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第三幕 新たな戦場――苦戦続きのバラエティー
ACT84
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「真希。何であんな挑発するみたいなことするの!」
「なにか問題ある?」
問題しかないだろう! 何で事を荒立てるようなことをするのか。
真希の考えには賛同しかねる。
真希に言わせると、煽ってやればボロを出すとの事(あとイラついてる時なんかもボロが出るのだとか)。だが、そんな確証のない行為を続けた結果こちらが痛い目を見ないとも限らない。
また週刊誌に「新人いびり」なんて書かれる日もそう遠くないかもしれない。
「問題あるわよ」
「そう? じゃあ作戦でも立てる?」
「作戦って」
作戦も何も、私としては今まで通りに芸能界で活躍できればそれでいいのだ。
ついでに言うと、面白おかしく毎日をエンジョイできればそれでいい。
「あの女、潰すか」
物騒な物言いに、
「何もそこまで」
「アンタは甘いのよ! 芸能界は弱肉強食。強者であり続けないと反対にコッチが食われる。常に捕食者である必要があるの。私たちが捕食する側で、あの女が捕食される側。それでいいじゃない」
真希の強気な発言は、自らの自信に裏付けされたものなのだろうが、この瞬間を誰かが盗み聞きでもしていたらと思うと私は気が気でなかった。
もしもの事態を考慮して、真希からも距離をとっておこうと、適当な理由を作ってその場を離れた。
…………
……
…
適当にスタジオ内を歩いて時間を潰していると、目の前からMIKAが歩いてきた。
どうやら私と同じく時間を潰しているようだ。
真希みたいに敵対心を露わにすることは出来ないし、波風を立てたくないので、適当にやり過ごそう。
「MIKAちゃんも気分転換? ここの現場って意外とハードだよね」
「…………そうですね」
普段のMIKAからは考えられない様な無愛想な対応。
私が面喰っていると、
「ねぇ、お2人さんちょっとお話しない?」
真希が小悪魔的な笑みを浮かべて登場する。
「もうすぐ撮影再開しますよ」
感情のこもっていない声でMIKAが言う。
「だから「ちょっと」って言ってるでしょ? ちゃんと私の話聞いてる?」
咎めるような口調で訊ねる。
一瞬MIKAの表情が険しくなった。
小さく舌打ちまで聞こえた。
相当イラついているようだ。
真希に連れられ私とMIKAは、人目につかない第6倉庫なる一室にいた。
人の出入りがほとんどないのだろう。置かれた荷物にはうっすらと埃《ほこり》が被っていた。
「何で私がこんなところに……」
億劫そうにため息交じりに零すMIKA。
今日のMIKAはかなりご機嫌斜めだ。
撮影が始まる前は、どちらかと言えば上機嫌に見えたんだけど。
気のせいだったのかな?
「何でって、それはもちろんアンタとケリをつけておこうと思って呼び出したんだけど、不服?」
先輩からの呼び出しに「不服です」と馬鹿正直に答える人間なんていない。
たとえ心ではそのように思っていたとしてもだ。
「ええ、不服です」
――!?
えっ!? 言っちゃうの!!??
MIKAの馬鹿正直な返答にひとり取り乱していると、
「マジで邪魔なんですよね2人とも。目障りなんですよ」
私は耳を疑った。
きっと何かの聞き間違いだ。
マジでジャーマンなんですよね2人とも……これはないな。さすがに私の耳はそこまでポンコツではない。
ニュアンスによってはジャーマンに聞こえなくもない……いや、やっぱり無理がある。どう考えても邪魔って言ったよね!?
どう対応すればいいんだ。
私が頭を抱える中、
「邪魔だなんてひどいわね。そこまで言う?」
「邪魔なものは邪魔なんだから仕方ないでしょ」
さも当然と言うように返答するMIKAを、思わず二度見してしまう。
マジか! マジでか!!
私が動揺している間にも、真希とMIKAの2人は視線をぶつけ合い、激しい火花を散らしていた。
「なにか問題ある?」
問題しかないだろう! 何で事を荒立てるようなことをするのか。
真希の考えには賛同しかねる。
真希に言わせると、煽ってやればボロを出すとの事(あとイラついてる時なんかもボロが出るのだとか)。だが、そんな確証のない行為を続けた結果こちらが痛い目を見ないとも限らない。
また週刊誌に「新人いびり」なんて書かれる日もそう遠くないかもしれない。
「問題あるわよ」
「そう? じゃあ作戦でも立てる?」
「作戦って」
作戦も何も、私としては今まで通りに芸能界で活躍できればそれでいいのだ。
ついでに言うと、面白おかしく毎日をエンジョイできればそれでいい。
「あの女、潰すか」
物騒な物言いに、
「何もそこまで」
「アンタは甘いのよ! 芸能界は弱肉強食。強者であり続けないと反対にコッチが食われる。常に捕食者である必要があるの。私たちが捕食する側で、あの女が捕食される側。それでいいじゃない」
真希の強気な発言は、自らの自信に裏付けされたものなのだろうが、この瞬間を誰かが盗み聞きでもしていたらと思うと私は気が気でなかった。
もしもの事態を考慮して、真希からも距離をとっておこうと、適当な理由を作ってその場を離れた。
…………
……
…
適当にスタジオ内を歩いて時間を潰していると、目の前からMIKAが歩いてきた。
どうやら私と同じく時間を潰しているようだ。
真希みたいに敵対心を露わにすることは出来ないし、波風を立てたくないので、適当にやり過ごそう。
「MIKAちゃんも気分転換? ここの現場って意外とハードだよね」
「…………そうですね」
普段のMIKAからは考えられない様な無愛想な対応。
私が面喰っていると、
「ねぇ、お2人さんちょっとお話しない?」
真希が小悪魔的な笑みを浮かべて登場する。
「もうすぐ撮影再開しますよ」
感情のこもっていない声でMIKAが言う。
「だから「ちょっと」って言ってるでしょ? ちゃんと私の話聞いてる?」
咎めるような口調で訊ねる。
一瞬MIKAの表情が険しくなった。
小さく舌打ちまで聞こえた。
相当イラついているようだ。
真希に連れられ私とMIKAは、人目につかない第6倉庫なる一室にいた。
人の出入りがほとんどないのだろう。置かれた荷物にはうっすらと埃《ほこり》が被っていた。
「何で私がこんなところに……」
億劫そうにため息交じりに零すMIKA。
今日のMIKAはかなりご機嫌斜めだ。
撮影が始まる前は、どちらかと言えば上機嫌に見えたんだけど。
気のせいだったのかな?
「何でって、それはもちろんアンタとケリをつけておこうと思って呼び出したんだけど、不服?」
先輩からの呼び出しに「不服です」と馬鹿正直に答える人間なんていない。
たとえ心ではそのように思っていたとしてもだ。
「ええ、不服です」
――!?
えっ!? 言っちゃうの!!??
MIKAの馬鹿正直な返答にひとり取り乱していると、
「マジで邪魔なんですよね2人とも。目障りなんですよ」
私は耳を疑った。
きっと何かの聞き間違いだ。
マジでジャーマンなんですよね2人とも……これはないな。さすがに私の耳はそこまでポンコツではない。
ニュアンスによってはジャーマンに聞こえなくもない……いや、やっぱり無理がある。どう考えても邪魔って言ったよね!?
どう対応すればいいんだ。
私が頭を抱える中、
「邪魔だなんてひどいわね。そこまで言う?」
「邪魔なものは邪魔なんだから仕方ないでしょ」
さも当然と言うように返答するMIKAを、思わず二度見してしまう。
マジか! マジでか!!
私が動揺している間にも、真希とMIKAの2人は視線をぶつけ合い、激しい火花を散らしていた。
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