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260話・何故?

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「あ、でも早くお父様とお母様に元気な姿をお見せしたいです!!」

 先程までの沈んだ様子から一変、とても元気よくそう言ってきた。

「ふふ、そうね。その時は、私も同行するから、安心してちょうだい。」

「はい。」

 丁度、話が終わった所で、ノーリ君が出てきた。
 私たちにいる事に一瞬驚いた後、すぐに謝ってきた。
 すぐ気にしないよう伝え、3人で、ナニーさんとアリーが待つ食堂へむかう。
 その際、エルがノーリ君の事をジーと見ていたのに気付いたが、それを温かい目で見守るだけに止め、そのままむかった。





 食堂へむかう途中も、エルマーナ様の視線を感じたので、どうかされたのかと尋ねようと思い、チラッとエルマーナ様を見てみるが、サッとグラディウスさんの後ろに隠れてしまう。
 ついでとばかりに、グラディウスさんを見ると、手を合わせ申し訳なさそうにしていた為、何も言えずに前へと向き直るが、すぐにまた視線を感じる。
 まぁ、聞いた話では、呪詛のせいで、長い間寝ていて、目が覚めて知らない男… つまり僕がいたら、警戒もするかと判断し、エルマーナ様の行動について、あまり気にしない事にした。
 食堂につくと、既に食事は運ばれており、

「あ、3人とも来たね。もう用意は出来ているから、早く座って座って!!」

 そうナニーさんが言い、皆がナニーさんの指示する場所に座った。
 ただ、その座る場所が少しおかしかった。
 僕の前の席に、グラディウスさん。その両隣に、ナニーさんとアリーさん。
 そして、僕の隣の席がエルマーナ様だった。
 何故僕がこの席なのか気にはなったが、一応今の僕は、食事を出して貰うなどの世話になっている立場なので、たぶん何かしらの理由があるのだろうと思い、この事についても気にしない事にした。

「それじゃあ、食べる前に、ノーリ君に紹介したい人がいるんだけど、今から呼んでもいいかな?」

 食事を始める前に、グラディウスさんが、そう言ってきた。





 皆が顔を洗いに行ったので、私もついていこうかと思ったが、何だか混みそうだったので、別の所で洗う事にした。
 そこへ行くと、先にそこにいた人がいたので、姿を現してから声をかける。

「おはよう、アリー。」

「!! おはようございます、ラウム様。驚かさないで下さい。」

「ごめんごめん。それで、悪いんだけど、ここで顔を洗わして貰ってもいい?」

「はい。食事の用意も終わってますし、大丈夫です。」

「ありがとう。」

 私は、ささっと顔を洗い、アリーが持って来た物で顔を拭き、皆が来る迄、食堂の方で待っていたら、ナニーが先に1人でやって来た。
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