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実際、夢が醒めない限り結論の出ようがない。
――こんなとき定番の、頬をつねることさえできないんだもんなあ。
仕方なく、現実か夢か分からないまま現状確認を続けることにする。
周囲の状況は、前述の通り。あと確認すべきは、と考え。
動いてみた。
今の自分の身体たるこの機械だか何だか分からない存在の、機能を確かめるべく。
前後、動ける。左右の車輪を互い違いに動かして、回転できる。
まあプラモデルなんかの戦車の動きとして、想像できる範囲だ。
速さはやっぱり、全力でも人の速歩きとどっこいくらいか。
あと、何ができるか。
潜望鏡の出し入れ、上下伸縮。
それを引っ込め、円形のスライド口を閉じる。それでも前方の視界が開けているのは、他にカメラの類いがついていて自動に切り替わるのだろう。
音はずっと聞こえているけど水中で聞こえなかったところを見ると、水中走行時には側面か何処かについているマイクの類いに蓋がされる仕様なのか。
再び円形口を開く。颯人から聞いた装備を試してみると、レーザー砲と推定される物騒な見てくれのものがニョキリと出現した。明らかに円形の口より大きいんだけど、どうやって収納、出し入れされるものか不明だ。夢または異世界でのご都合設定なのかもしれぬ。
前方を狙う照準みたいなものが、視界に表示された。
ただ何とか念じてレーザーやら何やらを発射できないか試してみたけど、何も出ない。
――……うん、分かってた。
そこまでご都合主義じゃない、と。
しかしそうするとこの砲身、何のために存在しているものやら。颯人所有の模型に装備されていたようだから、ただそのままつけられているのか。
情けない思いで、砲身を格納する。
もう一つ、映画では存在していたという装備。マジックハンドを試してみる。細い一本ものだけど、出して使うことができた。
円形口から突き出し、肩、肘と手首に当たるかという箇所を曲げてかなり自在に動かすことができる。先端の手に当たる部分は、大昔のロボットマンガで見るような半円二つを開き閉じする格好だ。
試しに地面まで下ろしてみると、何とか小石を拾うことはできた。
しかし人の拳より大きいかという石になると、手の開きの都合で掴めない。何とか手に載せようとしても、持ち上げられない。腕力不足らしい。
つまり、足元に転がる小石やゴミを拾う程度の用途にしか適さない、ということらしい。
少し持ち上げて横に振ってみると、ピュン、と風を切る感じにそこそこ速度は出た。
しかし傍にある木の幹を叩いてみても、ほとんど傷をつけることもできない。叩く速度は出て材質はかなり硬いようなのだけど、おそらく重量が乏しいせいと思われる。
まあ華奢な見てくれだけどこのマジックハンドも車体と同様の超合金製と思われ、硬いものを叩いても壊れる感じはしない。
――でもでも、ほぼほぼ役に立たない、か。
それでも現状、ものを掴んだり何か合図のようなものを作り出したりするにはこの装備でしかあり得ないので、利用するしかない。
他に装備はないようなので、しばらく今の試行をくり返してみた。
結果、今までの三つの装備、同時に出して使うことができるのは分かった。
まあレーザー砲は役立たずで、出しても意味ないけどさ。
そんなことをしていると。
「××××」
かすかに、人声のようなものが聞こえた。
後ろの、茂みの向こうか。
そちら方向は紛れもなく、さっきあたしが落下した、その後こちらへ転がってきた元の場所、のはずだ。
何か、いるのか。
やっぱり興味は持たざるを得ず、茂みに近づき。そっと、潜望鏡を伸ばして見る。
やや高い草の上に突き出し、向こう側を覗くことができた。
そこには、人がいた。三人だ。
――こんなとき定番の、頬をつねることさえできないんだもんなあ。
仕方なく、現実か夢か分からないまま現状確認を続けることにする。
周囲の状況は、前述の通り。あと確認すべきは、と考え。
動いてみた。
今の自分の身体たるこの機械だか何だか分からない存在の、機能を確かめるべく。
前後、動ける。左右の車輪を互い違いに動かして、回転できる。
まあプラモデルなんかの戦車の動きとして、想像できる範囲だ。
速さはやっぱり、全力でも人の速歩きとどっこいくらいか。
あと、何ができるか。
潜望鏡の出し入れ、上下伸縮。
それを引っ込め、円形のスライド口を閉じる。それでも前方の視界が開けているのは、他にカメラの類いがついていて自動に切り替わるのだろう。
音はずっと聞こえているけど水中で聞こえなかったところを見ると、水中走行時には側面か何処かについているマイクの類いに蓋がされる仕様なのか。
再び円形口を開く。颯人から聞いた装備を試してみると、レーザー砲と推定される物騒な見てくれのものがニョキリと出現した。明らかに円形の口より大きいんだけど、どうやって収納、出し入れされるものか不明だ。夢または異世界でのご都合設定なのかもしれぬ。
前方を狙う照準みたいなものが、視界に表示された。
ただ何とか念じてレーザーやら何やらを発射できないか試してみたけど、何も出ない。
――……うん、分かってた。
そこまでご都合主義じゃない、と。
しかしそうするとこの砲身、何のために存在しているものやら。颯人所有の模型に装備されていたようだから、ただそのままつけられているのか。
情けない思いで、砲身を格納する。
もう一つ、映画では存在していたという装備。マジックハンドを試してみる。細い一本ものだけど、出して使うことができた。
円形口から突き出し、肩、肘と手首に当たるかという箇所を曲げてかなり自在に動かすことができる。先端の手に当たる部分は、大昔のロボットマンガで見るような半円二つを開き閉じする格好だ。
試しに地面まで下ろしてみると、何とか小石を拾うことはできた。
しかし人の拳より大きいかという石になると、手の開きの都合で掴めない。何とか手に載せようとしても、持ち上げられない。腕力不足らしい。
つまり、足元に転がる小石やゴミを拾う程度の用途にしか適さない、ということらしい。
少し持ち上げて横に振ってみると、ピュン、と風を切る感じにそこそこ速度は出た。
しかし傍にある木の幹を叩いてみても、ほとんど傷をつけることもできない。叩く速度は出て材質はかなり硬いようなのだけど、おそらく重量が乏しいせいと思われる。
まあ華奢な見てくれだけどこのマジックハンドも車体と同様の超合金製と思われ、硬いものを叩いても壊れる感じはしない。
――でもでも、ほぼほぼ役に立たない、か。
それでも現状、ものを掴んだり何か合図のようなものを作り出したりするにはこの装備でしかあり得ないので、利用するしかない。
他に装備はないようなので、しばらく今の試行をくり返してみた。
結果、今までの三つの装備、同時に出して使うことができるのは分かった。
まあレーザー砲は役立たずで、出しても意味ないけどさ。
そんなことをしていると。
「××××」
かすかに、人声のようなものが聞こえた。
後ろの、茂みの向こうか。
そちら方向は紛れもなく、さっきあたしが落下した、その後こちらへ転がってきた元の場所、のはずだ。
何か、いるのか。
やっぱり興味は持たざるを得ず、茂みに近づき。そっと、潜望鏡を伸ばして見る。
やや高い草の上に突き出し、向こう側を覗くことができた。
そこには、人がいた。三人だ。
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