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「この件はその後の調査を待たなければなりませんので、話を進めます。先日から報告が来始めていた件で、ティルピッツ侯爵領の南部でゴブリンの大群が目撃されたというものは、最初の村が総出でゴブリンの集落を攻撃し、根絶やしに成功したということです。またキュンツェル伯爵領の南部複数の村で呪いが広がっているという騒ぎが起きたようですが、どうも呪いの正体は感染系の病だったらしく、幸い一つの村である程度治療に成功したようです」
「うん」
「時系列的には、この後にキュンツェル伯爵領の東部で地面龍が目撃された、ということになるようです。少なくともこちらは地面龍の死骸が見つかって、人里などへの被害は未然に防がれたということになります」
「そうだね」
「あともう一件、先ほど報告が入っていました。キュンツェル伯爵領北部の農村を、ジャイアントモールという魔物の群れが襲ったというのです。奇天烈な名前で分かりにくいのですが、大きなモグラの魔物らしくそれが三十匹程度の群れで地中を進んできたようで、そのまま通過を許すと畑の作物は全滅、人家などの建物も崩壊させられるということです」
「へええ」
村人と夢会話したときも感じたんだけど、この「ジャイアントモール」という名称、やっぱり現地語でこのままの発音らしい。
日本人が聞いたら少なくとも「ジャイアント」は英語で「大きい」という意味だとほとんどに通じるだろう。プロ野球球団名にあるし、昔はプロレスラーにもそんな名前の人がいたらしいしね。ああ、パンダの名称にもくっついていたか。
一方こちらではかなり博識のエトヴィンに意味が通じていないみたいなところを見ると、この名付けが何処から来たか、どうしても気になる案件だ。
「ただこれも幸いなことに、二つ目の村に達する直前に村人たちが征伐したようです。一つ目の村が襲われた時点で領都に連絡が走り、すぐに領兵を向かわせたようなのですが、そのままでは二つ目の村の被害に間に合わないはずだった、被害が広がらずに済んで不幸中の幸いだった、とキュンツェル伯爵領から王宮に報告が入ったということです」
「そうなんだ」
「ただ不思議なことには、村人たちもどうしてそいつらを征伐できたのか分からないと言っていると。数人の者たちが赴いたところ、目の前でいつの間にか魔物たちが地中から飛び出して動けなくなっていた、ということのようなのです」
「そう……」
頷いて、王子はテーブルの上のあたしを見下ろした。
察してあたしは無言通信を繋げる。
『この件、話しちゃっていいのかな』
『いいよ』
さっきからエトヴィンの表情は、王子が話を聞いてあまり驚かないことを不審がっているみたいだ。
その辺この腹心に疑問を持たせ続けるのも得策じゃないし、この先の対策を話し合うためにもこの情報は共有していていいと思われる。
離れた側仕えたちに聞こえないようにと、王子はいくぶん声を低める。
「いや、僕があまり驚かないので不思議かもしれないけど、全部すでに聞いていたんだ。今出た件の解決すべて、このハルのしたことらしい」
「何と、そうでしたか。地面龍の件は、私も聞いていましたが」
道中の五日ごとの会話でもその後でも、薬草運搬についてなど他の件の確認が優先で、これらについては触れていなかったはずだ。
「今のジャイアントモールの件だと、村人たちより先に群れに近づいて、土魔法で魔物を掘り出し、水魔法で体内から水分を奪って動けなくした、という手順らしいよ」
「そうなのですか――水魔法で体内から――地面龍の際もその方法をとったと聞きましたが、そんなことができるのですね」
「らしいね。それからゴブリンに対しては、風魔法で足の腱を切って動けなくした、と」
「うん」
「時系列的には、この後にキュンツェル伯爵領の東部で地面龍が目撃された、ということになるようです。少なくともこちらは地面龍の死骸が見つかって、人里などへの被害は未然に防がれたということになります」
「そうだね」
「あともう一件、先ほど報告が入っていました。キュンツェル伯爵領北部の農村を、ジャイアントモールという魔物の群れが襲ったというのです。奇天烈な名前で分かりにくいのですが、大きなモグラの魔物らしくそれが三十匹程度の群れで地中を進んできたようで、そのまま通過を許すと畑の作物は全滅、人家などの建物も崩壊させられるということです」
「へええ」
村人と夢会話したときも感じたんだけど、この「ジャイアントモール」という名称、やっぱり現地語でこのままの発音らしい。
日本人が聞いたら少なくとも「ジャイアント」は英語で「大きい」という意味だとほとんどに通じるだろう。プロ野球球団名にあるし、昔はプロレスラーにもそんな名前の人がいたらしいしね。ああ、パンダの名称にもくっついていたか。
一方こちらではかなり博識のエトヴィンに意味が通じていないみたいなところを見ると、この名付けが何処から来たか、どうしても気になる案件だ。
「ただこれも幸いなことに、二つ目の村に達する直前に村人たちが征伐したようです。一つ目の村が襲われた時点で領都に連絡が走り、すぐに領兵を向かわせたようなのですが、そのままでは二つ目の村の被害に間に合わないはずだった、被害が広がらずに済んで不幸中の幸いだった、とキュンツェル伯爵領から王宮に報告が入ったということです」
「そうなんだ」
「ただ不思議なことには、村人たちもどうしてそいつらを征伐できたのか分からないと言っていると。数人の者たちが赴いたところ、目の前でいつの間にか魔物たちが地中から飛び出して動けなくなっていた、ということのようなのです」
「そう……」
頷いて、王子はテーブルの上のあたしを見下ろした。
察してあたしは無言通信を繋げる。
『この件、話しちゃっていいのかな』
『いいよ』
さっきからエトヴィンの表情は、王子が話を聞いてあまり驚かないことを不審がっているみたいだ。
その辺この腹心に疑問を持たせ続けるのも得策じゃないし、この先の対策を話し合うためにもこの情報は共有していていいと思われる。
離れた側仕えたちに聞こえないようにと、王子はいくぶん声を低める。
「いや、僕があまり驚かないので不思議かもしれないけど、全部すでに聞いていたんだ。今出た件の解決すべて、このハルのしたことらしい」
「何と、そうでしたか。地面龍の件は、私も聞いていましたが」
道中の五日ごとの会話でもその後でも、薬草運搬についてなど他の件の確認が優先で、これらについては触れていなかったはずだ。
「今のジャイアントモールの件だと、村人たちより先に群れに近づいて、土魔法で魔物を掘り出し、水魔法で体内から水分を奪って動けなくした、という手順らしいよ」
「そうなのですか――水魔法で体内から――地面龍の際もその方法をとったと聞きましたが、そんなことができるのですね」
「らしいね。それからゴブリンに対しては、風魔法で足の腱を切って動けなくした、と」
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