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第3章:第2節
屋上で眺めていたら………(上)
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学生寮に帰って来た私は一旦部屋に戻り荷物を置いて今、屋上にてフェンスに手を置いて夕日が落ちて辺りが闇に染まる夜空や景色を眺めていた。
(白百合寮から見る屋上の景色は、紅薔薇寮から見た時と少し違う……)
紅薔薇寮は住宅街が密着していてその奥には山が目に入っていた。遠く見ることにより目の疲れも取れるし、視力の回復にも繋がる効果が得られる。ヴァンパイアハンターにとって、視力は絶対不可欠だ。
対して白百合寮は紅薔薇寮と見た時と同じく住宅街と密着して、柳原駅がある。遠く見ても住宅街ばかりで自然が一つも見当たらない。
(山が無くても遠く見るようにしてるし、ある意味日課だよね。)
私は奥側の住宅街や夜空を遠く見る。ゲーム上では由奈が一人で屋上から見える景色を眺めながら、攻略キャラ達を思い浸るのだ。
(そしてあるキャラルートの場合、一人でずっと景色を眺めてたら後ろから声かけられて……)
「随分、手の込んだやり方ですよねー」
私は前世によって得たゲームの流れを思い出しながら、屋上から見る景色を眺めていたら後ろから声がかけられる。
(そうそう、こんな風に…………っ!?)
心の中で頷きかけて聞き覚えのある声に私は顔を強張り、硬直する。恐る恐る振り返り、声の主の顔を見た。
(か、神無月……!)
私の前にいるその主…神無月を見てますます強張る。
確かにあるキャラルートではこういう風に声をかけられるのだが、それは神無月では無く、セレスだ。セレスは男でありながら女として白百合寮に住んでいるため、この白百合寮の屋上で声をかけるのはセレス、ただ一人しかいない。
何故男子禁制である白百合寮に神無月がいるのか、疑問を抱いていた。
「……ヴァンパイアが私に何か用ですか?」
神無月に悟られないように私は凍り付く声で強張った表情から威嚇するように睨み付ける。神無月はニヤリとイタズラな笑みを浮かべてこう述べた。
「イヤだなー。そういう言い方はないっしょ!せ・ん・ぱ・い?」
気のせいか分からないけど神無月の言い方には何処か余裕があり、ゾクリと鳥肌がたつ。
「来るな!!」
イタズラな笑みを浮かべたままジリジリと近付き、私は威嚇しながら神無月との距離を一定に置くように、今いる位置より左に寄せて後退りする。
「冷たいっすね。この前はそういう態度は一つも見せなかったのに……」
そう言って神無月はスゥと目を細めて私を見据える。まるで私のことを見透かしてるように……
「この前?誰かと勘違いしてるみたいだけどお互い、今日が初対面のはずよ!」
私は意味ありげな言葉を口にする神無月にとぼけたフリをした。今の私は尾野遥でヴァンパイアハンターでもある。さらに黒髪のウィッグを被っていて何よりも臭い消しは使っていないため、この姿なら"藤野スピカ"とは思わないはずだと。
「____シラを切るつもりなんですね。」
そう言った神無月の表情は真剣そのもので、いつものチャラチャラした雰囲気が無くなっていた。
その表情を見た私は石のように固まり、目が離せなくなっていた。神無月の雰囲気がガラリと変わることがあっても、真剣な表情を見たのは初めてだ。
正確には、神無月の真剣な表情は見たことがあったがそれはほんの一瞬だけ。今みたいに真剣な表情をまともに見たのは今回が初めてで………
「……____捕まえた」
「っ!?」
そう思っていたら神無月がいつの間にか私の目の前に立っていた。気付いた時には既に遅し、神無月は逃げないように両手でフェンスを掴んだ。
自分の失態に苛まれていると、フワッと私の腰を回してもう片方で私の両目を掌で覆い隠された。
「離せ!触るな!手を退け!!」
神無月の取った行動に私は必死に抵抗を試みたが、人とヴァンパイアでは力の差がありすぎてビクともしない。ならばせめて、覆い隠してる手を両手で退かそうとしたが、ガッチリしていて動かすことが出来ない。両目を覆い隠されてしまっては能力は使えない。
ヴァンパイアハンターの能力には発動条件があり、人によって発動条件が違って効力の強弱も左右する。
私の場合は、相手を見ることによって発動する効力が一番強い。勿論、気配を察知しても能力は使えるけど殺傷能力が弱いため、動きを止めることしか出来ない。
つまり、両目を神無月の手によって覆い隠されたこの状態では殺傷能力が弱い。
「匂いはツンッときますけど、こうやって覆い隠してしまえばまず能力は使えない。」
神無月の声は愉しみが含んでいた。表情は見えないが、先ほどと同じようにイタズラな笑みを浮かべているのだろう。
「俺の気が変わらない内に言っておきます。」
そう思ったのも一瞬で、神無月の喋り方が砕けた口調から少し大人びた口調へと変わって、こう述べた。
「……____心配しましたよ、"先輩"。」
(白百合寮から見る屋上の景色は、紅薔薇寮から見た時と少し違う……)
紅薔薇寮は住宅街が密着していてその奥には山が目に入っていた。遠く見ることにより目の疲れも取れるし、視力の回復にも繋がる効果が得られる。ヴァンパイアハンターにとって、視力は絶対不可欠だ。
対して白百合寮は紅薔薇寮と見た時と同じく住宅街と密着して、柳原駅がある。遠く見ても住宅街ばかりで自然が一つも見当たらない。
(山が無くても遠く見るようにしてるし、ある意味日課だよね。)
私は奥側の住宅街や夜空を遠く見る。ゲーム上では由奈が一人で屋上から見える景色を眺めながら、攻略キャラ達を思い浸るのだ。
(そしてあるキャラルートの場合、一人でずっと景色を眺めてたら後ろから声かけられて……)
「随分、手の込んだやり方ですよねー」
私は前世によって得たゲームの流れを思い出しながら、屋上から見る景色を眺めていたら後ろから声がかけられる。
(そうそう、こんな風に…………っ!?)
心の中で頷きかけて聞き覚えのある声に私は顔を強張り、硬直する。恐る恐る振り返り、声の主の顔を見た。
(か、神無月……!)
私の前にいるその主…神無月を見てますます強張る。
確かにあるキャラルートではこういう風に声をかけられるのだが、それは神無月では無く、セレスだ。セレスは男でありながら女として白百合寮に住んでいるため、この白百合寮の屋上で声をかけるのはセレス、ただ一人しかいない。
何故男子禁制である白百合寮に神無月がいるのか、疑問を抱いていた。
「……ヴァンパイアが私に何か用ですか?」
神無月に悟られないように私は凍り付く声で強張った表情から威嚇するように睨み付ける。神無月はニヤリとイタズラな笑みを浮かべてこう述べた。
「イヤだなー。そういう言い方はないっしょ!せ・ん・ぱ・い?」
気のせいか分からないけど神無月の言い方には何処か余裕があり、ゾクリと鳥肌がたつ。
「来るな!!」
イタズラな笑みを浮かべたままジリジリと近付き、私は威嚇しながら神無月との距離を一定に置くように、今いる位置より左に寄せて後退りする。
「冷たいっすね。この前はそういう態度は一つも見せなかったのに……」
そう言って神無月はスゥと目を細めて私を見据える。まるで私のことを見透かしてるように……
「この前?誰かと勘違いしてるみたいだけどお互い、今日が初対面のはずよ!」
私は意味ありげな言葉を口にする神無月にとぼけたフリをした。今の私は尾野遥でヴァンパイアハンターでもある。さらに黒髪のウィッグを被っていて何よりも臭い消しは使っていないため、この姿なら"藤野スピカ"とは思わないはずだと。
「____シラを切るつもりなんですね。」
そう言った神無月の表情は真剣そのもので、いつものチャラチャラした雰囲気が無くなっていた。
その表情を見た私は石のように固まり、目が離せなくなっていた。神無月の雰囲気がガラリと変わることがあっても、真剣な表情を見たのは初めてだ。
正確には、神無月の真剣な表情は見たことがあったがそれはほんの一瞬だけ。今みたいに真剣な表情をまともに見たのは今回が初めてで………
「……____捕まえた」
「っ!?」
そう思っていたら神無月がいつの間にか私の目の前に立っていた。気付いた時には既に遅し、神無月は逃げないように両手でフェンスを掴んだ。
自分の失態に苛まれていると、フワッと私の腰を回してもう片方で私の両目を掌で覆い隠された。
「離せ!触るな!手を退け!!」
神無月の取った行動に私は必死に抵抗を試みたが、人とヴァンパイアでは力の差がありすぎてビクともしない。ならばせめて、覆い隠してる手を両手で退かそうとしたが、ガッチリしていて動かすことが出来ない。両目を覆い隠されてしまっては能力は使えない。
ヴァンパイアハンターの能力には発動条件があり、人によって発動条件が違って効力の強弱も左右する。
私の場合は、相手を見ることによって発動する効力が一番強い。勿論、気配を察知しても能力は使えるけど殺傷能力が弱いため、動きを止めることしか出来ない。
つまり、両目を神無月の手によって覆い隠されたこの状態では殺傷能力が弱い。
「匂いはツンッときますけど、こうやって覆い隠してしまえばまず能力は使えない。」
神無月の声は愉しみが含んでいた。表情は見えないが、先ほどと同じようにイタズラな笑みを浮かべているのだろう。
「俺の気が変わらない内に言っておきます。」
そう思ったのも一瞬で、神無月の喋り方が砕けた口調から少し大人びた口調へと変わって、こう述べた。
「……____心配しましたよ、"先輩"。」
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