378 / 390
289話・今度は僕が
しおりを挟む
「僕って結構隠し事があるんだけど、それを言えないのって、やっぱり申し訳ないと思うんだよね。それが友達なら尚更ね。」
と言っても、友達だからと言って全てを話しすぎても、逆に相手に迷惑をかける可能性や何かに巻き込んでしまう可能性もあるから線引きは必要だけどね。
「だから、僕はもう気にしてないから、ラウムさんが気にやむ必要はないよ。」
「そっか… ノーリがそう言ってくれるなら、そう言う事にしておくわ。でも、今回の件は貸しにしておいて。」
「貸しですか?」
「えぇ、そうよ。もし私の力が必要になったらいつでも頼って頂戴。私に出来る範囲に限るけど、その時は、力を貸させて貰うわ。」
「そういう事ですか。なら、その時はお願いします。」
「えぇ、任せて。まぁでも、貸しがなくてもノーリ君にはエルを助けて貰った恩があるから、いつでも力は貸させて貰うんだけどね。」
「そ… そうですか。でも、力を借りる時は、どうやってラウムさんに連絡を取ればいいんですか?」
「その時は、エル経由で連絡を取ってくれればいいよ。」
「分かりました。」
ん? でも待てよ。
ここにいる間はいいけど、帰った後は、どうやってエルマーナさんに連絡を取ればいいんだ?
「どうかしたの?」
「あ、えっと…」
正直、どうやってエルマーナさんに連絡を取ればいいのかと聞こうとしたが、折角ラウムさんは、好意で力を貸してくれると言うのに、それすら頼りきってしまうのはどうかと思ってしまった。
だから、それくらいは、自分でどうにかやってみようと判断した。
「ん?」
「あ、いや、何でもないです。」
「そう? ならいいんだけど。あ、私からの用はこれだけだから、ひき止めてしまって悪かったわね。」
「いえ、気にしないで下さい。僕も、この件について話をしておきたかったので。」
「そう? なら、良かったわ。じゃあ、また後でね。」
「あ、ちょっと待って下さい。」
戻ろうとするラウムさんを、今度は僕がひき止める。
「ん? どうかしたの、ノーリ?」
「はい。えっと、エルマーナさんに、あれがバレてしまった事は今話したじゃないですか?」
「えぇ、そうね。それで?」
「だからラウムさんが、エルマーナさんに僕の事を隠していた件は僕の為にやったとラウムさんから話してくれませんか?」
「? 別にそれはいいけど、どうして?」
「えっと、ラウムさんとエルマーナさんは友達同士なんですよね?」
「まぁね。より正確に言えば、大親友よ。」
ラウムさんは、えっへんと胸を張りながら答える。
「そうですか。それで、話をして欲しい理由なんですが、僕のせいで2人の仲が悪くなってしまったら嫌だからです。」
「え? それが理由なの?」
「はい、そうですよ。」
と言っても、エルマーナさんが、ラウムさんに対して怒っていない事は確認済みなので、2人の仲が悪くなる事はないと思う。
と言っても、友達だからと言って全てを話しすぎても、逆に相手に迷惑をかける可能性や何かに巻き込んでしまう可能性もあるから線引きは必要だけどね。
「だから、僕はもう気にしてないから、ラウムさんが気にやむ必要はないよ。」
「そっか… ノーリがそう言ってくれるなら、そう言う事にしておくわ。でも、今回の件は貸しにしておいて。」
「貸しですか?」
「えぇ、そうよ。もし私の力が必要になったらいつでも頼って頂戴。私に出来る範囲に限るけど、その時は、力を貸させて貰うわ。」
「そういう事ですか。なら、その時はお願いします。」
「えぇ、任せて。まぁでも、貸しがなくてもノーリ君にはエルを助けて貰った恩があるから、いつでも力は貸させて貰うんだけどね。」
「そ… そうですか。でも、力を借りる時は、どうやってラウムさんに連絡を取ればいいんですか?」
「その時は、エル経由で連絡を取ってくれればいいよ。」
「分かりました。」
ん? でも待てよ。
ここにいる間はいいけど、帰った後は、どうやってエルマーナさんに連絡を取ればいいんだ?
「どうかしたの?」
「あ、えっと…」
正直、どうやってエルマーナさんに連絡を取ればいいのかと聞こうとしたが、折角ラウムさんは、好意で力を貸してくれると言うのに、それすら頼りきってしまうのはどうかと思ってしまった。
だから、それくらいは、自分でどうにかやってみようと判断した。
「ん?」
「あ、いや、何でもないです。」
「そう? ならいいんだけど。あ、私からの用はこれだけだから、ひき止めてしまって悪かったわね。」
「いえ、気にしないで下さい。僕も、この件について話をしておきたかったので。」
「そう? なら、良かったわ。じゃあ、また後でね。」
「あ、ちょっと待って下さい。」
戻ろうとするラウムさんを、今度は僕がひき止める。
「ん? どうかしたの、ノーリ?」
「はい。えっと、エルマーナさんに、あれがバレてしまった事は今話したじゃないですか?」
「えぇ、そうね。それで?」
「だからラウムさんが、エルマーナさんに僕の事を隠していた件は僕の為にやったとラウムさんから話してくれませんか?」
「? 別にそれはいいけど、どうして?」
「えっと、ラウムさんとエルマーナさんは友達同士なんですよね?」
「まぁね。より正確に言えば、大親友よ。」
ラウムさんは、えっへんと胸を張りながら答える。
「そうですか。それで、話をして欲しい理由なんですが、僕のせいで2人の仲が悪くなってしまったら嫌だからです。」
「え? それが理由なの?」
「はい、そうですよ。」
と言っても、エルマーナさんが、ラウムさんに対して怒っていない事は確認済みなので、2人の仲が悪くなる事はないと思う。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
863
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる