5 / 44
5
しおりを挟む
銀色の髪、赤い瞳。
くせ毛のフワフワした髪はセンター分けされていて歩くたびフワフワしていた。
「ここがどこだか分かってるのか⁈姉上の部屋に近いこの場所で今度はあの人に何をしようとしてたんだ!!」
「えっと…」
やってきて早々、何故か機嫌の悪い彼。
ん~っと、、誰だったっけな~この人。
アカン…ゲームのキャラなのだろうが知らない人が次から次へと出てくる。
「へロイス様」
シャロンの言葉に思い返す。
ん?へロイス???
へロイスって、サザンカのお兄ちゃんだ!!
やっと思い出した。
へロイスは作中でもわりと早くから登場するキャラでシャロン同様にゲーム内の攻略対象に含まれている。
サザンカの四つ上の兄で魔法学に深く精通し高い知能を持っていた。
「申し訳ありません。サザンカ様はただいま記憶障害のところがあり、」
「記憶障害?昨日の件で謹慎中だと聞いてたんだけど」
昨日の件とは、ヒロイン主催のお茶会で盛大にサザンカがやらかした話だ。
ヒロインに恥をかかせようと階段を下りるところを足でひっかけようとする、何とも子供じみた悪ふざけをしようとしていた。
だがつい浮かれて自分が足を踏む外して階段から転げ落ちてしまったのだ。
しかも恥ずかしいことに一番上から。
頭を強打なんてしてしまったもんだから周囲もざわついた。
幸いにも軽症だったようだが、転生して馴染めない影響か記憶障害と疑われる始末。
「いいザマだな(笑)」
へロイスは馬鹿にしたように笑ってきた。
どうやらサザンカの悪事は兄妹の間でも有名なぐらい分かりやすかったよう。
例え妹とはいえ憐みの欠片もない。
「お兄ちゃん!!」
「うわぁ!な、なんだよ、、、」
だがサザンカはそんなのへでもなかった。
何故なら既に興味は別のベクトルへ向けられていたから。
「お兄ちゃんって魔法使えるんでしょ⁈凄い!!私にも教えてくれ~!!」
「は、はあ???つか、その"お兄ちゃん"ってなんだよ!!!」
向こうはだいぶ焦っていたが変人を止められるはずもない。
今のサザンカは東堂明日輝なのだ。
明日輝からしたら昨日の茶会のことなんかどうでも良かった。
え、ただ茶を飲むだけ?
つまんね~ぐらいには。
「今度教えて貰うから!そしたら教えてね!!じゃあ部屋戻るから~」
「は?お、おい!!」
颯爽と言いたいことだけ言って去っていく。
後ろではへロイスが叫ぶも全くもってサザンカの耳には届くことはなかった。
部屋に戻ったサザンカはまた少しおさらいしてみることにした。
へロイスは公爵である父と後妻との間に産まれた。
生まれつき魔力は高かったため、あらゆる知識と開発魔として学園卒業後は魔法塔に就職する。
研究者としても優秀。だがそんなへロイスにも弱点はあった。
それは愛情に飢えていたという点。
元々エヴァーソン家は『国の守護神』と呼ばれる武力一家。
前妻との間に産まれた最初の子供である兄。
幼き頃から剣の才に優れ、エヴァーソン家の次期当主として名を馳せるソードマスターだった。
反対にへロイスには剣の才がない。
終いには天才型の兄に魔力でさえ勝てないと知ると、ますます嫉妬と野心が芽生え始める。
努力しても優先される兄。
唯一残された妹のサザンカはそんな黒い野望を抱えたへロイスに利用されることとなる。
兄を殺害しようと黒魔法に手をかけるへロイス。
その代償は生きた生娘の血。
甘い言葉でサザンカを誘惑して黒魔法を展開させるも悪事はバレて最後には公爵達に処刑されてしまう。
サザンカも共犯者として殺される。
つまり最後までへロイスの駒としてバットエンドなわけ。
「ほあ~?じゃあサザンカはへロイスルートでも黒魔法による、兄貴殺害容疑で一緒に殺されると??」
最悪じゃないか!!!
いやホントに見事なるとばっちり。
必死に弁明しても今までのヒロインのつけが大いにあったせいか誰にも信じてもらえず。兄貴の口車に乗せられて終いには死亡ですか、、、
「流石に可哀想な私!!!」
でもちょっと待って。
それを言うならシャロンルートもあるって、みっちゃんが話してたような。
くせ毛のフワフワした髪はセンター分けされていて歩くたびフワフワしていた。
「ここがどこだか分かってるのか⁈姉上の部屋に近いこの場所で今度はあの人に何をしようとしてたんだ!!」
「えっと…」
やってきて早々、何故か機嫌の悪い彼。
ん~っと、、誰だったっけな~この人。
アカン…ゲームのキャラなのだろうが知らない人が次から次へと出てくる。
「へロイス様」
シャロンの言葉に思い返す。
ん?へロイス???
へロイスって、サザンカのお兄ちゃんだ!!
やっと思い出した。
へロイスは作中でもわりと早くから登場するキャラでシャロン同様にゲーム内の攻略対象に含まれている。
サザンカの四つ上の兄で魔法学に深く精通し高い知能を持っていた。
「申し訳ありません。サザンカ様はただいま記憶障害のところがあり、」
「記憶障害?昨日の件で謹慎中だと聞いてたんだけど」
昨日の件とは、ヒロイン主催のお茶会で盛大にサザンカがやらかした話だ。
ヒロインに恥をかかせようと階段を下りるところを足でひっかけようとする、何とも子供じみた悪ふざけをしようとしていた。
だがつい浮かれて自分が足を踏む外して階段から転げ落ちてしまったのだ。
しかも恥ずかしいことに一番上から。
頭を強打なんてしてしまったもんだから周囲もざわついた。
幸いにも軽症だったようだが、転生して馴染めない影響か記憶障害と疑われる始末。
「いいザマだな(笑)」
へロイスは馬鹿にしたように笑ってきた。
どうやらサザンカの悪事は兄妹の間でも有名なぐらい分かりやすかったよう。
例え妹とはいえ憐みの欠片もない。
「お兄ちゃん!!」
「うわぁ!な、なんだよ、、、」
だがサザンカはそんなのへでもなかった。
何故なら既に興味は別のベクトルへ向けられていたから。
「お兄ちゃんって魔法使えるんでしょ⁈凄い!!私にも教えてくれ~!!」
「は、はあ???つか、その"お兄ちゃん"ってなんだよ!!!」
向こうはだいぶ焦っていたが変人を止められるはずもない。
今のサザンカは東堂明日輝なのだ。
明日輝からしたら昨日の茶会のことなんかどうでも良かった。
え、ただ茶を飲むだけ?
つまんね~ぐらいには。
「今度教えて貰うから!そしたら教えてね!!じゃあ部屋戻るから~」
「は?お、おい!!」
颯爽と言いたいことだけ言って去っていく。
後ろではへロイスが叫ぶも全くもってサザンカの耳には届くことはなかった。
部屋に戻ったサザンカはまた少しおさらいしてみることにした。
へロイスは公爵である父と後妻との間に産まれた。
生まれつき魔力は高かったため、あらゆる知識と開発魔として学園卒業後は魔法塔に就職する。
研究者としても優秀。だがそんなへロイスにも弱点はあった。
それは愛情に飢えていたという点。
元々エヴァーソン家は『国の守護神』と呼ばれる武力一家。
前妻との間に産まれた最初の子供である兄。
幼き頃から剣の才に優れ、エヴァーソン家の次期当主として名を馳せるソードマスターだった。
反対にへロイスには剣の才がない。
終いには天才型の兄に魔力でさえ勝てないと知ると、ますます嫉妬と野心が芽生え始める。
努力しても優先される兄。
唯一残された妹のサザンカはそんな黒い野望を抱えたへロイスに利用されることとなる。
兄を殺害しようと黒魔法に手をかけるへロイス。
その代償は生きた生娘の血。
甘い言葉でサザンカを誘惑して黒魔法を展開させるも悪事はバレて最後には公爵達に処刑されてしまう。
サザンカも共犯者として殺される。
つまり最後までへロイスの駒としてバットエンドなわけ。
「ほあ~?じゃあサザンカはへロイスルートでも黒魔法による、兄貴殺害容疑で一緒に殺されると??」
最悪じゃないか!!!
いやホントに見事なるとばっちり。
必死に弁明しても今までのヒロインのつけが大いにあったせいか誰にも信じてもらえず。兄貴の口車に乗せられて終いには死亡ですか、、、
「流石に可哀想な私!!!」
でもちょっと待って。
それを言うならシャロンルートもあるって、みっちゃんが話してたような。
0
あなたにおすすめの小説
気配消し令嬢の失敗
かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。
15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。
※王子は曾祖母コンです。
※ユリアは悪役令嬢ではありません。
※タグを少し修正しました。
初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
悪役令嬢、隠しキャラとこっそり婚約する
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢が隠しキャラに愛されるだけ。
ドゥニーズは違和感を感じていた。やがてその違和感から前世の記憶を取り戻す。思い出してからはフリーダムに生きるようになったドゥニーズ。彼女はその後、ある男の子と婚約をして…。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
所(世界)変われば品(常識)変わる
章槻雅希
恋愛
前世の記憶を持って転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢。王太子の婚約者であり、ヒロインが彼のルートでハッピーエンドを迎えれば身の破滅が待っている。修道院送りという名の道中での襲撃暗殺END。
それを避けるために周囲の環境を整え家族と婚約者とその家族という理解者も得ていよいよゲームスタート。
予想通り、ヒロインも転生者だった。しかもお花畑乙女ゲーム脳。でも地頭は悪くなさそう?
ならば、ヒロインに現実を突きつけましょう。思い込みを矯正すれば多分有能な女官になれそうですし。
完結まで予約投稿済み。
全21話。
俺が悪役令嬢になって汚名を返上するまで (旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)
南野海風
ファンタジー
気がついたら、俺は乙女ゲーの悪役令嬢になってました。
こいつは悪役令嬢らしく皆に嫌われ、周囲に味方はほぼいません。
完全没落まで一年という短い期間しか残っていません。
この無理ゲーの攻略方法を、誰か教えてください。
ライトオタクを自認する高校生男子・弓原陽が辿る、悪役令嬢としての一年間。
彼は令嬢の身体を得て、この世界で何を考え、何を為すのか……彼の乙女ゲーム攻略が始まる。
※書籍化に伴いダイジェスト化しております。ご了承ください。(旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる