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281話・勇気
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どうして助けたのか聞かれたので、ラウムさんにも話した内容をエルマーナさんにも伝える。
「そのような理由だったんですね。なら、この話はお姉様に内緒にしておきますね。」
「ありがと。そうして貰えると助かるよ。」
「はい。この話は、ラウムも知っているんですか?」
「うん、話しているよ。」
「そうなんですね。」
「あ!! そう言えば、ラウムさんも、この事を黙っていてくれるよう約束してくれたんだけど、そのせいで、エルマーナさんに、僕の事を黙っていてくれていたと思うから、許しくれないかな?」
「許すもなにも、その事についてラウムを責めるつもりはありません。」
「え、そうなの?」
「はい。最初から、黙っている事に対して、何かしらの理由があると思っていまし、今その理由も聞かせて頂きましたから。」
「そっか…」
僕のせいで、2人の仲が悪くならなくて、本当に良かったと思っていると、
「私たちの仲を心配してくれて、ありがとうございます。」
「!? もしかして僕、口に出してた?」
「いや、出てないですよ。」
「え、ならどうして?」
「何となくそう思ってそうな顔をしてましたから。でも、その反応だと当たってたみたいですね。」
「いや、まぁそうだけど… それより、他に聞きたい事とかない?」
何だか気恥ずかしくなってきたので、話を変える。
「ふふ… じゃあ、お言葉に甘えて、もう少しだけ質問させて貰いますね。」
そうして、もう暫くエルマーナさんの質問に答えていく。
◆
「ふぁ…」
私からの質問に答えてくれているノーリさんが、欠伸をする。
「…もしかして、私のせいで寝不足ですか?」
ふと思った事を尋ねる。
「あ、いや違うよ。えっと… あれだよあれ。そう、ちょっと、考え事があっただけだよ。」
ノーリさんは、少し慌てた様子で否定する。
「本当ですか?」
「ほ… 本当だよ。」
「そうですか…」
それがすぐ嘘だと気付くが、私の為についてくれた嘘だと思い、
「なら、少ししたら起こしますから、横になられたらどうですか?」
せめて、そう提案させて貰う。
「ここで?」
「はい。日も少しずつ上がってきて、温かくなってきましたから。」
「…なら、少しだけ横にならせて貰おうかな。」
「はい、どうぞ!!」
軽く自分の膝を叩きそっと勧めたのだが、ノーリさんは、それに気付く事なく、そこで丸まるように横になってしまった。
声をかけるか迷っていると、すぐ寝息が聞こえてきて、タイミングを逃してしまった。
「はぁ…」
大人しく待ってようかと思ったが、チラッとノーリさんを見ると、やはり少し寝にくそうに見えた為、勇気を振り絞る事にした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(年末のご挨拶)
今年も、残り僅かになりましたが、皆様は、いかがお過ごしですか?
私は、とりあえず仕事ですね…
少し早いですが、今年も大変お世話になり、ありがとうございました。
来年も、宜しくお願いします。
年始より数日間、のんびりしてから、投稿を再開しようと思ってます。
では最後に、良いお年をお迎え下さい。
「そのような理由だったんですね。なら、この話はお姉様に内緒にしておきますね。」
「ありがと。そうして貰えると助かるよ。」
「はい。この話は、ラウムも知っているんですか?」
「うん、話しているよ。」
「そうなんですね。」
「あ!! そう言えば、ラウムさんも、この事を黙っていてくれるよう約束してくれたんだけど、そのせいで、エルマーナさんに、僕の事を黙っていてくれていたと思うから、許しくれないかな?」
「許すもなにも、その事についてラウムを責めるつもりはありません。」
「え、そうなの?」
「はい。最初から、黙っている事に対して、何かしらの理由があると思っていまし、今その理由も聞かせて頂きましたから。」
「そっか…」
僕のせいで、2人の仲が悪くならなくて、本当に良かったと思っていると、
「私たちの仲を心配してくれて、ありがとうございます。」
「!? もしかして僕、口に出してた?」
「いや、出てないですよ。」
「え、ならどうして?」
「何となくそう思ってそうな顔をしてましたから。でも、その反応だと当たってたみたいですね。」
「いや、まぁそうだけど… それより、他に聞きたい事とかない?」
何だか気恥ずかしくなってきたので、話を変える。
「ふふ… じゃあ、お言葉に甘えて、もう少しだけ質問させて貰いますね。」
そうして、もう暫くエルマーナさんの質問に答えていく。
◆
「ふぁ…」
私からの質問に答えてくれているノーリさんが、欠伸をする。
「…もしかして、私のせいで寝不足ですか?」
ふと思った事を尋ねる。
「あ、いや違うよ。えっと… あれだよあれ。そう、ちょっと、考え事があっただけだよ。」
ノーリさんは、少し慌てた様子で否定する。
「本当ですか?」
「ほ… 本当だよ。」
「そうですか…」
それがすぐ嘘だと気付くが、私の為についてくれた嘘だと思い、
「なら、少ししたら起こしますから、横になられたらどうですか?」
せめて、そう提案させて貰う。
「ここで?」
「はい。日も少しずつ上がってきて、温かくなってきましたから。」
「…なら、少しだけ横にならせて貰おうかな。」
「はい、どうぞ!!」
軽く自分の膝を叩きそっと勧めたのだが、ノーリさんは、それに気付く事なく、そこで丸まるように横になってしまった。
声をかけるか迷っていると、すぐ寝息が聞こえてきて、タイミングを逃してしまった。
「はぁ…」
大人しく待ってようかと思ったが、チラッとノーリさんを見ると、やはり少し寝にくそうに見えた為、勇気を振り絞る事にした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(年末のご挨拶)
今年も、残り僅かになりましたが、皆様は、いかがお過ごしですか?
私は、とりあえず仕事ですね…
少し早いですが、今年も大変お世話になり、ありがとうございました。
来年も、宜しくお願いします。
年始より数日間、のんびりしてから、投稿を再開しようと思ってます。
では最後に、良いお年をお迎え下さい。
応援ありがとうございます!
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