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第一章 迷宮の国テルミア編
8 迷宮の国テルミア
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高い壁に囲まれた大きな国。遠く離れたこの場所からでも一つの建物が見える。ところどころに植物が絡んでいるビルのような大きく空まで伸びている建物。迷宮の国と言っているぐらいだ、あれが迷宮なのだろうか。迷宮の国テルミア。この世界にきて、イミナ以外の人間に合うのは初めてだ。初めての文明、少しわくわくしている自分がいるのが恥ずかしいところだ。ダンジョンと言えば罠と魔物、そして宝箱だ。何を隠そう俺はそういう冒険が大好きだ。くぅ~、イミナを守るという立場でなかったら行きたかったなぁ、と思ってしまう。
「もしかしてリミドさん、わくわくしてる?」
ぎくっ。何、イミナが俺の心を読んだだと!?それとも俺がわかりやすかったのか。いやぁ恥ずかしい。
「ど、どうして?」
「だって心拍数がなぜか上がってるから。」
…。なるほど、そりゃそうだ。俺は心臓、この可愛らしい白髪の少女イミナの心臓なんだ。あれだな、年取ったら大変そうだな俺は。しかしここで一つの疑問が生まれる。俺は寿命とかあるのだろうか?イミナと共に朽ち果てるのだろうか。イミナの体の一部として一緒に老衰していくのだろうか?うーん、わからん。
「ほら、リミドさん早くいこ。私までドキドキしてきちゃった。」
「わかった、早くいこう。」
近づいてくるとその壁の大きさを改めて感じる。俺らは入国者の列に並んでその時を待っていた。そう、その時だ。入国するのには俺の予想だが身分証明書なるものがいるはずだ。イミナは捨てられた子、当然そんなものをもっていない。
「はいはい、お嬢ちゃん…って一人かい?」
「はい…そうです。」
門番の人と話すイミナはどこかおびえているようだった。そりゃあそうか、生まれてからずっと大人は自分のことを忌避してきたんだ。怯えぐらいするか。でもこの地域では白髪迫害はなさそうだが少し不安だな。
「乗っていた馬車が魔物に襲われてしまって…親もそのときに…。」
「おいおい、それはまじか。どこで襲われた?」
「フォールン大森林です。」
嘘をつくのは心苦しいが、親から捨てられたというよりはましだろう。あまりそのような目でイミナを見てほしくないというのもある。さてと…どんな反応をするかな?
「あちゃあ…いや、それでも逃げ切れただけ幸運なほうか。この国に来れたのもそのきれいな身なりもフォールン大森林の浅い場所で襲われたからだろ?深い場所だとレベル50がうじゃうじゃいるような超危険地帯だ。そんなところに迷い込まなくてよかったな。ほら、通っていいぞ。身分証はギルドで発行してもらえるがいざというときは教会を頼ると言い。その体では稼げないと思うからな。」
「ありがとうございます!」
「リミドさん、ついたよ。」
イミナはごくん、と唾をのむ。緊張しているのだろう。その気持ちが俺にまで伝わってくる。物理的に。心臓だから。どくんどくんって。うん。俺はガントレットの姿に変化してイミナにまとわりつく。
がちゃ
イミナはドアを開ける。
ジローッ。
こわもての男たちが睨んでくる。うわぁ、やっぱりギルドってそういう場所だよね。いやいや、俺がビビッてどうするんだ。いざというときには…。
イミナはカウンターまで歩いていく。カウンターは混んでいてイミナはごつい冒険者たちと一緒にカウンターに並んだ。イミナの顔がどんどん汗まみれになっていく。あぁ、そんなに怖がって。チッ。俺は心の中で舌打ちする。異様に静まっているギルドはとても不気味だ。全員がイミナを見ている。あぁ、やめて、そんな見つめないで!じゃねぇとぶっ殺すぞ。そんなことを心の中で見つめている。
そしてやっと俺らの番になった。
「あ、あの…その…身分証の…発行を…。」
イミナはおそるおそる顔をあげる。そこにはきれいな女の人が立っていた。
「はい、身分証の発行ですね?一人でいるのを見ると…紛失か遭難かな?文字はかける?」
優しい笑顔と返答にイミナは笑顔を取り戻す。
「は、はい!大丈夫です、書けます。」
そういうとカウンターの人はすっと一枚の紙をイミナに差し出す。
「ここに名前を書いて、魔力をほんのちょっぴり込めてね。そしたらステータスが表示されるから。」
かきかき、イミナは背伸びをしながら必死にペンを動かす。がんばれ、がんばれ。とか思ってみたりする。
「はい、これで登録完了です。」
すると書いた紙がぴかーっとひかり一枚のプレートに代わる。
「はい、どうぞ!もう紛失しないようにね。まずは教会を訪れるといいんじゃないかしら?そこだとあなたみたいな子供を育ててくれるから。」
「い、いえ!大丈夫です!冒険者として働きたくて!」
シン。
静かだったギルドがさらに静まる。すると男が一人近づいてくる。
「おいおい嬢ちゃん、そんなちっこい体で冒険者なんてできんのか?」
…。押さえろ。俺。案外いい奴かもしんねぇじゃねぇか。
「白髪か…なんだ?東から逃げてきたか。悪魔が宿るって白髪の。ははは!こりゃあ傑作だ。」
…。
イミナが震える。無理もない。
「お前は冒険者じゃあやってけねょ。そうだな!俺の下の世話でもするか?金はたんまり出すぜ!はははは!」
「リミドさん…やっちゃっお。」
「おう」
俺は他の人には聞こえないような小さな声でイミナに返答する。
「あぁん?なんだって」
「えい。」
ぽか。イミナが男を殴る。
「そんなパンチきかな」
ばあああああああああああああああああああああん
男がドアを突き破り吹き飛ぶ。
俺、もといガントレットが思いっきり男を吹き飛ばしたので。
「緊張してたのが馬鹿みたいだわ。ごほん、皆さん初めまして!イミナと申します。至らない点も多いとは思いますがどうぞ、お手柔らかに。」
長いスカートを手で持ち上にあげる。これは俺が仕込んだ作法だ。うんうん、強さと美しさの両方を兼ね備えた最強の少女だな。われながら上出来だ。
「し、信じられない!」
カウンターの人は再び確認したステータスプレートに目を奪われていた。先ほどはたかが少女とくくってよくは見ていなかったのだろう。それがこの結果だ。
名前:イミナ
種族:人間(種族:亜種)
レベル:89
状態:通常
称号:運命の子
ステータス
HP:12084/12084
AT:8932
DF:2830
SP:50
MT:800
MP:2000/2000
スキル
・吸収解析
・呪い:魔法不可
・魔法適正
・武術(Lv42)
・神速
・影踏
・衝撃強化・緩和
・転翔
「もしかしてリミドさん、わくわくしてる?」
ぎくっ。何、イミナが俺の心を読んだだと!?それとも俺がわかりやすかったのか。いやぁ恥ずかしい。
「ど、どうして?」
「だって心拍数がなぜか上がってるから。」
…。なるほど、そりゃそうだ。俺は心臓、この可愛らしい白髪の少女イミナの心臓なんだ。あれだな、年取ったら大変そうだな俺は。しかしここで一つの疑問が生まれる。俺は寿命とかあるのだろうか?イミナと共に朽ち果てるのだろうか。イミナの体の一部として一緒に老衰していくのだろうか?うーん、わからん。
「ほら、リミドさん早くいこ。私までドキドキしてきちゃった。」
「わかった、早くいこう。」
近づいてくるとその壁の大きさを改めて感じる。俺らは入国者の列に並んでその時を待っていた。そう、その時だ。入国するのには俺の予想だが身分証明書なるものがいるはずだ。イミナは捨てられた子、当然そんなものをもっていない。
「はいはい、お嬢ちゃん…って一人かい?」
「はい…そうです。」
門番の人と話すイミナはどこかおびえているようだった。そりゃあそうか、生まれてからずっと大人は自分のことを忌避してきたんだ。怯えぐらいするか。でもこの地域では白髪迫害はなさそうだが少し不安だな。
「乗っていた馬車が魔物に襲われてしまって…親もそのときに…。」
「おいおい、それはまじか。どこで襲われた?」
「フォールン大森林です。」
嘘をつくのは心苦しいが、親から捨てられたというよりはましだろう。あまりそのような目でイミナを見てほしくないというのもある。さてと…どんな反応をするかな?
「あちゃあ…いや、それでも逃げ切れただけ幸運なほうか。この国に来れたのもそのきれいな身なりもフォールン大森林の浅い場所で襲われたからだろ?深い場所だとレベル50がうじゃうじゃいるような超危険地帯だ。そんなところに迷い込まなくてよかったな。ほら、通っていいぞ。身分証はギルドで発行してもらえるがいざというときは教会を頼ると言い。その体では稼げないと思うからな。」
「ありがとうございます!」
「リミドさん、ついたよ。」
イミナはごくん、と唾をのむ。緊張しているのだろう。その気持ちが俺にまで伝わってくる。物理的に。心臓だから。どくんどくんって。うん。俺はガントレットの姿に変化してイミナにまとわりつく。
がちゃ
イミナはドアを開ける。
ジローッ。
こわもての男たちが睨んでくる。うわぁ、やっぱりギルドってそういう場所だよね。いやいや、俺がビビッてどうするんだ。いざというときには…。
イミナはカウンターまで歩いていく。カウンターは混んでいてイミナはごつい冒険者たちと一緒にカウンターに並んだ。イミナの顔がどんどん汗まみれになっていく。あぁ、そんなに怖がって。チッ。俺は心の中で舌打ちする。異様に静まっているギルドはとても不気味だ。全員がイミナを見ている。あぁ、やめて、そんな見つめないで!じゃねぇとぶっ殺すぞ。そんなことを心の中で見つめている。
そしてやっと俺らの番になった。
「あ、あの…その…身分証の…発行を…。」
イミナはおそるおそる顔をあげる。そこにはきれいな女の人が立っていた。
「はい、身分証の発行ですね?一人でいるのを見ると…紛失か遭難かな?文字はかける?」
優しい笑顔と返答にイミナは笑顔を取り戻す。
「は、はい!大丈夫です、書けます。」
そういうとカウンターの人はすっと一枚の紙をイミナに差し出す。
「ここに名前を書いて、魔力をほんのちょっぴり込めてね。そしたらステータスが表示されるから。」
かきかき、イミナは背伸びをしながら必死にペンを動かす。がんばれ、がんばれ。とか思ってみたりする。
「はい、これで登録完了です。」
すると書いた紙がぴかーっとひかり一枚のプレートに代わる。
「はい、どうぞ!もう紛失しないようにね。まずは教会を訪れるといいんじゃないかしら?そこだとあなたみたいな子供を育ててくれるから。」
「い、いえ!大丈夫です!冒険者として働きたくて!」
シン。
静かだったギルドがさらに静まる。すると男が一人近づいてくる。
「おいおい嬢ちゃん、そんなちっこい体で冒険者なんてできんのか?」
…。押さえろ。俺。案外いい奴かもしんねぇじゃねぇか。
「白髪か…なんだ?東から逃げてきたか。悪魔が宿るって白髪の。ははは!こりゃあ傑作だ。」
…。
イミナが震える。無理もない。
「お前は冒険者じゃあやってけねょ。そうだな!俺の下の世話でもするか?金はたんまり出すぜ!はははは!」
「リミドさん…やっちゃっお。」
「おう」
俺は他の人には聞こえないような小さな声でイミナに返答する。
「あぁん?なんだって」
「えい。」
ぽか。イミナが男を殴る。
「そんなパンチきかな」
ばあああああああああああああああああああああん
男がドアを突き破り吹き飛ぶ。
俺、もといガントレットが思いっきり男を吹き飛ばしたので。
「緊張してたのが馬鹿みたいだわ。ごほん、皆さん初めまして!イミナと申します。至らない点も多いとは思いますがどうぞ、お手柔らかに。」
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「し、信じられない!」
カウンターの人は再び確認したステータスプレートに目を奪われていた。先ほどはたかが少女とくくってよくは見ていなかったのだろう。それがこの結果だ。
名前:イミナ
種族:人間(種族:亜種)
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状態:通常
称号:運命の子
ステータス
HP:12084/12084
AT:8932
DF:2830
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MT:800
MP:2000/2000
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