理強いはしないニャ。他の人を探すニャ。」
にやり、と笑ってそっぽを向くその態度に、なぜか火がついた。
「…わかった、行くわ。」
「そうこニャくちゃ!」
彼女はしっぽを弾ませるように喜び、小道の方を指し示す。私は無言でそのあとをついていった。
喧騒を離れた細い路地。石の壁に囲まれたその先に、「ナッシュ」と書かれた小さな看板が揺れていた。
「ここで待っててニャ。眼鏡の男を連れてくるにゃ。」
彼女はそう言い残すと、まるで風のように去っていった。
本当に、彼が私を頼っているのだろうか。
それが少し…くすぐったくて、でも嬉しかった。
だが、その余韻を切り裂くように、肌を刺すような気配が走る。
「気配察知」が反応する。しかも、複数。すぐ近くに、何かがいる──
「えっ…?」
現れたのは、ニヤついた顔でこちらを囲む一団。それは、アカシアの元メンバー、ケイラたちだった…。
7
あなたにおすすめの小説
「元」面倒くさがりの異世界無双
空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。
「カイ=マールス」と。
よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
しののめ あき
ファンタジー
神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜
と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます!
3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。
ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです!
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
非常に申し訳ない…
と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか?
色々手違いがあって…
と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ?
代わりにといってはなんだけど…
と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン?
私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。
なんの謝罪だっけ?
そして、最後に言われた言葉
どうか、幸せになって(くれ)
んん?
弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。
※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします
完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる