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くそキショ企画を思いついた。
内容はサンサンと日が照るこのくそ暑い太陽の下、腹筋百回をした後に思いっきり庭園を一周するってやつ。ただの散歩で終わらない辺り、ホント好き。そう自分に言い聞かせて腹筋を開始した(庭師は引いていた)。
「何やってんだオマエ、、、」
十回目にして上から声がかかる。
見上げれば太陽をバックにお兄ちゃんがいた。
「あ、お兄ちゃん!お兄ちゃんも一緒にやるか?」
「だ~か~ら、そのお兄ちゃんってなんだよ。てかマジで何やってんだよ」
「腹筋。これを百やって庭を一周走ってここに戻ってくるっていう企画。おもろくない?」
「面白くねぇよ!貴族の令嬢がなんつーことしてんだ!さっさとやめろ!!」
へロイスはゲッとした顔で引いていた。
めちゃくちゃ。
だがやめろと言われてやめるバカがどこにいる。
ますますやってみたくなってしまうのが私だ。
「いや~やめろって言われるとやりたいなるんだよね~てことでやりま~す。十一~十二~…」
「やめろって!オマエマジでおかしくなったんじゃねーの⁈」
「人聞きの悪い。元々運動は好きなの!!あ、そう言えばお兄ちゃん、魔法はいつ教えてくれるの?」
「なんで俺が教える前提なんだよ。オマエになんか教えない」
「え~…」
魔法なんて前世では叶えられないスキル。
それが転生してできるならやらずして何になるというのだ。
「ズルい!お兄ちゃん達は魔法が使えて。お姉様は聖女。じゃあ私は?魔法使って私も何かやりた~い!!」
「オマエ…まさかそれを口実に姉さんにまた何かする気じゃ、、」
「まっさか~(笑)。もう過去の私は終わったの。今からは新しいサザンカとなったんだから協力してよ」
「協力だ?」
「そう!魔法使って腹筋鍛えて強くなる。世界平和の為に死亡フラグを回避するんだから!!」
つい張り切って言ってしまったが。
へロイスは更に訳が分からないと困惑気味だった。
「なんだよ、その死亡フラグって」
「あ、いやいや!なんでもない!!あ、じゃあさ、お兄ちゃん勝負しよう」
「勝負?」
「今から腹筋百回やって先に庭を一周した方の勝ち。魔法使うズルもなし。んで、私が勝ったら魔法を教えて貰う。どう?」
「は、そんなの俺がやるとでも」
へロイスは馬鹿にしたように笑っていた。
だがサザンカには奥の手があった。
「もしかしてお兄ちゃん、私に負けるの怖いの~?」
「あ?」
その言葉に向こうはピクッと反応する。
(くいついた!!)
へロイスというキャラは負けず嫌いで有名。
作中でも黒魔法使ってまで家族を殺そうとしたのだ。人一倍努力して完璧でないと気が済まないのは、彼の真面目過ぎる性格でもあるのだろう。だからヒロインを攻略するのも人一倍頑張っていたってみっちゃんが言ってた。
「お兄ちゃんは普段は体鍛えてないからヒョロヒョロなんでしょ。だから私に負けるのが怖いんだ」
「は、なめんなよ。オマエ如き相手直ぐにでも負かしてやる」
「じゃ、そゆことで。え~っと…あ、そこのお爺さん!!」
サザンカは近くで樹を整備していた庭師に声をかけた。
向こうは悪女サザンカに目をつけられたとビクビクしていたが、やがて話す内容に目を丸くさせていた。
「勝負を公平に取り仕切る為に審判をつけます。じゃあ掛け声お願いしま~す!!」
「は、はぁ…ではよ~い、スタート!!」
その声を同時に二人のクソキショ企画が開始された。
持ち前のスタミナは前世から持ち込んできたのか⁈ってぐらい、今のサザンカは腹筋を楽々とこなしていく。隣ではへロイスがギョっとしていたが、負けじと腹筋を決め込んでいく。
「よし!終わった!!」
「は、おま、、」
へロイスより数回早く腹筋を終えたサザンカは庭を全力疾走する。だが後ろからはワンテンポ遅れてへロイスが後に続く。暫く走ればさっきまでいたテラス席には未だに二人の姿と…もう一人、一番上の兄の姿も見えた。
「こんの!待てや、サザンカ!!!」
後ろからはへロイスが怒涛の勢いで走り込んでくる。
魔法の研究に浸っていただけでは決してない。
コイツもやる時はやるんだな~と少し感心しながらも走り続ける。目の前まで見えてきたテラス席。皆は走る音に不思議がって顔を上げれば私達を見てギョっとしていた。
「あ、お姉様!!」
「サザンカ⁈」
ロエナの驚く声にピースを決め込めば目の前を通り過ぎる。
続けて後ろからはへロイスがその場を通り過ぎるので、皆はもう訳が分からなかった。それはそうだ。公爵家の人間が朝っぱらから庭を物凄い勢いで走り込んでいるのだから。
内容はサンサンと日が照るこのくそ暑い太陽の下、腹筋百回をした後に思いっきり庭園を一周するってやつ。ただの散歩で終わらない辺り、ホント好き。そう自分に言い聞かせて腹筋を開始した(庭師は引いていた)。
「何やってんだオマエ、、、」
十回目にして上から声がかかる。
見上げれば太陽をバックにお兄ちゃんがいた。
「あ、お兄ちゃん!お兄ちゃんも一緒にやるか?」
「だ~か~ら、そのお兄ちゃんってなんだよ。てかマジで何やってんだよ」
「腹筋。これを百やって庭を一周走ってここに戻ってくるっていう企画。おもろくない?」
「面白くねぇよ!貴族の令嬢がなんつーことしてんだ!さっさとやめろ!!」
へロイスはゲッとした顔で引いていた。
めちゃくちゃ。
だがやめろと言われてやめるバカがどこにいる。
ますますやってみたくなってしまうのが私だ。
「いや~やめろって言われるとやりたいなるんだよね~てことでやりま~す。十一~十二~…」
「やめろって!オマエマジでおかしくなったんじゃねーの⁈」
「人聞きの悪い。元々運動は好きなの!!あ、そう言えばお兄ちゃん、魔法はいつ教えてくれるの?」
「なんで俺が教える前提なんだよ。オマエになんか教えない」
「え~…」
魔法なんて前世では叶えられないスキル。
それが転生してできるならやらずして何になるというのだ。
「ズルい!お兄ちゃん達は魔法が使えて。お姉様は聖女。じゃあ私は?魔法使って私も何かやりた~い!!」
「オマエ…まさかそれを口実に姉さんにまた何かする気じゃ、、」
「まっさか~(笑)。もう過去の私は終わったの。今からは新しいサザンカとなったんだから協力してよ」
「協力だ?」
「そう!魔法使って腹筋鍛えて強くなる。世界平和の為に死亡フラグを回避するんだから!!」
つい張り切って言ってしまったが。
へロイスは更に訳が分からないと困惑気味だった。
「なんだよ、その死亡フラグって」
「あ、いやいや!なんでもない!!あ、じゃあさ、お兄ちゃん勝負しよう」
「勝負?」
「今から腹筋百回やって先に庭を一周した方の勝ち。魔法使うズルもなし。んで、私が勝ったら魔法を教えて貰う。どう?」
「は、そんなの俺がやるとでも」
へロイスは馬鹿にしたように笑っていた。
だがサザンカには奥の手があった。
「もしかしてお兄ちゃん、私に負けるの怖いの~?」
「あ?」
その言葉に向こうはピクッと反応する。
(くいついた!!)
へロイスというキャラは負けず嫌いで有名。
作中でも黒魔法使ってまで家族を殺そうとしたのだ。人一倍努力して完璧でないと気が済まないのは、彼の真面目過ぎる性格でもあるのだろう。だからヒロインを攻略するのも人一倍頑張っていたってみっちゃんが言ってた。
「お兄ちゃんは普段は体鍛えてないからヒョロヒョロなんでしょ。だから私に負けるのが怖いんだ」
「は、なめんなよ。オマエ如き相手直ぐにでも負かしてやる」
「じゃ、そゆことで。え~っと…あ、そこのお爺さん!!」
サザンカは近くで樹を整備していた庭師に声をかけた。
向こうは悪女サザンカに目をつけられたとビクビクしていたが、やがて話す内容に目を丸くさせていた。
「勝負を公平に取り仕切る為に審判をつけます。じゃあ掛け声お願いしま~す!!」
「は、はぁ…ではよ~い、スタート!!」
その声を同時に二人のクソキショ企画が開始された。
持ち前のスタミナは前世から持ち込んできたのか⁈ってぐらい、今のサザンカは腹筋を楽々とこなしていく。隣ではへロイスがギョっとしていたが、負けじと腹筋を決め込んでいく。
「よし!終わった!!」
「は、おま、、」
へロイスより数回早く腹筋を終えたサザンカは庭を全力疾走する。だが後ろからはワンテンポ遅れてへロイスが後に続く。暫く走ればさっきまでいたテラス席には未だに二人の姿と…もう一人、一番上の兄の姿も見えた。
「こんの!待てや、サザンカ!!!」
後ろからはへロイスが怒涛の勢いで走り込んでくる。
魔法の研究に浸っていただけでは決してない。
コイツもやる時はやるんだな~と少し感心しながらも走り続ける。目の前まで見えてきたテラス席。皆は走る音に不思議がって顔を上げれば私達を見てギョっとしていた。
「あ、お姉様!!」
「サザンカ⁈」
ロエナの驚く声にピースを決め込めば目の前を通り過ぎる。
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