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カルヤの居場所
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やっとハタチくんの家の近くまで来れた。ここまでの道のりが、いつもより長く感じた。でも、ハタチくんの家を知っているわけじゃないから、このあとはどうすればいいか分からない。しらみつぶしに歩き回ったら何かが起こるだろうか。ハタチくんの友達に会ったらどうするかも考えないといけない。
歩きながら必死に頭を回転させようとするぼくの横を、二人の男の子が通りかかる。高校生くらいの見た目だった。
「ハタチのやつ出かけてるのか?」
「まぁ忘れ物は届けたし大丈夫だろ」
ぼくの足がピタリと止まった。そして、二人のもとに素早く駆け寄った。
喉から出たのは唸り声だった。
「うわっ!なんだ?」
「こいつ、ハタチが育ててるらしいぞ」
「なんでこんなところに一人で……」
お願い。通じて。そんな思いで、ぼくは必死に声をあげた。
「なんか威嚇されてないか?」
「引っかいてくる前に逃げるぞ!」
そう言って二人は、走って行ってしまった。
だめだ。やっぱり、ハタチくんの友達じゃないと。どこにいるの、カルヤくん。
……待てよ。あの二人は、ハタチくんの家から来た。つまり、ハタチくんの家の方向はこっちで合っているということだ。良かった。なぜか安心している僕の横を、さっきの男の子たちが足早に通り過ぎて行った。
「おかげでまた後戻りじゃないか」
「さっきから謝ってるだろ!」
「またさっきのやつに目をつけられたら……」
「何もしてこないうちに早く行くぞ」
なんてタイミングがいいんだろう。この二人に着いていけば、ハタチくんの家を突き止められる。前みたいにすればバレないはずだ。バレたらきっと逃げられる。ぼくの足がそっと動いた。その時、急に二人が振り向いた。危うく、ぼくが着いていこうとしているのがすぐにバレるところだった。
「良かった、何かしてくるわけじゃないみたいだな」
「なんか変なやつだったな」
「そういう動物なんじゃないのか?」
そうだった、この二人は警戒心が強いんだ。慎重に行かなきゃ。
しばらく歩いているうち、気になる会話が耳に入ってきた。
「なんで俺達があいつの家に行かないといけないんだよ。本来ならカルヤの仕事だろ」
「ユメマキ公園で用事があるって言ってたけど、何やってんだろうな」
ユメマキ公園?もしかして、カルヤくんは今、ユメマキ公園にいるのだろうか。いや、間違いはないだろう。
さっきまでの不安に、一筋の光が射したような気がした。カルヤくんの居場所が分かったんだ。やっぱり、この二人に着いて行って正解だったんだ。ユメマキ公園の場所は知っている。今来た道をまた引き返さないといけないけれど、ちょうど走る気力も湧いてきた。
行こう。ぼくが行かないと、ハタチくんが危ない。振り向かないで走るんだ。高校生の男の子達がぼくに気づいて驚いている声が聞こえる。そんなの気にしちゃいけない。早くハタチくんを助けたい。そして、いつもみたいにお話がしたい。いつのまにか、ぼくの視界は歪んでいた。
なんでだろう。ハタチくんに会えないのが、今はとてつもなく寂しい。いつもなら、また明日会えるからと安心して眠っていたはずなのに。もう会えないかもしれないという衝動のせいだ。今までずっと考えなかったけど、ハタチくんが死ぬなんて絶対に嫌だ。ぼくはもっとハタチくんと一緒にいたいんだ。抑えていた感情が、涙とともに一気に溢れ出す。お願いだから、間に合って。
ぼくの涙は、疲れを紛らわしてくれていた。さっきまで無心に走っていたけれど、ある場所まで来てハッとなった。この先の道が、思ったよりも複雑だった。やっぱり、一度行ったことがあるだけじゃ完璧な道のりは覚えられない。この後どこを曲がればいいんだったっけ。思い出せない。さっきみたいなねこに会うのもたくさんだ。
我に返った瞬間、激しいめまいと息切れで倒れそうになる。こらえようとするけれど、やっぱりよろけてしまう。そのままぼくは近くの塀にもたれかかって、そのまま歩くことさえできなくなってしまった。さっきまで泣いていたからか、目の前がぼやけている。意識もはっきりしていない。このままじゃ、ハタチくんを助ける前にこっちが力尽きてしまう。助けようって決めたのに。自分の情けなさに腹がたってくる。
地面に落ちた涙に反射して見えたのは、ぼくの心と反転して生き生きしている、雲ひとつない青空だった。
ーーーマコトくん。
どこからか聞こえてきた愛おしい声に、ぼくの意識は一瞬で鮮明になった。幻聴だってことくらい分かっている。でも、ぼくは無意識に、いつものように、声のする方を見上げていた。
そこには、高そうな塀が立ちはだかっていた。その真ん中に、大きな白い紙が貼られている。
まさか、これは……。
ぼくは、塀から少し離れて、貼られているものをじっと見た。
やっぱり、これは地図だ。これを見れば、ユメマキ公園の場所が分かるかも知れない。でも、その地図はちょっと高い位置に貼られていて見えにくい。何か足場を持ってきた方がいいだろうか。塀を登るのも無理そうだ。
「地図、見たいの?」
突然、横を通りかかった女の子がぼくに近寄ってきた。ぼくは、目を丸くして女の子を見つめた。女の子は手を広げて、
「私が抱っこして見えやすいところに持って行ってあげようか?」
そう言って優しく微笑んだ。一瞬迷ったけれど、ぼくは女の子のところに駆け寄った。そのまま抱き上げられ、目の前には大きな地図が広がった。
ユメマキ公園はどこだろう。文字が読めないぼくには、地図に描かれていることがどうしても分からなかった。ちょっとくらい参考になるかもって思っていたけど、やっぱりぼくには無理なのだろうか。ぼくが地図とにらめっこをしていると、女の子が説明を始めた。
「今いる場所がここで、あそこに見えるのが薬局って言って、クスリ屋さんって言えばいいかな?地図でいえばここなんだけど……。それで、ここにあるのが畑で……」
なんて親切なんだ。ぼくはその子の説明を聞き逃さないように、必死に頭の中に詰め込んだ。
「これくらいかな。どう?」
でも、説明の中にユメマキ公園は全く出てこなかった。ユメマキ公園はこの近くにないのだろうか。
「ごめんね、目印になりそうな場所だけしか教えてないから、説明が足りなかったかも知れないけど……」
目印……そうか!そういえば、ユメマキ公園の向かいには駐車場があったはず。駐車場は車を停めるところで、地図で言えばこの場所だった。つまり、ここを目指せばユメマキ公園に行けるってことか!
「もう大丈夫?」
首をかしげて尋ねる女の子に、ぼくは頷いた。地面におろしてもらい、お礼の代わりに、元気よくにゃんと鳴いた。
「役に立てて良かったよ」
この子には話が通じやすいのかな。だとしたら、ハタチくんのこともどうにかして伝えられるかも知れない。そう思った時だった。
「ミカ、帰るわよ」
「はーい」
お母さんらしい人に呼ばれて、女の子はぼくに手を振って去って行ってしまった。
仕方ない。でもこれでカルヤくんのところに行ける。ミカちゃん、ありがとう。
歩きながら必死に頭を回転させようとするぼくの横を、二人の男の子が通りかかる。高校生くらいの見た目だった。
「ハタチのやつ出かけてるのか?」
「まぁ忘れ物は届けたし大丈夫だろ」
ぼくの足がピタリと止まった。そして、二人のもとに素早く駆け寄った。
喉から出たのは唸り声だった。
「うわっ!なんだ?」
「こいつ、ハタチが育ててるらしいぞ」
「なんでこんなところに一人で……」
お願い。通じて。そんな思いで、ぼくは必死に声をあげた。
「なんか威嚇されてないか?」
「引っかいてくる前に逃げるぞ!」
そう言って二人は、走って行ってしまった。
だめだ。やっぱり、ハタチくんの友達じゃないと。どこにいるの、カルヤくん。
……待てよ。あの二人は、ハタチくんの家から来た。つまり、ハタチくんの家の方向はこっちで合っているということだ。良かった。なぜか安心している僕の横を、さっきの男の子たちが足早に通り過ぎて行った。
「おかげでまた後戻りじゃないか」
「さっきから謝ってるだろ!」
「またさっきのやつに目をつけられたら……」
「何もしてこないうちに早く行くぞ」
なんてタイミングがいいんだろう。この二人に着いていけば、ハタチくんの家を突き止められる。前みたいにすればバレないはずだ。バレたらきっと逃げられる。ぼくの足がそっと動いた。その時、急に二人が振り向いた。危うく、ぼくが着いていこうとしているのがすぐにバレるところだった。
「良かった、何かしてくるわけじゃないみたいだな」
「なんか変なやつだったな」
「そういう動物なんじゃないのか?」
そうだった、この二人は警戒心が強いんだ。慎重に行かなきゃ。
しばらく歩いているうち、気になる会話が耳に入ってきた。
「なんで俺達があいつの家に行かないといけないんだよ。本来ならカルヤの仕事だろ」
「ユメマキ公園で用事があるって言ってたけど、何やってんだろうな」
ユメマキ公園?もしかして、カルヤくんは今、ユメマキ公園にいるのだろうか。いや、間違いはないだろう。
さっきまでの不安に、一筋の光が射したような気がした。カルヤくんの居場所が分かったんだ。やっぱり、この二人に着いて行って正解だったんだ。ユメマキ公園の場所は知っている。今来た道をまた引き返さないといけないけれど、ちょうど走る気力も湧いてきた。
行こう。ぼくが行かないと、ハタチくんが危ない。振り向かないで走るんだ。高校生の男の子達がぼくに気づいて驚いている声が聞こえる。そんなの気にしちゃいけない。早くハタチくんを助けたい。そして、いつもみたいにお話がしたい。いつのまにか、ぼくの視界は歪んでいた。
なんでだろう。ハタチくんに会えないのが、今はとてつもなく寂しい。いつもなら、また明日会えるからと安心して眠っていたはずなのに。もう会えないかもしれないという衝動のせいだ。今までずっと考えなかったけど、ハタチくんが死ぬなんて絶対に嫌だ。ぼくはもっとハタチくんと一緒にいたいんだ。抑えていた感情が、涙とともに一気に溢れ出す。お願いだから、間に合って。
ぼくの涙は、疲れを紛らわしてくれていた。さっきまで無心に走っていたけれど、ある場所まで来てハッとなった。この先の道が、思ったよりも複雑だった。やっぱり、一度行ったことがあるだけじゃ完璧な道のりは覚えられない。この後どこを曲がればいいんだったっけ。思い出せない。さっきみたいなねこに会うのもたくさんだ。
我に返った瞬間、激しいめまいと息切れで倒れそうになる。こらえようとするけれど、やっぱりよろけてしまう。そのままぼくは近くの塀にもたれかかって、そのまま歩くことさえできなくなってしまった。さっきまで泣いていたからか、目の前がぼやけている。意識もはっきりしていない。このままじゃ、ハタチくんを助ける前にこっちが力尽きてしまう。助けようって決めたのに。自分の情けなさに腹がたってくる。
地面に落ちた涙に反射して見えたのは、ぼくの心と反転して生き生きしている、雲ひとつない青空だった。
ーーーマコトくん。
どこからか聞こえてきた愛おしい声に、ぼくの意識は一瞬で鮮明になった。幻聴だってことくらい分かっている。でも、ぼくは無意識に、いつものように、声のする方を見上げていた。
そこには、高そうな塀が立ちはだかっていた。その真ん中に、大きな白い紙が貼られている。
まさか、これは……。
ぼくは、塀から少し離れて、貼られているものをじっと見た。
やっぱり、これは地図だ。これを見れば、ユメマキ公園の場所が分かるかも知れない。でも、その地図はちょっと高い位置に貼られていて見えにくい。何か足場を持ってきた方がいいだろうか。塀を登るのも無理そうだ。
「地図、見たいの?」
突然、横を通りかかった女の子がぼくに近寄ってきた。ぼくは、目を丸くして女の子を見つめた。女の子は手を広げて、
「私が抱っこして見えやすいところに持って行ってあげようか?」
そう言って優しく微笑んだ。一瞬迷ったけれど、ぼくは女の子のところに駆け寄った。そのまま抱き上げられ、目の前には大きな地図が広がった。
ユメマキ公園はどこだろう。文字が読めないぼくには、地図に描かれていることがどうしても分からなかった。ちょっとくらい参考になるかもって思っていたけど、やっぱりぼくには無理なのだろうか。ぼくが地図とにらめっこをしていると、女の子が説明を始めた。
「今いる場所がここで、あそこに見えるのが薬局って言って、クスリ屋さんって言えばいいかな?地図でいえばここなんだけど……。それで、ここにあるのが畑で……」
なんて親切なんだ。ぼくはその子の説明を聞き逃さないように、必死に頭の中に詰め込んだ。
「これくらいかな。どう?」
でも、説明の中にユメマキ公園は全く出てこなかった。ユメマキ公園はこの近くにないのだろうか。
「ごめんね、目印になりそうな場所だけしか教えてないから、説明が足りなかったかも知れないけど……」
目印……そうか!そういえば、ユメマキ公園の向かいには駐車場があったはず。駐車場は車を停めるところで、地図で言えばこの場所だった。つまり、ここを目指せばユメマキ公園に行けるってことか!
「もう大丈夫?」
首をかしげて尋ねる女の子に、ぼくは頷いた。地面におろしてもらい、お礼の代わりに、元気よくにゃんと鳴いた。
「役に立てて良かったよ」
この子には話が通じやすいのかな。だとしたら、ハタチくんのこともどうにかして伝えられるかも知れない。そう思った時だった。
「ミカ、帰るわよ」
「はーい」
お母さんらしい人に呼ばれて、女の子はぼくに手を振って去って行ってしまった。
仕方ない。でもこれでカルヤくんのところに行ける。ミカちゃん、ありがとう。
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