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第3章:第5節
抵抗しても抗えぬ理性と本能(中)
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(……セレス!?)
喉の痛みを堪えながら、ゆっくり後ろを振り向けばこの声の主であり、同室者でもあるセレスが腕組みをして私を哀れを含む目で見つめていた。
「毎晩夜更けに物音がするから、随分前から気になってはいたのよ。キッチンでコソコソと毎晩水を飲み干しているんですもの」
その言葉を聞いた私は既に知っていたことに驚いていたが、心情は意外にも冷静だった。身体が優れない状態ではいくら私がヴァンパイアハンターと呼ばれていても、頭の神経を研ぎ澄ますのはほぼ無に等しく、ヴァンパイアの気配を察知するのは難しいからだ。
「あの時点で声をかければ良かったのだけれど、貴女の場合……特殊なのよ。」
そう言いながらセレスはゆっくりと私のところに歩み寄る。ふとセレス自身が放っているオーラがいつもと違うことに気付いた私は本能的に危機感を感じていたが、ドアノブの取っ手を持つ力が入らず、怠くなりつつある身体を支えるのが精一杯だった。
(……こうなるんだったら、部屋を出るべきじゃなかった。)
部屋を籠もるべきだったと後悔と自身の浅はかさで頭を悩ませている内にセレスの足音は私の前でピタリと止まる。
(身体が怠くなければこの状況を、打破出来るのに……!!)
「……その様子から見て、ワタクシが来る前から発症してるようね。ワタクシが見る限りでは症状は軽い方なのかしら。普通ならば狂っててもおかしくないのに………流れている血に争えないってことね」
最後にセレスは小さな声で何かを言っていたが身体の怠さにより、今の私は頭の回転が追いつかない。そうこうしてる内にセレスは服のポケットに手を突っ込んで何かを取り出す。
「無駄話はこれぐらいにして、これを触れさせなきゃね。」
「っ!?」
そしてもう片方の手で私の腕を掴み、手に持ってる何かを触れさせた。
(固形物か………?)
今の状況はリビングの電気はつけておらず、目は暗闇に慣れているものの、セレスの手に持ってるものは何かは分からない。ただ触感はツルツルしていて形は丸い物ということだけは分かる。
「……ぐっ!!!?」
ふとそう思っていた時、突然喉に激痛が襲い、あまりの痛みに私は咄嗟に両手を首の根元に抑えて支えていた身体は、崩れるように座り込んだ。
「……っ、………!!」
「そりゃそうでしょうね。今まで溜め込んでいたんですもの。」
座り込んだままもがき苦しむ私はゆっくり顔を上げて私を眺めるセレスを睨み付けた。
「………な、に……し…………!!」
激痛を襲いながらも必死に口をパクパクと動かし、ガラガラの声で言葉を発そうとした。だがーー
「ーーー無理に声を出すと、言葉を発することが出来なくなるぞ」
セレスのドスの効いた声で私の言葉はピタリと止めた。口調が男に戻っていると言うことは、脅しているのか。
(これぐらいの脅し、何とも思わな…………)
「言っておくが、これはアンタのためでもあるんだ。あまり"オレ"を困らすな」
セレスの一人称がオレと発してるのを耳にした私はもう一度、セレスの顔を下から眺めると、セレスから宿す瞳には切なそうな訴えるような眼差しでジッと私を捉えていた。
喉の痛みを堪えながら、ゆっくり後ろを振り向けばこの声の主であり、同室者でもあるセレスが腕組みをして私を哀れを含む目で見つめていた。
「毎晩夜更けに物音がするから、随分前から気になってはいたのよ。キッチンでコソコソと毎晩水を飲み干しているんですもの」
その言葉を聞いた私は既に知っていたことに驚いていたが、心情は意外にも冷静だった。身体が優れない状態ではいくら私がヴァンパイアハンターと呼ばれていても、頭の神経を研ぎ澄ますのはほぼ無に等しく、ヴァンパイアの気配を察知するのは難しいからだ。
「あの時点で声をかければ良かったのだけれど、貴女の場合……特殊なのよ。」
そう言いながらセレスはゆっくりと私のところに歩み寄る。ふとセレス自身が放っているオーラがいつもと違うことに気付いた私は本能的に危機感を感じていたが、ドアノブの取っ手を持つ力が入らず、怠くなりつつある身体を支えるのが精一杯だった。
(……こうなるんだったら、部屋を出るべきじゃなかった。)
部屋を籠もるべきだったと後悔と自身の浅はかさで頭を悩ませている内にセレスの足音は私の前でピタリと止まる。
(身体が怠くなければこの状況を、打破出来るのに……!!)
「……その様子から見て、ワタクシが来る前から発症してるようね。ワタクシが見る限りでは症状は軽い方なのかしら。普通ならば狂っててもおかしくないのに………流れている血に争えないってことね」
最後にセレスは小さな声で何かを言っていたが身体の怠さにより、今の私は頭の回転が追いつかない。そうこうしてる内にセレスは服のポケットに手を突っ込んで何かを取り出す。
「無駄話はこれぐらいにして、これを触れさせなきゃね。」
「っ!?」
そしてもう片方の手で私の腕を掴み、手に持ってる何かを触れさせた。
(固形物か………?)
今の状況はリビングの電気はつけておらず、目は暗闇に慣れているものの、セレスの手に持ってるものは何かは分からない。ただ触感はツルツルしていて形は丸い物ということだけは分かる。
「……ぐっ!!!?」
ふとそう思っていた時、突然喉に激痛が襲い、あまりの痛みに私は咄嗟に両手を首の根元に抑えて支えていた身体は、崩れるように座り込んだ。
「……っ、………!!」
「そりゃそうでしょうね。今まで溜め込んでいたんですもの。」
座り込んだままもがき苦しむ私はゆっくり顔を上げて私を眺めるセレスを睨み付けた。
「………な、に……し…………!!」
激痛を襲いながらも必死に口をパクパクと動かし、ガラガラの声で言葉を発そうとした。だがーー
「ーーー無理に声を出すと、言葉を発することが出来なくなるぞ」
セレスのドスの効いた声で私の言葉はピタリと止めた。口調が男に戻っていると言うことは、脅しているのか。
(これぐらいの脅し、何とも思わな…………)
「言っておくが、これはアンタのためでもあるんだ。あまり"オレ"を困らすな」
セレスの一人称がオレと発してるのを耳にした私はもう一度、セレスの顔を下から眺めると、セレスから宿す瞳には切なそうな訴えるような眼差しでジッと私を捉えていた。
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