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96話・灯台もと暗し

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 僕は、そのままソファの上で眠りについた。
 
「…ん …きて」

 誰かの声と、体を揺すられる感覚で、次第に意識が覚醒していく。

「お兄ちゃん、起きて!!」

 そうか、ソフィアが起こしに来てくれたのか。

「おはよう、ソフィア。」

「おはよう、お兄ちゃん。お昼の用意できたよ!!」

「そうか。ありがとうな。」

 僕は、体を起こし、ソフィアの頭を撫でてやる。

「えへへ~」

 気持ち良さそうにしていたので、少しの間撫でてやりる。

「それじゃあ、食べに行こうか?」

「うん!!」

 立ち上がり、歩きだそうとすると、

「あれ? お兄ちゃん、背伸びた?」

 立ち上がった僕に、ソフィアがそう聞いてきた。

「せ… 成長期だからな。」

 ソフィアと比べると、頭半分くらい高くなっている気がする。

「そうなの?」

「そうだよ。それより、せっかくソフィアが作ってくれたんだから、冷える前に食べに行こう!!」

 僕は、そう誤魔化しながらソフィアの背を押して、キッチンにむかった。種族が進化した事は、今の所、ソフィアにも言うつもりはない。私も、食べると言われると困るからだ。
 その後、ソフィアが作ってくれた昼御飯を食べた後、ソフィアにレイを紹介したり、ダンジョンで間合いなどの確認をしたり、晩御飯を外に食べに行ったりし、その日を過ごした。





 レイを従魔にしてから、早数日がたった。
 今では、レイとは簡単な意思疎通が取れるようになっていた。どうやって、従魔と意思疎通が取れるのか、図書館で調べると、簡単に分かった。てか、この前読んだ、従魔契約について~これであなたもモンスターテイマー~ の契約魔法陣が書かれていたページのすぐ次のページに、書かれていた。
 何でも、従魔とならスキルが無くても念話が出来るようで、普通に言葉を発すると理解できない事も、念話なら言っている事を理解出来るようだった。
 今は、ソフィアのLVも上がり、僕が前衛、ソフィアが後衛の2人パーティーでダンジョンを攻略していた。
 今日も、14階層を攻略し、キリが良かったので早めにダンジョンを出て、冒険者ギルドに来ていた。
 この前、マリヤさんにこっそり教えて貰ったが、ソフィアのランクが上がるようなのだ。規定依頼回数を達成させる為、家の下のダンジョンで採れた回復草や魔力草を納品させてた甲斐かいがあった。

「はい、これでソフィアちゃんの冒険者ランクが上がったわよ。」

「ありがとうございます、マリヤさん。ほら、ソフィアも。」

「ありがとうございます!!」

 素材の売却後、ソフィアのランクも上げて貰ったので、帰ろうとすると、

「ちょっと、待ってノーリ君。話があるんだけど、いいかしら?」

「話ですか? 大丈夫ですよ、マリヤさん。」

 僕たちは、帰るのを止め、マリヤさんの話を聞く。
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