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第1章:第2節
悪夢とお仕置き
しおりを挟む……____最悪だ。
私は今、久しぶりの悪夢を見ていた。
……____この光景は見たくない。もう、うんざりだ!
ヴァンパイアハンターになってからは、この悪夢は見なくなりはじめ、日本に帰国した時には完全に見なくなった。
……____もう二度と、見ることはないと思ってたのに。
「あっ……あ、ああ………!!」
私の目に映る瞳には、一人の女性がうつ伏せの状態で横たわっていて、その女性のまわりには赤黒い色に染まっていた。吐き気するほど鉄臭くて、その匂いは部屋中漂っていた。
「いっ………」
その光景は当時の私にとってあまりにも衝撃で……____
「イヤァァァァァァー!!」
……____もっとも残酷な悲しい夢でもある。
※※※※※※※※※※
意識を取り戻した私は、目を覚ます。
(こ、此処は………?)
ゆっくり起き上がり、あたりを見渡せば、そこは見慣れてる私の部屋だった。
(いつの間に私は、自分の部屋にいるんだろう……)
ふと横に目をやるとミナトが私の横で寝ていた。
(えっ、なんでミナトが……)
ハッと私は昨日の出来事を思い出した。
(そ、そうだ私……凪が話あるからって、凪の部屋に行って……)
それから凪は、私を押し倒して匂い嗅がれただけでなく、首筋を噛もうと……
(……私、ミナトに助けられた。)
ヴァンパイアハンターである私がヴァンパイアであるミナトに助けられるのは、ヴァンパイアハンターとしてのプライドが許さなかった。けど……
……____もしあの時、ミナトが助けに来なかったら今頃私は凪に……
私はゾワーッと背筋を伸ばす。
「んっ…………」
ミナトが目を覚まし、私と目が合う。
「……………」
「……………」
(えっ?何この沈黙…………)
何か言うだろうと思ってたのに、互いを見つめるだけで何も発さない。シーンと静まり返り、場の空気が重々しく感じた。
(と、取り敢えず、挨拶しよう………)
「お、おはよう………」
「…………ああ」
私はミナトに挨拶したが、素っ気ない返事を返され、再び沈黙が続いてしまう。
(気まずい…………物凄く気まずいんだけど!?)
再びシーンと静まり返り、この場の空気は主に……ミナトのピリピリ感が伝わってきて、次に何発したらいいのか分からなくなる。
「…………おい!」
いつまで経っても何も発さない私に痺れを切らしたのか、ミナトは怒りを含んだ声で私にかけた。
「お前……俺に言うべきことあんじゃないのか?」
「な、何のことだか………」
剣幕な顔つきで言われ、ヴァンパイアハンターとしてのプライドが許さなかった私は惚けたフリをしたが……
「……へぇー、惚けるってか?」
ミナトは何を思ったのか、ギシッとベットの上に乗り、私の上にまたがった。
「ちょっ!?何勝手に僕の上に乗って…」
危機感を感じた私は、ミナトを押し返すがビクともしない。
「だって、お前……惚けるつもりなんだろ?」
ミナトの瞳には怒りだけでなく、情欲がギラついていて、ニヤリと悪魔のような笑みを浮かべる。私はゾクリと戦慄が走る。
「……だったら力ずくで分からせてやるよ」
「いっ……!?」
ミナトの重みがのしかかってきたと思えば、いきなり私の首筋に牙を刺し、血を吸い始める。
「ん…………んっ………」
「い、痛い……やめ………!!」
「………あ?当然だろ。お仕置きしてんだから………んっ……」
首筋にまた激痛を襲われた私はミナトに懇願したが、躊躇なく吸い続けられてしまう。
「んっ……ん………ん……」
「本当に、痛…………あっ!」
「……お前、感じてんのか?」
私の口から勝手に出た嬌声を聞いて、ミナトは一旦牙を抜いて私を見た。
「ち、違う!?感じてなんか…………!?」
「…フッ、強情な女」
ミナトは私の上でククッと喉を鳴らし、唇をペロリと舐める。私の血を舐めるミナトの姿は、いやらしいことしてないのに滑らかで男の色気を感じた。
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