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第1章:第2節
攻略対象三人目 七海勇真
しおりを挟む…____七海勇真って、由奈の攻略対象の一人だ!
そして私は既に、昼休みにて本人と会っていた。
昼休みに図書委員をしてたのはオドオドしくひょろっとしていて、内気な性格の持ち主____七海勇真
身長は168㎝で私とほぼ変わらない。緑色の髪で顔立ちは小顔で憂いな褐色の瞳に小さな鼻立ちでどこか幼さが感じる。
由奈と同学年、栖蘭学園の二年生なのだが、このオドオドして内気な性格のせいで一年生と間違われることが多い。
さらにヴァンパイアでありながら、他の攻略対象達と違い、積極的じゃなく、むしろ主人公である由奈のことを避けていた。
(…なんていうか、勇真の吸血シーンが少なかったんだよね。)
彼の場合、由奈から出る甘い匂いに誘惑を耐えていただけで、話を進めていくうちに血が飲めないことを苦しめる七海に由奈自ら差し出し、誘惑に負けた七海は血を吸うのだ。
(まぁ、ガッツ過ぎるのは良くないな。)
うんうんと勝手に納得した私は、402号室にコンコンとノックする。
「スピカ、いらっしゃ~い。入って~」
ドアが開き、凪が出てきた。部屋に入るよう促す凪に私は、402号室に入る。
「いい香りですね。」
作りはほぼ同じで、リビングには柑橘系のアロマの香りが部屋中に漂っていた。
「あ、これ?七ちゃんの趣味なんだ~」
「な、七ちゃん……?」
…____それは、もしかして七海のことか?
ふとそんなことを考えているとガチャッと左側のドアが開き、七海勇真が姿を現した。
「……!?あ、貴方は、昼休みの、人……」
「先ほどはどうも」
挨拶すると視界に私を捉えた七海はアタフタし出す。
「あれ?知ってたの~?」
凪は大胆に表現をして首を傾げる。
「昼休みに図書室で彼と会ってます。ですが同室者はネームプレートみるまで知りませんでした。」
「そうなの~?七ちゃん?」
七海はそ、そうで、す、とオドオドしく答える。
(七ちゃんって……側から聞いたら女の子の呼び名じゃない?)
「スピカ、この子が僕の同室者、七海勇真君。後輩だよ~」
「な、七海、勇、真、です……」
七海は自己紹介もオドオドしく答えた。
「七ちゃん、この子は僕のクラスメートで友達の藤野スピカだよ~」
「藤野スピカです。出会って間もないと思いますが、質問していいですか?」
「えっ?は、はい………」
私も軽く自己紹介を済ませ、七海に質問をする。
「図書室の時もそうだったのですが……何故そんなオドオドしく喋るのですか?」
「えっ!?ぼ、ぼく、は………」
「私が怖いのですか?」
「ち、ちが…………」
「そんなにオドオドしく途切れ途切れに喋ったら、相手によって聞き取れなかったり、勘違いされますよ」
「…………っ!?」
簡単な質問のはずだったのだが、七海にとっては気難しい質問だったのか、七海はサッと立ち上がり、部屋に閉じ籠ってしまった。
その光景をみた凪はあーもう、と頭を抱える
「ダメだよスピカ。七ちゃんは、とても繊細な子なんだから~」
「……繊細過ぎるのも、どうかと思いますよ。それにあの喋り方、切らなくていいところまで言葉が切れてます。あれでは相手に全然伝わりません。」
確かにそうなんだけど、と凪はボヤく。
「僕もね~七ちゃんと初めて会った時もスピカと同じ質問したんだけど、さっきの状態になっちゃって……ずっとあの調子のままなんだ~。同室者の僕でも大変なんだよ~」
凪の表情は笑顔のままだか瞳の奥には既に諦めが出ていた。
(こりゃ七海に関しては、時間かかるかもしれない……)
凪のその姿を見て私は、心の中でハァーとため息をつく。
前世で七海は攻略済みなのだか、他の攻略対象の中で選択ミスが多く、難易度が高いキャラとされている。
「……そう言えば、忘れるところでした。」
「ん?なにが??」
重々しくなった空気の場を変えるため、凪の話に切り替えようとしたが、凪は頭の上にはてなにして首を傾げる。
「……凪、貴方がさっき話があるって言ってたじゃないですか?」
ちょっとキレ気味で凪に尋ねたら、ごめん、忘れてたと言われ、私の心の中で何かが切れそうになる。
「ちょっ、スピカ!?本当にごめんって!許してよ~」
私の殺気を感じた凪は、哀れな視線を私に向けて目をウルウルにさせる。
「…………」
凪の圧倒的な目力に私はぐぬっと口を噤んだ。
「……ハァー、仕方ないですね。今回は許しますよ。」
「ヤッター」
さっきまで悲しそうだった表情がパーッと笑顔になる。
…____は、ハメられた!
今さら思っても、仕方ないので私は改めて話があるのでしょう?と凪に尋ねた。
「うん、あるよ……」
「………??」
そう言って凪は立ち上がり、私の所に近づきしゃがみ込む。私の両腕を掴んだと思ったら…____
「きゃっ!?」
突然、体がよろみとっさに目を瞑る。
近くにあったクッションのおかげで頭打たずに済んだが………
(えっ……)
次に目を開けた時には、視界がガラリと変わっていた。
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