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ややしばらく、じっと辛抱を決め込んで。
時刻表示と思われる数字が16:00になったところで、ゲージ横の表記は40になっていた。
こちらは5刻みでしか表示されないらしいので正確ではないけど、およそのところ20分で20パーセント分充電、100パーセントにかかる時間は約100分と予想される。
――場所によっても違いそうだから余裕をとって、二時間充電と考えておけばいいかな。家電製品によくある仕様だし。
そんなふうに思い、あと約60分超、この体勢を続けることにする。
こんな身体だから、じっとしていて疲れたり何処か痛くなったりはしない。ただただ、退屈さが精神的に応えるだけだ。
これまでの生活の中でだったらこんなぼうっとしていたら眠気が差してきそうなものだけど、今はそんな兆しもない。この模型の身体で、睡眠は必要としないのだろうか。
――もしそうだとすると、便利というかありがたい状況かもしれない。
もし睡眠や休憩がほぼ要らず二時間程度の充電だけで済むということだとすると、ブラック企業の社畜なら泣いて喜ぶか、無間地獄に陥りそうで悲嘆するか。
まあこの身体で、社畜の代わりはできないだろうけど。
そんな下らないことを考えていると、近くでガサリという音が聞こえた。
あの三人の人間たちに見つかりそうになったら草叢に潜って隠れようと思っていたので、即座に後ろへ移動する。
そうしながら、物音の方向を見やると。見たことのない薄茶色の動物がこちらを睨んでいた。
考えごとをしていたせいで、隠れるのが間に合わなかったみたいだ。
こちらの身体が小さくなっている分、物の大きさの判断がしづらいのだけど。齧歯類ふうの小型っぽい獣に見えるものの、あちらで見た人間の半分ほどの体高がありそうだ。
――そうだ、『鑑定』
その獣を注視すると、やはり字幕が現れた。
【直角兎と呼ばれる魔獣。肉食。食用になる】
これも魔獣か。兎と言われればそんな姿形に見えなくはないけど、名前の通り額に真っ直ぐな角があり、耳は長くない。
兎の名に似合わず、動物の肉を食う。一方で人間の食用にもなる、ということらしい。
食用ということなら狩りの対象になるのかもしれないけど、そこそこの大きさで凶暴そうに見える。以前動物園で見た小熊より大きいくらいだ。こうして山の中などで遭遇したら、人間にとってなかなかの脅威だろう。
そんな他人事めいた観察をしながら、現在進行で恐怖を覚えずにいられない。
肉食というのは当然動物に対するもので、この超合金車体はその対象でないだろうとは思うものの、こちらの数倍の大きさ、一跳びで襲いかかられそうな近さなんだ。元生き物として、本能的に震えが迫り上がってくるのを抑えられない。
思っているうち、敵はひょいと造作ない跳躍。一瞬でこちらのすぐ横に来ていた。
すぐに、前足が振り下ろされる。鋭い爪が伸びているのが、間近に目に入る。
ガキッ
しっかり出入口を閉じた上面に、爪が当たる衝撃があった。
車体に傷がついたかどうかは、分からない。
ガキ、ガキ、と連続して攻撃が加えられる。
――頼むよ、超合金。映画の設定なら、どんな攻撃でも傷つかないはずだよね。
模型の亜鉛合金製というそのままが現実だとしたら、保証の限りじゃないのだけれど。理由は分からないけどこれまでの確認である程度期待してもよさそうで、今は映画の設定寄りということを願うしかない。
走って逃げようとしてもおそらく足で敵わないだろうから、ここはじっと我慢、相手が飽きるのを待つ一手と思われる。
ガキ、ガキ、ガキ、と兎野郎のちょっかいは終わらない。
それが。
突然前触れもなく止まったと思うと、ザザ、と跳躍して兎は逃げ去っていった。
助かった、と思う暇もなく、上から音声が落ちてきた。
「××××」
ちらり見上げると、白めいた色の服装。さっき向こうにいた三人のうち、騎士っぽい身なりに見えた一人だ。当然、兎はこの人を警戒したんだろう。
こちらを見下ろし、顔を近づけ、騎士は首を傾げている。
そうして身を伸ばし、
「おーーい、××××」
と、声を上げた。向こうに残っている二人に声をかけた、ということらしい。
時刻表示と思われる数字が16:00になったところで、ゲージ横の表記は40になっていた。
こちらは5刻みでしか表示されないらしいので正確ではないけど、およそのところ20分で20パーセント分充電、100パーセントにかかる時間は約100分と予想される。
――場所によっても違いそうだから余裕をとって、二時間充電と考えておけばいいかな。家電製品によくある仕様だし。
そんなふうに思い、あと約60分超、この体勢を続けることにする。
こんな身体だから、じっとしていて疲れたり何処か痛くなったりはしない。ただただ、退屈さが精神的に応えるだけだ。
これまでの生活の中でだったらこんなぼうっとしていたら眠気が差してきそうなものだけど、今はそんな兆しもない。この模型の身体で、睡眠は必要としないのだろうか。
――もしそうだとすると、便利というかありがたい状況かもしれない。
もし睡眠や休憩がほぼ要らず二時間程度の充電だけで済むということだとすると、ブラック企業の社畜なら泣いて喜ぶか、無間地獄に陥りそうで悲嘆するか。
まあこの身体で、社畜の代わりはできないだろうけど。
そんな下らないことを考えていると、近くでガサリという音が聞こえた。
あの三人の人間たちに見つかりそうになったら草叢に潜って隠れようと思っていたので、即座に後ろへ移動する。
そうしながら、物音の方向を見やると。見たことのない薄茶色の動物がこちらを睨んでいた。
考えごとをしていたせいで、隠れるのが間に合わなかったみたいだ。
こちらの身体が小さくなっている分、物の大きさの判断がしづらいのだけど。齧歯類ふうの小型っぽい獣に見えるものの、あちらで見た人間の半分ほどの体高がありそうだ。
――そうだ、『鑑定』
その獣を注視すると、やはり字幕が現れた。
【直角兎と呼ばれる魔獣。肉食。食用になる】
これも魔獣か。兎と言われればそんな姿形に見えなくはないけど、名前の通り額に真っ直ぐな角があり、耳は長くない。
兎の名に似合わず、動物の肉を食う。一方で人間の食用にもなる、ということらしい。
食用ということなら狩りの対象になるのかもしれないけど、そこそこの大きさで凶暴そうに見える。以前動物園で見た小熊より大きいくらいだ。こうして山の中などで遭遇したら、人間にとってなかなかの脅威だろう。
そんな他人事めいた観察をしながら、現在進行で恐怖を覚えずにいられない。
肉食というのは当然動物に対するもので、この超合金車体はその対象でないだろうとは思うものの、こちらの数倍の大きさ、一跳びで襲いかかられそうな近さなんだ。元生き物として、本能的に震えが迫り上がってくるのを抑えられない。
思っているうち、敵はひょいと造作ない跳躍。一瞬でこちらのすぐ横に来ていた。
すぐに、前足が振り下ろされる。鋭い爪が伸びているのが、間近に目に入る。
ガキッ
しっかり出入口を閉じた上面に、爪が当たる衝撃があった。
車体に傷がついたかどうかは、分からない。
ガキ、ガキ、と連続して攻撃が加えられる。
――頼むよ、超合金。映画の設定なら、どんな攻撃でも傷つかないはずだよね。
模型の亜鉛合金製というそのままが現実だとしたら、保証の限りじゃないのだけれど。理由は分からないけどこれまでの確認である程度期待してもよさそうで、今は映画の設定寄りということを願うしかない。
走って逃げようとしてもおそらく足で敵わないだろうから、ここはじっと我慢、相手が飽きるのを待つ一手と思われる。
ガキ、ガキ、ガキ、と兎野郎のちょっかいは終わらない。
それが。
突然前触れもなく止まったと思うと、ザザ、と跳躍して兎は逃げ去っていった。
助かった、と思う暇もなく、上から音声が落ちてきた。
「××××」
ちらり見上げると、白めいた色の服装。さっき向こうにいた三人のうち、騎士っぽい身なりに見えた一人だ。当然、兎はこの人を警戒したんだろう。
こちらを見下ろし、顔を近づけ、騎士は首を傾げている。
そうして身を伸ばし、
「おーーい、××××」
と、声を上げた。向こうに残っている二人に声をかけた、ということらしい。
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