転校生は朝ドラ女優!?

小暮悠斗

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第三幕 新たな戦場――苦戦続きのバラエティー

ACT86

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「ほな今日も張り切って行こかー」

 今日も晩春さんは元気一杯だ。
 今日はMIKAが全国ツアーを終えて番組に復帰する。
 私と真希以外のレギュラーはどこか気合が入っている。
 私が居たじゃない! 私じゃ役不足って言いたいの? ほんと失礼しちゃうわ。

 でも今は、そんな事よりも真希の方が重要だ。
 なぜかは分からないが、かなりご機嫌斜め――不機嫌だ。
 MC席からひな壇に戻った私と真希はMC席に帰ってきた新たなニュースターに視線が向かう。
 先日のCM撮影で、MIKAの本性を知った。
 ライバルを通り越して完全な敵だ。
 しかし真希はそんなMIKAに対してではなく、その隣に立つメインMCの晩春さんに鋭い視線を向けていた。

 何で晩春さんを睨んでいるの?
 真希の真意が全く読めない。

「それでは今日もお茶の間の皆さんに大爆笑を届けてくれる。空前絶後の面白さを誇る我らが基地局の精鋭研究員でーす」

 無茶苦茶ハードルを上げている。
 芸人たちからはMIKAのあおりに対してのガヤが飛ぶ。
 ふと隣を見ると真希が歯噛みしていた。
 ん? やっぱりMIKAを見てる?
 終始真希は、晩春さんを見たかと思えばMIKAを見るといった風に忙しなかった。

 …………
 ……
 …

 番組は進行し、面白動画を紹介するコーナーになった。
 
「今日の担当はでれやったかな?」
「俺ですよ俺!」
「おお、そうか今日はピンキーズの加藤やったか」
「シナモンの半田ですよ!!」
「そうは言うても、結衣ちゃんが前にお前のこと、加藤さん言うてたからてっきり加藤かと思っとったわ」
「ヒドイ!? 何より結衣ちゃんに覚えててもらえんかったのが辛い」

 私は慌ててフォローする。

「だ、大丈夫です。今はもう覚えてます」
「つまりは前は覚えていなかったと……」

 うっ……フォローしたつもりが墓穴を掘った。
 まあ、スタジオは笑いに包まれたから良しとするか。
 MIKAは目の奥が笑っていないけど……。
 真希は……目が血走っている。こことは別の世界を見ているみたいだ。

「そうや! これだけは言っとかなアカン」

 晩春さんの声にみんなの視線が集まる。

「半田の映像仕入れてきたのはワシやから。そこんとこ宜しく」
「別に手柄くらい若手にくれてもいいでしょ? アンタ貪欲すぎるわ! そんなんやからいつまでたっても下のもんが上に行けんでしょ!!」

「お前はクビや!」
「どこぞの大統領か!」

 何やら某大国を敵に回しそうなやり取りが続き、

「まあ、ええわ。VTRどうぞ」
「あーっ! ソレ俺のVですやん!?」

 さっさとV振りをする晩春さん。
 スタジオのモニターに映像が映し出される。

 あれ? この映像の場所見覚えあるぞ!?

 モニターに映し出されたのは、先日CM撮影で訪れたスタジオの第6倉庫だった。
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