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第2章:第2節
スノーセイレーンと異名持つヴァンパイアハンターについて ー千夜葵sideー
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僕は藤野先輩に508号室……つまり、今僕が住んでいる部屋に上がらせて、左の部屋にて宿泊して貰っている。
(何故僕は、藤野先輩に僕の部屋へ泊まるよう言ってしまったのでしょう…………)
本来なら、隣の507号室……言わば、藤野先輩の部屋に戻ればいいのだが何故か僕は、508号室で泊まっていくように促していた。
普段の僕ならばそんなのはお構いなく、無視をしている。何かと関わるのが面倒だから。だけど僕は、吸血されてる藤野先輩を見かけた時体が勝手に動いていて、気付けば藤野先輩を助けていた。
……____というのも、あのカイトが有力候補外である"彼女"に手を出して吸血行為の最中だったからだ。
(あの時の僕は、冷静ではありませんでした…………)
藤野先輩に手を出して吸血してるカイトを見て、僕の心境は怒りに近く黒い感情が渦巻いていた。
一言で言うならば……気に入らない、だ。
昨日の藤野先輩と屋上でのやりとりのドキドキと同じく、この黒い感情は一体何なのか、僕にとって初めての感覚に戸惑いを隠しきれていなかった。
(こんなこと、今までなかったはずです…………)
頭ではそう考えながらも平然とした表情のまま、磨き終えたカップを食器棚に入れて自分の部屋に戻る。
気を紛らわすため自分の部屋に設置している本棚へ行き、その中から一冊の本を取り出す。
そしてその本を手に、ベットの近くにある椅子に腰かけて本を読み始めた。
(ふむ…………これならば、僕の気がまぎれそうですね。)
僕は何気なしにその中の本を手に取ったが、どうやら正解を選べたようで………
(本のタイトルは【セイレーンの悲哀】。僕には合わないものですが、捨てるわけにはいきません。)
僕が手にした【セイレーンの悲哀】の所持者は姉上の物であったが、その姉上から僕に譲り受けた物であったから。何でもこの本のモデルが随分前に亡くなられているヴァンパイアの王、ウォルフレッド様の妹君であるとか。
(この本に書かれているものの七割は、実際にあったものらしいですから………)
残りの三割は、この本を書いた著作者が自分なりに書き換えたのだろうと考えながらページを巡る。
ふと僕は本のタイトルを見て、ある事を思い浮かべていた。
(セイレーンと言えば最近、ヴァンパイアの世界で…あるヴァンパイアハンターの異名が話題になっていますね。)
________"スノーセイレーン"。それがそのヴァンパイアハンターの異名。
一部のものはスノーローレライと呼ばれているが、スノーセイレーンの方が人間界に住むヴァンパイアにとっては馴染みやすい異名だ。
ただ、そのヴァンパイアハンターを見たものはウォルフレッド様以外誰もいない。何故なら皆、スノーセイレーンによって殺害されてしまった……という説が流れている。
分かっていることは……そのヴァンパイアハンターには氷のような瞳を持っていて、スノーセイレーンの美しい姿に魅了するヴァンパイア達を惑わし、こちらへ誘き寄せる。時には歌声を使い、武器を使わずにヴァンパイアハンターの能力のみを使い、誘き寄せたヴァンパイアを絞め殺すということ。
(スノーの意味は雪ですが、皆敢えて氷をスノーと置き換えてるようですね。セイレーンの語源が確か……【紐を吊す】、【干上がる】、という意味のSeirazeinからきてるようですので、恐らく…氷のような瞳を持つヴァンパイアハンターは紐のようにヴァンパイアの首を絞め殺す。それを略して……"スノーセイレーン"という訳でございますか。)
僕は本を読み終えて本棚へ戻して、ベットの上に腰かけた。
(スノーセイレーン…………会って見たいものです。)
ウォルフレッド様は、スノーセイレーンを見かけたら無理に近付かずそこから立ち去れ、とヴァンパイア達に命を下ってる。勿論それは、人間界に住んでいるヴァンパイア達の配慮とも考える。スノーセイレーンは中級のヴァンパイアをも、いとも簡単に殺害しているからだ。
(他のヴァンパイアハンターならば、断固拒否します。あの強烈な匂いには耐えられません。吐き気がします。)
だが僕は、スノーセイレーンと異名を持つヴァンパイアハンターに興味を抱いていた。
(ですが、ヴァンパイア達を魅惑する程の力がお有りならば、スノーセイレーンから流れてる血は、さぞかし極上に違いないでしょうね。)
スノーセイレーンと異名を持つヴァンパイアハンターならば、あの強烈な匂いにも耐えられる……僕はベットに潜り込んで、そう考えながら眠りに就いた。
(何故僕は、藤野先輩に僕の部屋へ泊まるよう言ってしまったのでしょう…………)
本来なら、隣の507号室……言わば、藤野先輩の部屋に戻ればいいのだが何故か僕は、508号室で泊まっていくように促していた。
普段の僕ならばそんなのはお構いなく、無視をしている。何かと関わるのが面倒だから。だけど僕は、吸血されてる藤野先輩を見かけた時体が勝手に動いていて、気付けば藤野先輩を助けていた。
……____というのも、あのカイトが有力候補外である"彼女"に手を出して吸血行為の最中だったからだ。
(あの時の僕は、冷静ではありませんでした…………)
藤野先輩に手を出して吸血してるカイトを見て、僕の心境は怒りに近く黒い感情が渦巻いていた。
一言で言うならば……気に入らない、だ。
昨日の藤野先輩と屋上でのやりとりのドキドキと同じく、この黒い感情は一体何なのか、僕にとって初めての感覚に戸惑いを隠しきれていなかった。
(こんなこと、今までなかったはずです…………)
頭ではそう考えながらも平然とした表情のまま、磨き終えたカップを食器棚に入れて自分の部屋に戻る。
気を紛らわすため自分の部屋に設置している本棚へ行き、その中から一冊の本を取り出す。
そしてその本を手に、ベットの近くにある椅子に腰かけて本を読み始めた。
(ふむ…………これならば、僕の気がまぎれそうですね。)
僕は何気なしにその中の本を手に取ったが、どうやら正解を選べたようで………
(本のタイトルは【セイレーンの悲哀】。僕には合わないものですが、捨てるわけにはいきません。)
僕が手にした【セイレーンの悲哀】の所持者は姉上の物であったが、その姉上から僕に譲り受けた物であったから。何でもこの本のモデルが随分前に亡くなられているヴァンパイアの王、ウォルフレッド様の妹君であるとか。
(この本に書かれているものの七割は、実際にあったものらしいですから………)
残りの三割は、この本を書いた著作者が自分なりに書き換えたのだろうと考えながらページを巡る。
ふと僕は本のタイトルを見て、ある事を思い浮かべていた。
(セイレーンと言えば最近、ヴァンパイアの世界で…あるヴァンパイアハンターの異名が話題になっていますね。)
________"スノーセイレーン"。それがそのヴァンパイアハンターの異名。
一部のものはスノーローレライと呼ばれているが、スノーセイレーンの方が人間界に住むヴァンパイアにとっては馴染みやすい異名だ。
ただ、そのヴァンパイアハンターを見たものはウォルフレッド様以外誰もいない。何故なら皆、スノーセイレーンによって殺害されてしまった……という説が流れている。
分かっていることは……そのヴァンパイアハンターには氷のような瞳を持っていて、スノーセイレーンの美しい姿に魅了するヴァンパイア達を惑わし、こちらへ誘き寄せる。時には歌声を使い、武器を使わずにヴァンパイアハンターの能力のみを使い、誘き寄せたヴァンパイアを絞め殺すということ。
(スノーの意味は雪ですが、皆敢えて氷をスノーと置き換えてるようですね。セイレーンの語源が確か……【紐を吊す】、【干上がる】、という意味のSeirazeinからきてるようですので、恐らく…氷のような瞳を持つヴァンパイアハンターは紐のようにヴァンパイアの首を絞め殺す。それを略して……"スノーセイレーン"という訳でございますか。)
僕は本を読み終えて本棚へ戻して、ベットの上に腰かけた。
(スノーセイレーン…………会って見たいものです。)
ウォルフレッド様は、スノーセイレーンを見かけたら無理に近付かずそこから立ち去れ、とヴァンパイア達に命を下ってる。勿論それは、人間界に住んでいるヴァンパイア達の配慮とも考える。スノーセイレーンは中級のヴァンパイアをも、いとも簡単に殺害しているからだ。
(他のヴァンパイアハンターならば、断固拒否します。あの強烈な匂いには耐えられません。吐き気がします。)
だが僕は、スノーセイレーンと異名を持つヴァンパイアハンターに興味を抱いていた。
(ですが、ヴァンパイア達を魅惑する程の力がお有りならば、スノーセイレーンから流れてる血は、さぞかし極上に違いないでしょうね。)
スノーセイレーンと異名を持つヴァンパイアハンターならば、あの強烈な匂いにも耐えられる……僕はベットに潜り込んで、そう考えながら眠りに就いた。
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