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第1章:第1節
主人公 加々見由奈
しおりを挟む残りの授業が終わって放課後、私は由奈のクラス[2ーB]に向かっていた。由奈の護衛でもある私はいつ何処にヴァンパイアが狙われるか分からないからだ。
「ねぇスピカ、ここ2年のクラスだよね?」
「そうですが、何か気になることでも?」
そして何故か、私の後ろに凪がついてきた。ヴァンパイアハンターである私に対して完全に警戒心ゼロだ。
(臭い消し使ってるから気付くわけないか……)
「確か転校生ってスピカともう一人いるんでしょう?」
「ええ。僕はその子といつも一緒に下校しています。」
私は由奈のホームルームが終わるまで廊下の窓側で凪と共に待つ。
そして数分後、扉が開き由奈が出てくるのを待つ。
「スーちゃん!」
一人の少女がこちらへ駆け寄ってくる。
________加々見由奈、『BLOODY PRINCE』の主人公で栖蘭学園の二年生。
身長159㎝で凪とほぼ変わらない。ゆるふわロングのミルクブラウンでつぶらな瞳、性格は心優しく包容力がある女の子。
肌白くちょっと力を入れただけで折れてしまうんじゃないかぐらい体は細い。
「スーちゃん、待った?」
女である私でさえ、羨ましく思う。
「大丈夫です。今きたところですよ。」
そう言って私は、由奈にニッコリと笑顔を見せ、目を綻びる。
ゲーム上のスピカは主人公である由奈の対応が攻略対象達と真逆で、表情が豊かになり、優しく接している。
「「「「……っ!?///」」」」
そのやりとりを見ていた女子全員、私の笑顔に釘付けになり頬や顔を真っ赤になる。
前世でも、スピカと由奈が絡む場面で表情を滅多に見せないスピカが笑顔を見せるシーンでそこにいた女子全員、頬や顔を真っ赤になり、黄色いオーラを纏っていた。
この私でさえ、スピカの笑顔はキュンとときめくほどの破壊力。
今まさに、これがあのシーンだろう…
「嘘だ…僕が男にときめくなんて……///」
「…………」
このシーンに凪はいないけどね。
「ねぇスーちゃん、その人は?」
由奈が凪に視界を捉え、私に尋ねられる。
「こちらは桃野凪。僕のクラスメートです。」
「クラスメートで、友達だよ~!」
私が凪のことを軽く自己紹介すると、凪がひょこっと私の前に出る。
「えっ!?クラスメートなんですか!?てっきり一年生かと……」
由奈が驚くのも無理はない。身長が由奈とほぼ変わらないから当然だろう。
「アハハ~後輩ニヨク言ワレルンダ~」
凪はまんざらな笑みでこう言ってるが、相当身長を気にしてるらしく、受け答えが棒読みになっている。因みに由奈に悪気はない。
「凪。こちらは僕の幼馴染の加々見由奈です」
今度は由奈のことも軽く自己紹介する。
「へぇ~スピカの幼馴染なんだ~よろしくね…………由奈ちゃん」
「スーちゃんの友達なら安心です。こちらこそよろしくお願いします…………桃野先輩」
そう言って二人は同時に手を出し、握手をする。
「……………」
二人の間にバチバチと火花がちらつかせているように見えるのは気のせいだろうか………
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