乙サポ ー乙女ゲームで主人公をサポートする男装女子に転生したー

紅千智

文字の大きさ
109 / 126
第3章:第4節

予想外の出来事(上)

しおりを挟む
ジェレマイアという男に遭遇して二週間経過____


「……………」


今日は祭日の為、学校がお休み。なので今日の服装はゴシックファッションを着こなして外に出ていたが、私はウキウキな気分になれず、物凄く不機嫌状態に陥っていた。



「俺の方がファッションに詳しいっす!」
「どうかしら?貴方の服装は派手だし奇抜なファッションで、好みが激しいんじゃなくて?ワタクシには似合わないジャンルだわ。見てるだけでも目がチクチクするもの!」
「………夢音セレス先輩の着てる服装の方が、俺はイタイんすけどね。」
「あら?この服装のどこが、イタイですって?」




その原因を作っているのが、私の後ろにて言い合いをしている神無月と三つ子の一人であるセレスだ。言い合いの内容は主に服装について。


(どうしてこうなった!?)


私は眉間に皺を寄せて、頭を抱えた。



※※※※※※※※※※


それは数時間前に遡る。


いつも通りの起床時間に起きた私は、今日が祭日であることを思い出して、クローゼットの所へと歩み寄る。


「ふふ~、今日は何着てこうかな?」


男として過ごしていた頃は、ゴシックファッションも出来なくはなかったが、男装ファッションには取り入れておらず__この時ショウさんからはボーイッシュ系と呼ばれていたが__、元々女である私としては"女装"はとても複雑。それに学生寮に帰宅した時に、女装姿__そう言った方がいいのかな?__を誰かに見られて男子寮に女がいると騒ぎになる恐れがあったからだ。


だが今は性別を偽ることなく__今度は名前を偽っているが__こうしてスカートを履くことが出来て、堂々とゴシックファッション__休日と祭日のみ__を纏うことが出来る。



「今日はこのコーデにしようっと!」


そう言って私はクローゼットから黒のフェミニン風ワンピースと赤ワインのタイツを取り出して、ベットの上に乗せる。


(今日はヴィッグ着けておこうかな)


寝間着に手を出して、フェミニン風ワンピースへと着替える。赤ワインのタイツを履いて私は椅子を座り、化粧をする。

そして化粧を終えた私は、机の上に乗せてある黒のヴィッグを地毛の銀髪の上にはみ出ないように乗せた。


「よし!完璧!」


意気込みを入れた私はバックを手にして部屋を出る。


「あら、何処かお出かけ?」


ふとリビングにて寛いでいたセレスが私の服装を見て尋ねる。


「ちょっと、気分転換に。」
「気分転換?その服装で?」
「そうですが、何か?」


セレスは立ち上がって、私の服装を見下ろして顎に指をかけてジッと眺める。ヴィジュアル系のファッションをしない人の大抵から見れば、こういう系統の服装は普段向けではない。


「こういうのって、ゴシックファッションって仰るのでしょう?」


セレスは難しい顔で浮かべて考える仕草を見せる。そしてセレスは何かを閃いた表情を見せて私に目を向けた。


「ワタクシも出掛けるわ!」
「えっ………」
「着替えるからちょっと待ってて!」


そう言いながらセレスはサッと自分の部屋に入っていく。暫くして部屋からセレスが出てきて私は目を見開いた。


「お待たせ!」


セレスの服装を見た私は時間が止まったかのように釘付けになる。白のロングスカートに黒のジャケット、シースルーのシャツを纏うエレガントとカジュアルのコーディネートは洗練されていて、セレス自身から放つオーラにて私は魅入っていた。


勿論"彼"が来ている服装に魅入っているのであって、彼自身に魅入っているわけではない。


「この時間帯なら電車、間に合うわね」


セレスは自身の右腕にはめているエレガントな腕時計を見る。私も腕にはめている腕時計を手のひらを上に向けて時間を見る。時刻は午前7時2分に表示されていて、七時発の『7時58分』に間に合うのは確かである。


「今日は学校もお休みですし、ワタクシがいつも行ってる所でもいいかしら?」
「?まぁ、構いませんけど。」


私自身にも特にこれと言った予定がなかったのでセレスに承諾して、玄関を出た。



※※※※※※※※※※


(ここまでは、機嫌が良かった。)


私は数時間前の出来事を振り返り、その後多留兎街に着いた私達はセレスの行きつけの店に向かっている時に偶然、奇抜なファッションを纏った神無月に声を掛けられる。セレスが神無月の服装を見てダメ出しして、今の状態になっている。



因みに神無月はセレスの服装を見てイタイと言っているのは、セレスが男だと知ってるからだ。


(私の素性がバレた時、セレスのことオカマって言っていたし……)


神無月は女好きで、女のことになると頭の回転が良くなる。女を見慣れてる神無月はセレスを見ても何の反応を示さなかった。示さないのは当然、と言うべきか。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

乙女ゲームに転生したので、推しの悲恋EDを回避します〜愛され令嬢は逆ハーはお断りです!

神城葵
恋愛
気づいたら、やり込んだ乙女ゲームのサブキャラに転生していました。 体調不良を治そうとしてくれた神様の手違いだそうです。迷惑です。 でも、スチル一枚のサブキャラのまま終わりたくないので、最萌えだった神竜王を攻略させていただきます。 ※ヒロインは親友に溺愛されます。GLではないですが、お嫌いな方はご注意下さい。 ※完結しました。ありがとうございました! ※改題しましたが、改稿はしていません。誤字は気づいたら直します。 表紙イラストはのの様に依頼しました。

1歳児天使の異世界生活!

春爛漫
ファンタジー
 夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。 ※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...