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第三章 魔法学園都市オクタグラム編
閑話 ロイの同居人
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ロイ=フランター。
オクタグラムの歴史上もっとも魔力量が高いと言われているアイン級主席の超エリートである。その強さは生まれ持った魔力量の多さ、そしてたゆまぬ努力、そして…。
ボーン、バーン、ドカーン。
こんな音が寮の一室に響く。それが夜中であることが同室に住む生徒の服装からうかがえる。枕を頭に抑えて、ロイから発せられているであろう騒音を抑えようとしているがほとんど意味を成していないようである。
「これをこうして…魔力こう込めればいいのか。…あれ?狂ったな…。魔石の出力が足りない?うーん難しいなぁ。」
ロイは何やら魔道具を制作しているようで、机に向かって集中しているようだった。
ロイ=フランターの強さの一因、それはその魔道具の製作技術である。その一例として彼女の超小型の杖は魔術界を騒然とさせた魔道具である。魔力量の多さ、特殊な体質のロイ本人しか使えず、材料費だけならまだしも制作には高い技術が必要なため量産は不可能であったが、それを当人が器用に使いこなしているため魔術界では高い評価を受けている。しかしその一方、彼女の超近接的な戦い方は魔術師殺しという二つ名がつくほどに遠距離中心の魔術師にとっては不利な戦い方である。間合いを詰めて超近距離で魔術を打ち込むという破天荒な戦い方は賛否の嵐だったという。それでも高い技術を有していることに変わりはないため様々な魔術の研究施設、魔術教会から声がかかっている。彼女は特別にオクタグラムの地下の研究施設、および魔術工房を使用することができるのだが、彼女は気になりだすとその場で没頭してしまうタイプであり、こうして夜中に自分の寮の部屋の机で作業を始めてしまうことがあるのだ。さて、そしたら何が起こるのか。
「先生…もう無理です…。」
「と言われてもなぁ…。オクタグラムの寮も割ときつきつなんだよねぇ。」
彼女の名はシャンク=タンタッタ,ロイの同居人で有名でな生徒である。彼女もロイと同じ部屋に住むことからわかる通りアイン級で、天才と呼ばれる人材であるのだが彼女は決して異常な量の魔力を持つわけでも高い技術を持つわけでもない。序列も下位であり、ぎりぎりアイン級に入れたレベルである。そのためロイに強く言いたくてもあまり言えないということもあり、彼女は我慢していたのである。しかし、それも限界を迎えたのかオクタグラムの教師に相談をしたのだった。
「ロイにも工房を積極的に使うように促しておくよ。でもあいつ人の言うこと聞かないからねぇ。」
「…。お願いします。」
あまり、真剣に説得するつもりがないことを先生の態度から察していた。シャンクはうつむき、重い足取りで寮へと向かった。ドアを開ける。もうすぐ就寝時間だというのに、ロイはいまだに作業に没頭していた。
「…。」
仕方がない、この子は本物の天才であり私が敵う相手ではない。私みたいなのがこのオクタグラムに入れただけで奇跡だったんだ。せめて、せめてこの天才の邪魔をしないことが私の役目…。そうやって自分のことを押し殺してきたシャンクであったが、この日。何かが吹っ切れた。
「ロイさん!!!」
大声が部屋に響く。さすがの大きな音にロイは振り向く。
「ん?どうした同居人ちゃん。」
「あの…あの…あの!!!」
「それ、何作ってるんですか?」
「これ?これは魔力回路短縮作成装置って言って魔道具の作成をアシストする工具みたいなものなんだ。」
「へぇ、それってどんな仕組みなんですか?」
我慢なんかしなくていい。
せっかく隣に、世界最高峰のオクタグラムの主席がいるのだ。
生活ペースが合わない?天才に追いつけない?
じゃあ追いつけばいい。彼女の秘密を暴いて、自分のものにしてやる。
ロイの同居人はその日以来彼女の魔道具制作を寝ることを忘れて見続けていた。そのせいか、彼女もだんだんと魔道具の技術が身に付き、彼女のアイン級での序列はぐいぐい上がっていった。
「あぁそうだシャンク。一つ寮の部屋が空いていたんだ。ロイっていう特殊な事例もあるから、お前をそこに移すこともできるが」
「いえ、結構です。」
「…?こりゃえらい掌返しだな。」
「考え方を変えたんです。あんなに近くに教育材料があったんです。騒音、この一言で表すにはあまりにももったいないですから。ふふ。」
シャンク=タンタッタ アイン級序列18位 属性:闇,氷
追記:複数の属性の魔力が備わっているだけで割とすごいです。こんな調子でしばらくオクタグラムの生徒を紹介したいと思います。
オクタグラムの歴史上もっとも魔力量が高いと言われているアイン級主席の超エリートである。その強さは生まれ持った魔力量の多さ、そしてたゆまぬ努力、そして…。
ボーン、バーン、ドカーン。
こんな音が寮の一室に響く。それが夜中であることが同室に住む生徒の服装からうかがえる。枕を頭に抑えて、ロイから発せられているであろう騒音を抑えようとしているがほとんど意味を成していないようである。
「これをこうして…魔力こう込めればいいのか。…あれ?狂ったな…。魔石の出力が足りない?うーん難しいなぁ。」
ロイは何やら魔道具を制作しているようで、机に向かって集中しているようだった。
ロイ=フランターの強さの一因、それはその魔道具の製作技術である。その一例として彼女の超小型の杖は魔術界を騒然とさせた魔道具である。魔力量の多さ、特殊な体質のロイ本人しか使えず、材料費だけならまだしも制作には高い技術が必要なため量産は不可能であったが、それを当人が器用に使いこなしているため魔術界では高い評価を受けている。しかしその一方、彼女の超近接的な戦い方は魔術師殺しという二つ名がつくほどに遠距離中心の魔術師にとっては不利な戦い方である。間合いを詰めて超近距離で魔術を打ち込むという破天荒な戦い方は賛否の嵐だったという。それでも高い技術を有していることに変わりはないため様々な魔術の研究施設、魔術教会から声がかかっている。彼女は特別にオクタグラムの地下の研究施設、および魔術工房を使用することができるのだが、彼女は気になりだすとその場で没頭してしまうタイプであり、こうして夜中に自分の寮の部屋の机で作業を始めてしまうことがあるのだ。さて、そしたら何が起こるのか。
「先生…もう無理です…。」
「と言われてもなぁ…。オクタグラムの寮も割ときつきつなんだよねぇ。」
彼女の名はシャンク=タンタッタ,ロイの同居人で有名でな生徒である。彼女もロイと同じ部屋に住むことからわかる通りアイン級で、天才と呼ばれる人材であるのだが彼女は決して異常な量の魔力を持つわけでも高い技術を持つわけでもない。序列も下位であり、ぎりぎりアイン級に入れたレベルである。そのためロイに強く言いたくてもあまり言えないということもあり、彼女は我慢していたのである。しかし、それも限界を迎えたのかオクタグラムの教師に相談をしたのだった。
「ロイにも工房を積極的に使うように促しておくよ。でもあいつ人の言うこと聞かないからねぇ。」
「…。お願いします。」
あまり、真剣に説得するつもりがないことを先生の態度から察していた。シャンクはうつむき、重い足取りで寮へと向かった。ドアを開ける。もうすぐ就寝時間だというのに、ロイはいまだに作業に没頭していた。
「…。」
仕方がない、この子は本物の天才であり私が敵う相手ではない。私みたいなのがこのオクタグラムに入れただけで奇跡だったんだ。せめて、せめてこの天才の邪魔をしないことが私の役目…。そうやって自分のことを押し殺してきたシャンクであったが、この日。何かが吹っ切れた。
「ロイさん!!!」
大声が部屋に響く。さすがの大きな音にロイは振り向く。
「ん?どうした同居人ちゃん。」
「あの…あの…あの!!!」
「それ、何作ってるんですか?」
「これ?これは魔力回路短縮作成装置って言って魔道具の作成をアシストする工具みたいなものなんだ。」
「へぇ、それってどんな仕組みなんですか?」
我慢なんかしなくていい。
せっかく隣に、世界最高峰のオクタグラムの主席がいるのだ。
生活ペースが合わない?天才に追いつけない?
じゃあ追いつけばいい。彼女の秘密を暴いて、自分のものにしてやる。
ロイの同居人はその日以来彼女の魔道具制作を寝ることを忘れて見続けていた。そのせいか、彼女もだんだんと魔道具の技術が身に付き、彼女のアイン級での序列はぐいぐい上がっていった。
「あぁそうだシャンク。一つ寮の部屋が空いていたんだ。ロイっていう特殊な事例もあるから、お前をそこに移すこともできるが」
「いえ、結構です。」
「…?こりゃえらい掌返しだな。」
「考え方を変えたんです。あんなに近くに教育材料があったんです。騒音、この一言で表すにはあまりにももったいないですから。ふふ。」
シャンク=タンタッタ アイン級序列18位 属性:闇,氷
追記:複数の属性の魔力が備わっているだけで割とすごいです。こんな調子でしばらくオクタグラムの生徒を紹介したいと思います。
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