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281話・勇気

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 どうして助けたのか聞かれたので、ラウムさんにも話した内容をエルマーナさんにも伝える。

「そのような理由だったんですね。なら、この話はお姉様に内緒にしておきますね。」

「ありがと。そうして貰えると助かるよ。」

「はい。この話は、ラウムも知っているんですか?」

「うん、話しているよ。」

「そうなんですね。」

「あ!! そう言えば、ラウムさんも、この事を黙っていてくれるよう約束してくれたんだけど、そのせいで、エルマーナさんに、僕の事を黙っていてくれていたと思うから、許しくれないかな?」

「許すもなにも、その事についてラウムを責めるつもりはありません。」

「え、そうなの?」

「はい。最初から、黙っている事に対して、何かしらの理由があると思っていまし、今その理由も聞かせて頂きましたから。」

「そっか…」

 僕のせいで、2人の仲が悪くならなくて、本当に良かったと思っていると、

「私たちの仲を心配してくれて、ありがとうございます。」

「!? もしかして僕、口に出してた?」

「いや、出てないですよ。」

「え、ならどうして?」

「何となくそう思ってそうな顔をしてましたから。でも、その反応だと当たってたみたいですね。」

「いや、まぁそうだけど… それより、他に聞きたい事とかない?」

 何だか気恥ずかしくなってきたので、話を変える。

「ふふ… じゃあ、お言葉に甘えて、もう少しだけ質問させて貰いますね。」

 そうして、もう暫くエルマーナさんの質問に答えていく。





「ふぁ…」

 私からの質問に答えてくれているノーリさんが、欠伸をする。

「…もしかして、私のせいで寝不足ですか?」

 ふと思った事を尋ねる。

「あ、いや違うよ。えっと… あれだよあれ。そう、ちょっと、考え事があっただけだよ。」

 ノーリさんは、少し慌てた様子で否定する。

「本当ですか?」

「ほ… 本当だよ。」

「そうですか…」

 それがすぐ嘘だと気付くが、私の為についてくれた嘘だと思い、

「なら、少ししたら起こしますから、横になられたらどうですか?」

 せめて、そう提案させて貰う。

「ここで?」

「はい。日も少しずつ上がってきて、温かくなってきましたから。」

「…なら、少しだけ横にならせて貰おうかな。」

「はい、どうぞ!!」

 軽く自分の膝を叩きそっと勧めたのだが、ノーリさんは、それに気付く事なく、そこで丸まるように横になってしまった。
 声をかけるか迷っていると、すぐ寝息が聞こえてきて、タイミングを逃してしまった。

「はぁ…」

 大人しく待ってようかと思ったが、チラッとノーリさんを見ると、やはり少し寝にくそうに見えた為、勇気を振り絞る事にした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者より(年末のご挨拶)

 今年も、残り僅かになりましたが、皆様は、いかがお過ごしですか?
 私は、とりあえず仕事ですね…
 少し早いですが、今年も大変お世話になり、ありがとうございました。
 来年も、宜しくお願いします。
 年始より数日間、のんびりしてから、投稿を再開しようと思ってます。
 では最後に、良いお年をお迎え下さい。
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