悪役令嬢はポジティブすぎて死亡フラグもクソもない！！

３

乙女ゲーム『秘密ひみつの花園はなぞの』。
前世、女子達の間で大人気だったラブロマンスと西洋ファンタジーのミックスされた乙女ゲームだ。

ヒロインのロエナ・ロベリー・エヴァーソンはエヴァーソン公爵家に生まれたお姫様だった。生まれつき絹のような金色の髪に淡いブルーの瞳。笑えば天女、差し伸べる手はまるで女神のようだと人々から愛されていた。
そんなロエナには聖女の加護が備わっていた。
動いたのはロエナが十五歳の時。
町にお忍びで買い物をしていた最中、突然現れた魔物が街中の人々を襲い始めたのだ。そこは魔物の住む森に近い街だったためか、人々は魔物の被害に脅かされていたのだ。

このままでは人々が、、、
悲しむロエナ。
その時、ロエナの身に聖女の力が宿った。

聖女だけが魔物を浄化できるとされ、ロエナは見事魔物を退治し、人々を救った。この時から、ロエナは街を魔物から救った聖女様と国中から注目を集めるきっかけとなる。

そんなロエナには五つ下に妹がいる。
それがサザンカ・ロベリー・エヴァーソン。
ゲーム内では悪役令嬢として登場し、事あるごとにヒロインを苛める悪役ぶりを発揮させる。その悪役っぷりは周りも手を焼く程で、聖女の加護を授かったロエナに嫉妬していた。
物語を進んでいくごとにイベントが発生する。
それはお馴染みの攻略キャラが登場するシーンだ。ヒロインなるもの攻略キャラが現れないことなど断じてあってはならない。だから作中にも素敵なキャラが何人か出てきたはず！！

サザンカは嫉妬深く我儘。
皆から溺愛され愛されるヒロイン。『婚約パーティー』の章ではサザンカが婚約者とパーティーに出るシーンだったが、初めての顔合わせで婚約者はヒロインの姉に一目惚れしてしまう。怒り狂ったサザンカはヒロイン殺害計画を目論むのだ。

だが結果は失敗。

ヒロインを守る婚約者。
その剣はサザンカの胸元を突き刺せば、サザンカは死んでしまう。
つまりはバットエンド。

「それが…私、、、」

整理してくとだいぶヤバイポジに自分がいたことが分かった。
サザンカ・ロベリー・エヴァーソン。
まさか悪役令嬢に転生してしまうとか、、、このままだと自分は婚約者に…

「…つーか、転生って存在したんだ！！へ～面白いじゃん！！」

明日輝という人間は変人だった。