【ぼっち】は異世界でも 【ぼっち】を目指す

さん

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①異世界召喚?阿鼻叫喚!

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 「さあ皆さん、練習した魔法の呪文を唱えましょう」ナレーションが入り、舞台の一角にスポットライトが当てられてよれよれのローブを着た醜い老婆の姿が浮かび上がる。

 「さん、はい」

 「「「「「「「「「ビビディ・バビディ・ブウー!」」」」」」」」呪文の大合唱が起こる。皆ノリノリだ。

 老婆は呪文と同時に杖を高く振り上げ、大袈裟に振る。何度も、何度も練習させられた成果だ。だが、不思議な事に振り上げた杖から、キラキラと光りが溢れ始め渦巻きながら老婆の姿を覆って行く。

 (な、なんだこれ?こんな演出あったかな?)老婆はイボだらけの鷲鼻をヒクヒクさせて目を眇めた。

 「ええっ!わわっ!」突然、老婆の身体が渦巻く光と共に浮遊し、回転する。そして、光の渦の中心にブラックホールが口を開け、身体がそちらへと吸い込まれ始める。

 「た、助け・・」最後まで言い終わらない内に暗い穴に吸い込まれ、意識がブラックアウトした。



 *



 「「「「「おおう!成功したぞ!」」」」

 「「「「「「巫女様だ!」」」」

 「「「「「なんと、お美しい」」」」


 (あれ?・・・)老婆は少しの間意識が飛んでいたようだが、気が付くと冷たい石の床に這い蹲っていた。


 「「「素晴らしい、大成功ですよ!大神官様」」」

 「「「「国王陛下、おめでとうございます!」」」

 「「「大神官様、おめでとうございます!」」」


 周りでは大勢の人間がひしめき合い興奮の坩堝るつぼで、それぞれが大声で叫んだり話したりしている。

 老婆は聞き慣れない言葉を聞いて、顔を上げた。

 (おかしい・・・大神官なんて台詞ないよね。それに国王陛下はもっと後の出番のはずだ)

 顔を上げて真っ先に目に入ったのは、シンデレラのピンクのドレスだ。

 (よ、良かった。早変わりは成功したんだ)この後は、かぼちゃの馬車でシンデレラを送り出さねばならないが、いかんせん身体に力が入らないので立ち上がる事が出来ない。

 (こ、困ったな)弱り切って目の前のピンクのドレスに手を伸ばし、つんつんと裾を引っ張った。

 「キャアア!」突然の事にシンデレラが悲鳴を上げると驚いて老婆から飛びす去る。今まで、ドレスの後ろに隠れていた老婆の姿が晒された。

 「なんと、怪しい者がおるぞ」
 「「「曲者じゃ」」」
 「「「侵入者だ」」」

 「ま、待って」老婆は大勢の人の目に晒されて、吃驚しながらもシンデレラに追い縋ろうと、手を更に伸ばす。

 「狼藉者じゃー、直ぐさま召し取れ!」
 「「「取り囲めーー」」」
 「「「巫女様を護れー」」」
 「「「巫女様、早くこちらへ」」」

 豪華な衣装を着た男達が、直ぐさまシンデレラを取り囲み、槍の穂先が何本も老婆の方に向けられて、こちらは物々しい男達に取り囲まれた。

 (なに、一体どうなってんの?この人達はお城の騎士達だよね?でも、衣裳が豪華過ぎる)

 取り囲まれた男達を見ると、顔が違う。明らかにクラスメイト達では無い。いや、それどころか日本人ですら無い。

 (ど、どうなってんの?)老婆は泣きそうになりながら男達の向こうに居る筈のシンデレラに呼び掛ける。

 「く、黒崎さん、た、助けて!」

 「なんと、巫女様に呼び掛けるとは不届き者め!」
 「早く、そ奴を始末せぬか!」一際、豪華な衣装の男が言い放つと、騎士の一人が剣を振り上げた。

 「待て!早まるな!」一人の男が素早く、騎士と老婆の間に割り込んだ。

 「「「殿下」」」
 「「「第二皇子、危のう御座います」」」

 「デリク皇子、なぜ止める」
 「陛下、ここは神殿の聖なる女神クレイソスの間。血で穢してはなりません」
 「なるほど、そうであった。許せ、大神官」
 「滅相も御座いません。巫女様を護ろうとする陛下の御心に感動して御座います」大神官と呼ばれた男が胸に手を当て頭を下げた。
 「で、この老婆を何とする?そちに任せてよいか」
 「はい、でもその前に巫女様と、この老婆に少し聞きたい事があります」
 「何?巫女様にも・・・う~む、申してみよ」
 騎士達が間を少し空けたので、皇子と呼ばれた人の向こうにピンクのドレスの黒崎さんの驚いた顔が目に入った。

 「巫女様、あなたのお名前はクロサキ様と申されますか?」
 「・・・はい」少し、躊躇ってから答える。
 (なぜ、躊躇う?)嫌な汗が背中を流れる。
 彼女は学園のアイドル的存在で、多分僕の事を嫌っている。練習中も、少しでも近寄ると嫌な顔をされたり嫌味を言われた。ある時など、「引き立て役がピッタリね。あんたがいるから、私の美しさが引き立つわ」と、まだ老婆の扮装もしていない僕に向かって言って来た。皆も、それを聞いて囃し立てた。
 僕は常に猫背で、髪はぼさぼさで目の下まで伸ばしている。おまけに女子より背が低いし、がりがりだ。
 つまり、扮装しなくても地のままで老婆に見えると、言いたいのだ。
 分かってる。だから、ぼっちの僕が選ばれたのだ。それでなきゃ、舞台に出れる訳が無い。出たくも無いが。

 「おい、無礼だぞ!」騎士の一人が睨みながら、僕の前の床を槍のえじりで小突いて音を出した。
 「す、すいません」(やばい、聞いてなかった)僕は直ぐに自分の世界に入ってしまう。悪い癖だ。
 「お前の巫女様を知っているのか?」皇子が問い掛ける。
 (お前の・・・と言う事は、僕の事を知らないと言いやがったのか)

 「おい、さっさとお答えしろ!」怒れる騎士は、今度はくるりと回して穂先を僕の顔に突き付けた。
 (まずい、非常に不味い立場に陥りつつある・・・なんとか、彼女の気に入る話しをしなければ・・)

 「か、彼女の事は一方的ですが、ぼ、私の方は知っています・・・く、黒崎さんは、学校でお姫様的存在でしたので顔を知っていました」
 「ほう、流石わ巫女様じゃ」陛下も大神官も、頷いている。彼女も、僕の言葉に満足そうだ。
 「では、お前と巫女様はの人間だと言う事か?」
 「お答えしろ」
 「は、はいィィ?」(の人間???)
 「なるほど、では巫女様のに巻き込まれたと言う事か・・・」皇子が顎に手を当てて、考え込んだ。僕はさっきの皇子の言い方が気になってちゃんと、次の言葉を聞いてなかった。

 「えっと、先程のお言葉ですが、って、日本って国って事ですが・・・」
 「うむ、どうやらちゃんと、理解しておらぬようだな。そうだ、ある意味合っている。ニホン?というのが、巫女様とお前の故郷らしいな」皇子が振り返ると、彼女もうんうんと、頷いている。

 「だが、大事な事だ。もう一度言葉にしよう。と、わざわざ言ったのは、この世界に、ニホンと言う国は、どこにも無い」
 「ど、どこにも無い?」
 「そうだ、お前からすれば、ここはだ。元の世界とは違う世界だ」
 「い、・・・」
 「そうだ。お前は巫女様のの儀式に際し、どうやら巻き込まれてこちらのにきたようだな」

 僕は穴の開くほど、皇子の綺麗な顔を見つめた。じわじわ異ワードが頭に浸み込んで来る。周囲を見回すと、まるで中世のヨーロッパのような装飾が、辺り一面に施されている。教会のような巨大なステンドグラス。騎士達は皆、甲冑で身を覆い肩からはマンとを垂らしている。その手に持つのは本物の槍だ。ご丁寧に腰には重そうな剣を佩いている。神官達は白いローブのような物を着ている。

 目の前の皇子は水色の髪を肩まで伸ばしている。(水色の髪の毛だって~~~)その衣装は博物館入りは間違いない。身に付けている宝石は細工の凝った国宝級物だ。

 (イセカイ・・・ミコ・・ショウカン・・・)

 「は、は・・・馬鹿な」僕はぶつぶつ呟いた。お陰で、騎士には聞こえ無かったらしい。

  皇子は変わる事無く、僕を冷静に見つめている。とても、冗談を言っているとは思えない。

 「イセカイ?・・・ショウカン?・・・異世界、召喚?」


 「い、巻き込まれただってーーーー」僕の素っ頓狂な声が、女神の間に鳴り響いた。













  +++++

 ちょっと、思い付いて書いてみました。なので、不定期更新になると思われます。
 女性、男性との絡みもちょこっと有ります。(予定)
 絡みのある所は**入れますので嫌な方は回避してください。
 R-15 保険です。

 拙さ満載ですが、楽しんで頂ければ幸いです。<m(__)m>



































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