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――何、あれ。
それは一見して、異様な風体だった。
一人は深緑色の衣服の上に、濃灰色のマントというのかローブというのか、ゆったりとしたものを羽織っている。髪の色は青だ。
あと二人は、白っぽい灰色の服装だが胸と肘膝などに茶色のものを当てている。腰に剣らしいものを下げ、何処かのアニメか何かで見た創造世界の剣士のようだ。髪の色はそれぞれ、緑とオレンジ色に見える。
つまるところ。
――コスプレかい。
という感慨しか持ちようがない。ふだん生きている生活圏で、そうそう出逢いそうにない外観だ。
ただテレビなどでお目にかかるそうしたコスプレイヤーたちと決定的に違うのは、その見た目の汚れ方だ。三人とも衣服のすべてがよれよれで、あちこち破れかけたり土などがこびりついたりの有様に見える。特徴的な髪色も色鮮やかではなく、汚れにくすんでいるようだ。
要するに、いかにもゲームやアニメにしか登場しないような身なりの人たちを、長旅か戦闘などの果てに薄汚れたように装わせた結果か、という感想を抱いてしまう。
――何とも、凝った夢を見せてくれているもんだね、こりゃ。
おそらくのところ、何やかやの演出でいわゆるいかにもな「異世界」と呼ばれる映像を見せようとしているらしい、この夢は――夢だとしたら。
何しろ、その三人のすぐ前にさらに決定的なものが転がっている。
それは、大きな生き物のなれの果てらしい。
三人のおそらく男性だろう人たちは、そこそこ長身らしく見える。
その前に横たわる毛むくじゃらの巨体は、おそらく直立したら男たちの身長の三倍を超えそうだ。地球上くまなく探しても、伝説の巨大熊でさえこんなに大きくはないだろう。
これもつまるところ、いかにも異世界定番の「魔物」の類いを、夢さんは用意したものらしい。
何となく熊か大猿かといった外見が予想されるけど、結論は出ない。何しろこちらに向いた頭部が完全に潰れて、真っ赤な血肉が露出している状態なんだ。
そこまで観察して、不意に気がついた。
――もしかして、あの頭部を破壊した犯人は、あたしか?
先ほど上空遥かから落下して何かに激突、破壊陥没させた感触があった。あの巨大な獣、その衝突事故の被害者なのではないか。
三人の男は、しきりとその獣の死骸と思われるものを指さし、会話を交わしている。聞いたこともない外国語のようで、まったく意味はとれない。
その男たちが獣と遭遇したのが生前か死後か分からないけど、彼らの持ち物は二人の剣の他、背に負う袋程度。周囲にも、獣を殺戮するに適う武器のようなものは見当たらない。
つまるところあの巨大な獣の頭部を跡形もなく破壊するほどの凶器は、この現在あたしの身体となっている、颯人によると推定約三キログラムの超合金製車体以外ありそうにないんだ。
かなりの上空からの落下、どれだけの速度が出ていたかは分からないけどこの重量と硬度で、まずたいていの生物表皮を貫くことは可能なんじゃないか。
――いや、あの高さからの落下で獣の頭部に命中なんて、偶然が過ぎるなんてもんじゃないけど。
可能性がゼロではなく、他に考えられないとしたら、それを真相とするしかない。
あの獣の不運度が最高限度に達していたか、何かの意志が働いていたか。はたまた、この夢の創造主のご都合主義炸裂か。
おそらくのところ確実に、不幸な衝突事故が発生したのかと思われる。
とにかくまあ、そんなすぐに結論の出ないことを考えていても仕方ない。
今比較的重要なのは、さっきからの夢の中としか思えない体験の末、ここに人間が登場したということだろう。
薄汚れたコスプレイヤーであろうが何であれ、何か話の進展につながりそうなものだ。
これがゲームであれば、「話しかけますか? YES/NO」などといった選択肢が画面に出てきて不思議がない。
しかし、ここで大きなネックとなるのが。
彼らの話す言語が理解できない。
こちらの現状は超合金模型で、発声のすべが分からない。
ということだ。
つけ加えるなら、身振り手振りで意思を伝える方法も見当たらない。もちろんこの世界の文字も分からないし、書くすべもない。
――どん詰まりやん。
それは一見して、異様な風体だった。
一人は深緑色の衣服の上に、濃灰色のマントというのかローブというのか、ゆったりとしたものを羽織っている。髪の色は青だ。
あと二人は、白っぽい灰色の服装だが胸と肘膝などに茶色のものを当てている。腰に剣らしいものを下げ、何処かのアニメか何かで見た創造世界の剣士のようだ。髪の色はそれぞれ、緑とオレンジ色に見える。
つまるところ。
――コスプレかい。
という感慨しか持ちようがない。ふだん生きている生活圏で、そうそう出逢いそうにない外観だ。
ただテレビなどでお目にかかるそうしたコスプレイヤーたちと決定的に違うのは、その見た目の汚れ方だ。三人とも衣服のすべてがよれよれで、あちこち破れかけたり土などがこびりついたりの有様に見える。特徴的な髪色も色鮮やかではなく、汚れにくすんでいるようだ。
要するに、いかにもゲームやアニメにしか登場しないような身なりの人たちを、長旅か戦闘などの果てに薄汚れたように装わせた結果か、という感想を抱いてしまう。
――何とも、凝った夢を見せてくれているもんだね、こりゃ。
おそらくのところ、何やかやの演出でいわゆるいかにもな「異世界」と呼ばれる映像を見せようとしているらしい、この夢は――夢だとしたら。
何しろ、その三人のすぐ前にさらに決定的なものが転がっている。
それは、大きな生き物のなれの果てらしい。
三人のおそらく男性だろう人たちは、そこそこ長身らしく見える。
その前に横たわる毛むくじゃらの巨体は、おそらく直立したら男たちの身長の三倍を超えそうだ。地球上くまなく探しても、伝説の巨大熊でさえこんなに大きくはないだろう。
これもつまるところ、いかにも異世界定番の「魔物」の類いを、夢さんは用意したものらしい。
何となく熊か大猿かといった外見が予想されるけど、結論は出ない。何しろこちらに向いた頭部が完全に潰れて、真っ赤な血肉が露出している状態なんだ。
そこまで観察して、不意に気がついた。
――もしかして、あの頭部を破壊した犯人は、あたしか?
先ほど上空遥かから落下して何かに激突、破壊陥没させた感触があった。あの巨大な獣、その衝突事故の被害者なのではないか。
三人の男は、しきりとその獣の死骸と思われるものを指さし、会話を交わしている。聞いたこともない外国語のようで、まったく意味はとれない。
その男たちが獣と遭遇したのが生前か死後か分からないけど、彼らの持ち物は二人の剣の他、背に負う袋程度。周囲にも、獣を殺戮するに適う武器のようなものは見当たらない。
つまるところあの巨大な獣の頭部を跡形もなく破壊するほどの凶器は、この現在あたしの身体となっている、颯人によると推定約三キログラムの超合金製車体以外ありそうにないんだ。
かなりの上空からの落下、どれだけの速度が出ていたかは分からないけどこの重量と硬度で、まずたいていの生物表皮を貫くことは可能なんじゃないか。
――いや、あの高さからの落下で獣の頭部に命中なんて、偶然が過ぎるなんてもんじゃないけど。
可能性がゼロではなく、他に考えられないとしたら、それを真相とするしかない。
あの獣の不運度が最高限度に達していたか、何かの意志が働いていたか。はたまた、この夢の創造主のご都合主義炸裂か。
おそらくのところ確実に、不幸な衝突事故が発生したのかと思われる。
とにかくまあ、そんなすぐに結論の出ないことを考えていても仕方ない。
今比較的重要なのは、さっきからの夢の中としか思えない体験の末、ここに人間が登場したということだろう。
薄汚れたコスプレイヤーであろうが何であれ、何か話の進展につながりそうなものだ。
これがゲームであれば、「話しかけますか? YES/NO」などといった選択肢が画面に出てきて不思議がない。
しかし、ここで大きなネックとなるのが。
彼らの話す言語が理解できない。
こちらの現状は超合金模型で、発声のすべが分からない。
ということだ。
つけ加えるなら、身振り手振りで意思を伝える方法も見当たらない。もちろんこの世界の文字も分からないし、書くすべもない。
――どん詰まりやん。
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