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266話・自己紹介

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 アリーさんが厨房へと走っていった。
 どうやら、ライアさんの分をエルマーナ様に食べさせてしまったみたいだった。

「す、すみません…」

 エルマーナ様もそれに気付いたのか、謝ってくる。

「そこまで気にしないで、えっちゃん。」

「ですが、私のせいで、ライア様の朝御飯が…」

「ほらほら、そんな顔しないのよ。本当に大丈夫だから。それに、そんなに時間がかかる訳じゃないと思うから元気だして。」

 落ち込むエルマーナ様を、ナニーさんが励ます。

「はい… では、私もアリーさんの手伝いを… 「そこは私が行くから、えっちゃんは座ってて。」」

「え、ですが私のせい何ですし…」

「駄目よ。えっちゃんは、病み上がりみたいなものなんだから。じゃあ、行ってくるから、ちゃんと待っててね。」

 そう言い、ナニーさんは、アリーさんの後に続き食堂を出ていった。

「すみません…」

 ナニーさんがいなくなると、再びエルマーナ様が謝り出す。

「エル。ナニーさんもあぁ言ってくれてるんだし、もう謝る必要はないわ。」

「はい…」

「…そこまで気になるのなら、ご飯持っていく時に一緒について来て、ライアに謝ってみたらどう?」

 まだ気になっていたエルマーナ様を見て、グラディウスさんがそう提案すると、

「!? そうさせて貰います。」

 エルマーナ様は、乗り気になっていた。

「分かったわ。なら、後で私とノーリ君と… あ!!」

 グラディウスさんが、言いかける途中で、声を上げた。

「グラディウスさん、どうかしたんですか?」

「お姉様、どうかされたですか?」

 エルマーナ様と声が被ってしまう。

「いえ、そう言えば、ノーリ君の事は紹介したけど、エルの事をノーリ君にちゃんと紹介するのを忘れていたのを思い出しただけよ。」

「「!!」」

 言われてみれば、そうだった。
 エルマーナ様が目を覚ましていない間にグラディウスさんたちから話を聞いていたので、もう済んでいたものと思っていた。

「エル。ノーリ君に自己紹介しなさい。」

「わ… 分かりました。」

 そう言われたエルマーナ様は、姿勢を正し、僕の方はと向き直る為、僕も自然と姿勢を正し、エルマーナ様の方をむく。

「自己紹介がエルフの国メァーディスの第2王女のエルマーナ・メァーディスと言います。自己紹介が遅れてしまいすみません。」

 自己紹介後、突然頭を下げてくる。

「あ、いえ、頭を上げて下さい、エルマーナ様。僕は、ラウムさんの時も申しましたが、冒険者をやっています、ノーリと言います。僕の方こそ、自己紹介が遅れてしまってすみません。」

 エルマーナ様に頭を上げて貰い、僕も自己紹介し、今度は僕も頭を下げる。
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