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第1章:第4節
病室と心が読める院長(上)
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「んん………」
意識を取り戻した私は目を覚ます。
「此処は………」
真っ白な世界と違い、今度は白の天井に薬品の匂いがする。そして横を向けば凪が私の横で寝ていて、私の右腕には点滴が打たれていた。
「………スピカ、ちゃん」
凪が寝言で私の名前を呼ぶ。よく見ると、凪の目には涙の跡が残っていた。
(もしかして、私のために………)
凪は私のことを付きっ切りで見ててくれてたんだろう。私が目が覚めるまでずっと……
(私、生きてるんだ。)
自分の両手の平を見て、改めて実感した。
(じゃあ、あれは夢……だったのかな?)
私は一瞬そう思っていたけど夢にしては、記憶が鮮明に覚えていて……
(それにあの男の人の声、何処かで………)
夢の中で聞いた男の人の声に私は、違和感を感じていた。
ふと病室のドアがガララと引いて、一人の男の人が病室に入って来た。
「……やっと、目覚めたようだ」
そう言って、男の人は私の所に近づく。
「えっと………」
「安心しなさい、此処は病院だ。」
「びょ、病院……」
よく見ると、男の人の格好は白衣が着ていた。
「凪君が、負傷した君を背負って私の所に来たんだよ。」
「凪が、ですか……!?」
「もう少し遅れていたら君、あの世行きだったよ。」
男の人はワハハと愉快に笑う。
「………あの、そこは笑うとこなんですか?」
「笑うにも何も、あの凪君が血相変えるぐらいだからね。よほど君のことが、心配だったんだね!」
そう言って、男の人は横目で未だに寝ている凪を見つめる。
「ところで貴方は、凪を知ってるようですが?」
先程から男の人は凪君と呼んでいたので尋ねてみたら、おや、聞いてないのかね?と顎に手を撫でる。
「私はね、此処の院長で七海風雅と言うんだ。凪君の父親とは親友なんでね。」
「七海……」
七海と聞いた私はもしやと思い、男の人…風雅さんに尋ねてみた。
「風雅さんって……子供いたりしますか?」
「いるとも、息子が一人ね。」
「あの、七海勇真という生徒知ってますか?二年生で凪の同室者なんですが…」
「ああ、知ってるとも!勇真は私の息子だからね!!」
(ああ、この人七海君のお父さんなんだ。)
それを聞いた私は納得した。見た目は違うけど、雰囲気が何と無く七海君に似ていたから。
「んん…………」
ふと寝ていた凪が目を覚ました。
「…………ス、スピカちゃーん!!」
「うわっ!?」
既に目を覚ました私をみて凪は、勢いよく抱き着いた。
「心配したよ!僕を庇って、意識がなくなっちゃうし死んじゃうじゃないかと思ったよ!!」
「凪……」
私を抱きつきながら、凪は泣きじゃくっていた。
「こらこら凪君。目覚めたばかりの患者に抱きつくんじゃない!」
「風雅さん」
風雅さんは凪を宥めるように言って、凪は私の体を離した。
「事情は凪君から聞いてる。一応、解毒剤は打ってあるがまだ安心出来ないからね。四日間は入院してもらうよ。」
「はい……」
ああそれと、と風雅さんは凪に視線を向ける。
「凪君。今日は学校があるんじゃないのかね?」
「それなら大丈夫です~。寮長さんと学校に連絡しておきまし………」
「…………学校が、あるんじゃないのかね?」
「………は、はい!!!」
風雅さんの穏やかな声は一緒だったが、風雅さんから出てる黒いオーラに触れた凪は慌てて病室から出て行った。
そして凪が出て行ったことを確認した風雅さんは私の方に向けて、私の横に座った。
(風雅さんって、腹黒い人だったんだ………)
「さて、凪君が学校に行ったことだし……君にこれを渡して置こうと思ってね。」
そう言って風雅さんは、白衣のポケットからオレンジ色の瓶を渡される。
「あのこれ、なんですか?」
私は渡されたオレンジ色の瓶を見る。
(この形状、香水なのかな?でもなんで私に……香水?)
瓶の蓋の部分はスプレー型になっていたので、香水なのかなと思っていたのだが……
「へぇー、君はこれを香水だと思ってるのか。」
「…………えっ。」
風雅さんの口から香水と言う言葉を出てきたことに私は、驚いていた。
(いや確かに香水かなって思ってたけど、私……香水って口にしてないよね?してないよね!?)
心の中で慌てていたら風雅さんはアハハといきなり笑い出した。
「あ、あの……今度はなんですか?」
私は風雅さんに悟られないように平然と答える。
「藤野さん。君は面白い人だね!顔には出さないようにしてるみたいだけど、心がバレバレだよ?」
そう言われて私は、違和感を感じとる。
(ん?……"心がバレバレ"?)
「おや?気付いたようだね。君が感じてる違和感を。」
そう言った風雅さんの顔は悪戯っぽい笑みを浮かべて私を捉える。
「君に追い打ち掛けるようにしてあげよう。さっき君はわたしのことを"腹黒い人"と思ったんじゃないかね?」
「えっ……」
「それともう一つ」
図星を突かれた私は、だらだらと背中に冷や汗が流れていく。そして風雅さんは左手の人差し指を出して、決定的な言葉を発した。
「わたしがさっき渡したその瓶。君はこれを香水だと思ってるようだが、こう言えば分かるかな?…………"臭い消し"だと。」
「……っ!?」
その言葉を聞いた私は完全に硬直したのだった。
意識を取り戻した私は目を覚ます。
「此処は………」
真っ白な世界と違い、今度は白の天井に薬品の匂いがする。そして横を向けば凪が私の横で寝ていて、私の右腕には点滴が打たれていた。
「………スピカ、ちゃん」
凪が寝言で私の名前を呼ぶ。よく見ると、凪の目には涙の跡が残っていた。
(もしかして、私のために………)
凪は私のことを付きっ切りで見ててくれてたんだろう。私が目が覚めるまでずっと……
(私、生きてるんだ。)
自分の両手の平を見て、改めて実感した。
(じゃあ、あれは夢……だったのかな?)
私は一瞬そう思っていたけど夢にしては、記憶が鮮明に覚えていて……
(それにあの男の人の声、何処かで………)
夢の中で聞いた男の人の声に私は、違和感を感じていた。
ふと病室のドアがガララと引いて、一人の男の人が病室に入って来た。
「……やっと、目覚めたようだ」
そう言って、男の人は私の所に近づく。
「えっと………」
「安心しなさい、此処は病院だ。」
「びょ、病院……」
よく見ると、男の人の格好は白衣が着ていた。
「凪君が、負傷した君を背負って私の所に来たんだよ。」
「凪が、ですか……!?」
「もう少し遅れていたら君、あの世行きだったよ。」
男の人はワハハと愉快に笑う。
「………あの、そこは笑うとこなんですか?」
「笑うにも何も、あの凪君が血相変えるぐらいだからね。よほど君のことが、心配だったんだね!」
そう言って、男の人は横目で未だに寝ている凪を見つめる。
「ところで貴方は、凪を知ってるようですが?」
先程から男の人は凪君と呼んでいたので尋ねてみたら、おや、聞いてないのかね?と顎に手を撫でる。
「私はね、此処の院長で七海風雅と言うんだ。凪君の父親とは親友なんでね。」
「七海……」
七海と聞いた私はもしやと思い、男の人…風雅さんに尋ねてみた。
「風雅さんって……子供いたりしますか?」
「いるとも、息子が一人ね。」
「あの、七海勇真という生徒知ってますか?二年生で凪の同室者なんですが…」
「ああ、知ってるとも!勇真は私の息子だからね!!」
(ああ、この人七海君のお父さんなんだ。)
それを聞いた私は納得した。見た目は違うけど、雰囲気が何と無く七海君に似ていたから。
「んん…………」
ふと寝ていた凪が目を覚ました。
「…………ス、スピカちゃーん!!」
「うわっ!?」
既に目を覚ました私をみて凪は、勢いよく抱き着いた。
「心配したよ!僕を庇って、意識がなくなっちゃうし死んじゃうじゃないかと思ったよ!!」
「凪……」
私を抱きつきながら、凪は泣きじゃくっていた。
「こらこら凪君。目覚めたばかりの患者に抱きつくんじゃない!」
「風雅さん」
風雅さんは凪を宥めるように言って、凪は私の体を離した。
「事情は凪君から聞いてる。一応、解毒剤は打ってあるがまだ安心出来ないからね。四日間は入院してもらうよ。」
「はい……」
ああそれと、と風雅さんは凪に視線を向ける。
「凪君。今日は学校があるんじゃないのかね?」
「それなら大丈夫です~。寮長さんと学校に連絡しておきまし………」
「…………学校が、あるんじゃないのかね?」
「………は、はい!!!」
風雅さんの穏やかな声は一緒だったが、風雅さんから出てる黒いオーラに触れた凪は慌てて病室から出て行った。
そして凪が出て行ったことを確認した風雅さんは私の方に向けて、私の横に座った。
(風雅さんって、腹黒い人だったんだ………)
「さて、凪君が学校に行ったことだし……君にこれを渡して置こうと思ってね。」
そう言って風雅さんは、白衣のポケットからオレンジ色の瓶を渡される。
「あのこれ、なんですか?」
私は渡されたオレンジ色の瓶を見る。
(この形状、香水なのかな?でもなんで私に……香水?)
瓶の蓋の部分はスプレー型になっていたので、香水なのかなと思っていたのだが……
「へぇー、君はこれを香水だと思ってるのか。」
「…………えっ。」
風雅さんの口から香水と言う言葉を出てきたことに私は、驚いていた。
(いや確かに香水かなって思ってたけど、私……香水って口にしてないよね?してないよね!?)
心の中で慌てていたら風雅さんはアハハといきなり笑い出した。
「あ、あの……今度はなんですか?」
私は風雅さんに悟られないように平然と答える。
「藤野さん。君は面白い人だね!顔には出さないようにしてるみたいだけど、心がバレバレだよ?」
そう言われて私は、違和感を感じとる。
(ん?……"心がバレバレ"?)
「おや?気付いたようだね。君が感じてる違和感を。」
そう言った風雅さんの顔は悪戯っぽい笑みを浮かべて私を捉える。
「君に追い打ち掛けるようにしてあげよう。さっき君はわたしのことを"腹黒い人"と思ったんじゃないかね?」
「えっ……」
「それともう一つ」
図星を突かれた私は、だらだらと背中に冷や汗が流れていく。そして風雅さんは左手の人差し指を出して、決定的な言葉を発した。
「わたしがさっき渡したその瓶。君はこれを香水だと思ってるようだが、こう言えば分かるかな?…………"臭い消し"だと。」
「……っ!?」
その言葉を聞いた私は完全に硬直したのだった。
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