地獄の底から殺りに行きます

プリンケツ

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第6話 最終日

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ミルは能力を発動させず巨大な魔物たちに再度体を食われていた。
 先ほど体に風穴を開けた巨大な魔獣も横で順番を今か今かと待っている。
 ミルはあえて能力を発動し反撃せず、現状魔物たちに体を食べさせていた。

 理由は、単純に時間をかけてもっと能力を向上させるためだった。
 
 魔獣の初撃の角の攻撃の際は能力を発動し受け止めたが腹に風穴をあけられたミルはこれではまだまだ足りないと瞬時に判断した。
 能力の扱い以前にもっと強力な力が必要だと判断したミルはあえて魔物たちに体を食べさせている。
 こうすれば寝ていても勝手に魔物が体を引きちぎり回復に能力が作動してくれるからだ。もう感覚では全自動強化装置のようなものだった。

 「なぁ・・・言葉をしゃべれるやつはいるか?」

 ミルは魔物たちに対してダメ元で話しかける。

 「なんだ?」

 そのうち1体、猫のような形の魔物が話しかけてきた。

 「今何年ぐらいたってる?」
 「なぜ知りたい?まだまだあるぞ?」
 「そりゃ、地獄から抜けるまでの日にちぐらい知りたいだろう」

 ミルの問いかけに魔物は頭にクエスチョンマークを浮かべながら答える。

 「まぁ100年ってところか・・・まだまだあるからせいぜい黙って食われてろ」

 魔物の答えにミルは思わずほほを緩めて笑みを浮かべる。

 「まだ260年分もあるのか・・・ありがたい」

 ミルは小声でつぶやくと、そっとまぶたを閉じ眠りについた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 あの復讐を誓ったあの日からいつしか日にちを数えることもやめ、ただ耐え続ける日々にもついに終わりがやってきたようだ。

 「おいっミルついにこの日がやってきたぜ」

 そう声をかけてきた魔物はモードルと呼ばれている魔物だ。人間サイズのネズミのような見た目に体はあり得ないほど筋肉質、歯から様々な毒を出す能力を持っている。
 この魔物には会話を続けているうちにいつの間にかなつかれていた。
 まぁ360年という長い年月この地獄にいたのだからそんな魔物が1,2匹いても不思議ではない。
 途中からはなぜか仲良くなった魔物たちがミルを食べることの反対抗議まで起こしたことがあるほどだ。
 
 「今日がそうなのか?」
 「あぁ間違いない。あの方からの呼び出しもあったからな」
 「あの方?」
 「デウスさまだよ」
 「あぁ、あのくそか」

 デウスとは魔物の中でも特に力を持った66体の強力な魔物の1体でミルをこの世界に連れてきたあの巨大なケンタウロス型の魔物だ。

 モードルの後に続き少し歩くと転移門が開かれていた。
 中をくぐると赤黒く光る部屋へ転移した。

 「ずいぶんと久しぶりに感じるなぁアリンコ」

 部屋に入ると早速巨大な魔物に毒舌を吐かれながら迎えられた。
 部屋に入ると奥に椅子が設置され、そこへ続く道のわきにはデウスを含め66体の巨大な魔物たちが両脇に並んでいた。

 「あぁ、ずいぶんとひさしぶりだが、相変わらず汚らしい格好してるなデカブツ」

 ミルもすかさず悪態をつき歩み始める。
 少し進むと奥の椅子に一人の女性が現れて座った。

 「初めましてミル君、私は悪魔を統括している女王、レベッカだ」

 椅子に座った女性が口を開いた。どうやら悪魔の中でもトップの人物らしい。
 容姿は非常に整っており鼻も高く、きれいな黒髪をしており、スタイルもいい。一見するとただの人間だが、その背中には真っ黒な羽が生えている。

 「あんたが、悪魔のお偉いさんか・・・御託はいいからさっさと地上へかえしてもらいたいんだが」

 ミルがそういうと66体の魔物たちが一斉に殺気を放つ。

 「アリンコォ、口の利き方には気をつけろよぉ?」
 
 ひときわ強烈な殺気を放つデウスが警告してくる。

 「うるせぇよデカブツ、指図すんなボケ」

 隣にいるモードルが一気に青ざめ震えている。

 「殺す」

 そういうとデウスが渾身の鉄拳を放つ。

 ドゴン!

 すさまじい音と衝撃波が部屋を駆け巡る。
 だがその拳はミロの片手に阻まれた。ハエでもはたくかのように拳をはたくと逆に殺気を向ける。

 「次はねぇぞ」

 66体の魔物たちはミルが只者ではないことを理解したのかより一層警戒し殺気を放ってくる。
 
 「もういい、下がれ」

 レベッカの声がすると一瞬魔物たちの体がピクリと震えて次の瞬間には最初にいた位置にきれいに整列した。まるで軍隊の整列か何かを見せられているようだ。

 「心配しなくてもミル君にはちゃんと地上へ帰る転移門を用意しているよ。」

 ミルは少し驚いた様子でレベッカのほうへ顔を向ける。
 
 「私は少し君と話がしてみたいだけなんだ」

 そういうとレベッカは妖艶な笑みをミルへ向けた。
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