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第1章 プロローグ

第3話 昔の記憶 パート2

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ドウェインは、自分が養子になった頃のことを私に細かく教えてくれた。

私は少し、困惑した。初めて身内とメイド以外に話かけられたから、何を思えばいいのか分からなかった。

考えた結果、礼を言おう、辛い記憶、悲しい記憶を彼は話してくれたんだから...。




私「ありがとう...話してくれて。」

ド「いいんですよ、私は知って欲しくて話しただけですから、」クスッ









月夜にてらされたクスリと笑う彼の姿に、私は心奪われた。









シャーロット・ヴァンテリア 10歳、                          

                                   これが初めての恋だった_____
                                                                                           







1ヶ月後...

私とドウェインは、婚約が交わされた。
ヴァンヴォッシュザバード国は女は10歳、男は12歳になると結婚をしてもいいことになっている。
10歳の私は13歳離れのドウェインと結婚することになった。


2ヶ月後の結婚式に向けて準備は円滑に行われた。




2ヶ月後...


とうとう2人の結婚式の日になった。
私は白いウエディングドレスを着てヴァンヴォッシュザバード国の国花であるアネモネがドレスに散りばめられている。とても美しいウエディングドレスだ。

ド「私で、良かったのですか?」

私「うん!、あなたがいいの!」

ド「

この頃、初めての恋に私はとても浮かれていた。
1日後、こんな幸せな時間が簡単に壊れることなんて知るよしもなかった。





私「お母様!!お父様!!」

母「シャーロット!とてもよく似合うわ!」

父「ああ、とてもよく似合ってる。大きくなったなぁ!(泣き)」

母「あらあら、お父様ったら泣いちゃってまだ、式じゃないんだから!」

父「立派に育ってくれて嬉しいんだ、ありがとな」

母「そうねぇ、ここまでのびのび育ってくれてありがとね」

私「お母様、お父様、あ..りがとう」

母「こら、泣くんじゃありません!せっかくのメイクが落ちちゃうじゃないの」


それから1日かけて結婚式が行われた。



結婚式の夜___

結婚式が終わり、夜がやってきた。


ド「守ってくれますか?」

私「約束ってなにかしら?」
 
ド「私を受け入れてくれますか?」

私「受け入れる?」

私は疑問に思った。彼が何故そのような質問をしたのか、でも今なら分かる。
私はこの時、彼のことが好きだったので、「うん」と答えた。


その日彼と話したのはこれが最後だった。



翌日__


「キャーーーーーーーーー!!!!」

メイドの悲鳴で目が覚めた。

ガチャ

メイド「ハァハァ、王女様早くお逃げください。」

私「何があったの!?」

メイド「王妃様が殺されました!!」

私「なんですって!?」

タッタッタッタッタッ

私「お父様!!お母様!!」

父「近づくんじゃない!!!逃げろ!!」


目を疑う光景だった。
そこには、お母様の血だろうか血が湖のように広がっている。

血まみれのナイフを持っているのはドウェイン!?


私「ドウェインどうしてこんなことを!?」


ド「12歳の時からずっと復讐したかったんですよ王族に!」

ド「この国を作っている奴らに!」

ド「この国は間違っている!東街区は治安悪いし食べ物だって食べられないときもあるなのに北街区は住む世界が違うこんな残酷な世界俺が壊してやる」

私「ドウェイン!この国はまだ開発途上国なの!」

ド「開発途上国?知るか!」

グシャ

父「あ..あ...シャーロット..にげ...ろ」

私「お父様!!」

(どうしよう、お父様が殺されてしまう)

どうしよう、どうしよう

どうしよう___


『おい、悩んでる暇なんかねぇだろ...』


『殺すんだよ』

殺す!?人を私が!?


『他に誰がいるんだよ、お前しかいないだろ』

『俺が手を貸してやるからお前がこいつを殺すんだ』

私には、もうこれしか方法がなかった。

(お願い、殺す手伝いをして)

『了解した。その願い叶えよう』

パアアアアアアアア
手の中が小さく光った。
手にはスティック状の黒い棒が入っていた。

『振り回してみろ』


私は言われた通り振り回してみた。

すると__

私よりでかい鎌が現れた。
シャキイイイイイン!

私「えぇ!」

『こいつを使ってあいつを殺せ』

私「分かった...。」

タッ   タッ   タッ   タッ


私「ドウェイン...。」



ド「え...!」



私「死んで__」


グシャァァァ!



私「死んだ?」


ドウェインはシャーロットの大鎌で殺された。


私「お父様!」

父「ごめ..んな、シャーロット..もう..私は..生きられない」

父「お前に..言わ...なけれ..ば行け..ない..ことがある」

父「お前..には悪魔..の血が..流れて..いる」

父「お前..はもう人...を1人殺し..てしまっ..た。女王には..なれない」

父「罪人..となり..牢獄..行きに..なる..だろう」

父「だ..から、逃げ..ろ、どこ..か..遠く..へ」



父「生き..て..欲し..い、愛..し.てる」

この言葉を最後に、お父様は息を引き取った。








私は、広がる惨状から逃げ出した。

城から逃げ出した。

国から逃げ出した。






この日私は、お父様もお母様も王位も失った。

私は涙を流しながら走り続けた。

お金は部屋から持ち出していたから、持っていた。

飛行機である国に着いた。

日本という国だ。

日本という国は8歳の時訪問したことがある。

だから、日本語はだいたい話せる。

日本は海が綺麗で緑が豊かな自然な国だ。


とりあえず、首都である東京にやって来た。

ヴァンヴォッシュザバード国とは世界が違う。

1人で歩いていると、


警察「ねぇ、君ひとりかな?」

警察「日本語わかる?」

私「大丈夫ですのでご心配なく」
私は笑いながら避けて行った。
「次のニュースです。ヴァンヴォッシュザバード国のブラント国王とリリー王妃がシャーロット王女の夫であるドウェイン被告によって殺害されました。
また、ドウェイン被告は何者かによって殺害されました。警察は殺人事件として詳しく捜査を進めているそうです。次のニュースです...」

日本でもニュースとして取り上げられていた。
そうだよね、国の王様とお妃様が亡くなられたのだもの。



3日経った...。
気づけば同じところをぐるぐる回っていた

警察「同じ子だよね」

警察「親御さんいないのかな」

宛もない、お金もない、食べるものもない

こんな感じなんだろうかドウェインが言っていたことは...。

ポタッ

警察「涙流してどうしたの」

私「逃げて来たんです。」

私「詳しくは言えないけど親が殺されて日本に逃げて来たんです。」

警察「そうなんだ」

警察「あのさ、行く宛もないんだったら、孤児院に入ってみたら」

警察「君ぐらいの年の子もいっぱいいるよ!」

私は一筋の光が差したように感じた。

私「入りたい」

警察「じゃあ、行こうか」








それから、私の孤児院生活が始まった。


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