2 / 91
②契約
しおりを挟む
次の日。
スマホに登録された「沙耶」の名前を何度もタップしかけては、怖くなって閉じた。
でもいじめられたい気持ちが抑えられず、心臓が痛いほど脈打ち、震える指でLINEを送った。
《会いたいです》
送信ボタンを押した瞬間、息が詰まった。
それから数分後――既読マークがついた。
《明日の夜、20時。私の家にいらっしゃい》
待ち合わせ場所が送られてくる。
冷たいようで、支配の香りがするその文面に、下腹が疼いて仕方がなかった。
***
次の夜。
指定されたタワーマンションに着く。
言われた番号のインターホンを押すと、沙耶さんの返事と共に、すぐに電子ロックが開いた。
(引き返すなら今だ……)
そう思ったが、脚は勝手に進んでしまう。
部屋のドアを開けた瞬間、沙耶がそこにいた。
黒いレースのガウン。透ける下着と、裸足の白い脚。
「来ると思ってたわ」
沙耶は笑って、顎を指でそっと持ち上げた。
(優しく見えるその仕草のくせに、息が止まるほどゾクッとする……)
「ほら、靴を脱いで」
命令されると、身体が勝手に動く。
沙耶の後をリビングへと進むと、テーブルの上に赤い革の首輪が置かれていた。
心臓が跳ね、喉がごくりと動く。
「蓮。犬になるって、言ったわよね?」
「……はい」
「じゃあ、そこに膝をつきなさい」
カーペットの上に膝をつくと、視線がちょうど沙耶の太腿の高さになる。
脚の付け根の柔らかな影に、喉が乾いた。
「蓮……可愛いわ」
沙耶は腰をかがめ、後ろから蓮の首に手を回した。
かちゃり、と冷たい金属の留め具が首筋を這い、首輪が締まる。
――く、るしい。
でも、それ以上に……嬉しい。
「似合うわ、蓮。……私だけの犬」
沙耶は首輪をくいっと引いて、自分の顔の高さまで蓮を引き寄せた。
目が合う。沙耶の黒い瞳は、熱を孕んで濡れている。
「今から、あなたは私のものよ。何をされても、文句は言わないわね?」
「……はい」
喉が詰まりそうなのに、嬉しくて堪らなかった。
沙耶の唇が蓮の唇に触れる。
吸うように、噛むように。次第に深く、舌を絡め取られる。
「……んっ……」
熱い息が混ざり合い、沙耶の舌が蓮の口内を自在に蹂躙する。
キスだけで腰が抜けそうになり、首輪を握られていなければ倒れていた。
「可愛い声……もっと聞かせて?」
首輪をぐいと引かれた瞬間、呼吸が乱れ、声が漏れた。
「はっ……ぁ……っ」
沙耶は口角を吊り上げて笑い、蓮の顎を上に向けたまま、ゆっくりと手をシャツの中に差し込む。
冷たい指が胸板を撫で、乳首に触れる。
「っ……!」
びくっと跳ねた蓮の反応に、沙耶は楽しそうに指で転がし、軽く爪を立てた。
「んっ……あ……!」
「ねぇ、蓮……こんなに硬くして。ここだけじゃないでしょう?」
沙耶の視線が下腹に落ちる。
ジーンズ越しに突っ張るものを見られ、顔が真っ赤になった。
「脱いで。全部、見せて?」
ゆっくりと、恥ずかしさに震える手でジーンズと下着を下ろす。
硬く昂ぶったそこを沙耶に見られ、恥辱に頭が真っ白になる。
「可愛い……ほんとに犬みたいね。嬉しくておちんちんこんなに立たせちゃって」
沙耶は艶然と笑い、指先で先端をちょんと弾く。
「っ……あっ……!」
痺れるような快感が駆け上がり、腰が引けた。
「逃げないで」
沙耶は蓮の腰を片手で押さえ、もう片方の手でしごき始める。
ゆっくり、じわじわと焦らすように。
「やっ……ぁ……!」
「声、我慢しなくていいのよ? むしろ、聞かせて。私をもっと気持ちよくして?」
沙耶の目が妖しく光り、蓮の首輪をくいと引いた。
「私が許すまで、絶対に出さないで。いい?」
「……はい……」
声が震える。
けれど、首輪の鎖に引かれるたび、頭がおかしくなるほど甘い。
沙耶は片手で蓮を優しく、時にきつく扱きながら、もう片手で乳首を転がす。
「んっ……あっ……あ、ダメ……っ……!」
「ダメじゃないわ。もっと感じて。私の手で、壊れなさい」
指先が根元をぎゅっと締めた瞬間、声にならない嬌声が零れた。
「っ……あ……あああっ……!」
膝の力が抜け、その場に崩れ落ちる。
限界まで追い詰められた快感に、脳が白く染まった。
「まだよ?」
沙耶は鬼のように冷たい声でそう告げ、根元を強く締めたまま、絶頂を止める。
「……っ! ぁ……あ……」
全身が小刻みに震え、涙が滲む。
「ほら……もっとおねだりして? 私にイカせてくださいって」
「……っ……い……イカせて、ください……沙耶さん……っ……」
「いい子ね。じゃあ、ご褒美」
沙耶がゆっくり手を動かすと、堰を切ったように蓮の身体が跳ねた。
「あ……あっ……あああああっ……!」
張り詰めた欲望が一気に弾け飛び、沙耶の白い手に零れ落ちる。
「フフ……いっぱい出したわね。汚い犬」
唇に軽くキスを落とされる。
その小さな温もりに、蓮は何故か涙が止まらなかった。
スマホに登録された「沙耶」の名前を何度もタップしかけては、怖くなって閉じた。
でもいじめられたい気持ちが抑えられず、心臓が痛いほど脈打ち、震える指でLINEを送った。
《会いたいです》
送信ボタンを押した瞬間、息が詰まった。
それから数分後――既読マークがついた。
《明日の夜、20時。私の家にいらっしゃい》
待ち合わせ場所が送られてくる。
冷たいようで、支配の香りがするその文面に、下腹が疼いて仕方がなかった。
***
次の夜。
指定されたタワーマンションに着く。
言われた番号のインターホンを押すと、沙耶さんの返事と共に、すぐに電子ロックが開いた。
(引き返すなら今だ……)
そう思ったが、脚は勝手に進んでしまう。
部屋のドアを開けた瞬間、沙耶がそこにいた。
黒いレースのガウン。透ける下着と、裸足の白い脚。
「来ると思ってたわ」
沙耶は笑って、顎を指でそっと持ち上げた。
(優しく見えるその仕草のくせに、息が止まるほどゾクッとする……)
「ほら、靴を脱いで」
命令されると、身体が勝手に動く。
沙耶の後をリビングへと進むと、テーブルの上に赤い革の首輪が置かれていた。
心臓が跳ね、喉がごくりと動く。
「蓮。犬になるって、言ったわよね?」
「……はい」
「じゃあ、そこに膝をつきなさい」
カーペットの上に膝をつくと、視線がちょうど沙耶の太腿の高さになる。
脚の付け根の柔らかな影に、喉が乾いた。
「蓮……可愛いわ」
沙耶は腰をかがめ、後ろから蓮の首に手を回した。
かちゃり、と冷たい金属の留め具が首筋を這い、首輪が締まる。
――く、るしい。
でも、それ以上に……嬉しい。
「似合うわ、蓮。……私だけの犬」
沙耶は首輪をくいっと引いて、自分の顔の高さまで蓮を引き寄せた。
目が合う。沙耶の黒い瞳は、熱を孕んで濡れている。
「今から、あなたは私のものよ。何をされても、文句は言わないわね?」
「……はい」
喉が詰まりそうなのに、嬉しくて堪らなかった。
沙耶の唇が蓮の唇に触れる。
吸うように、噛むように。次第に深く、舌を絡め取られる。
「……んっ……」
熱い息が混ざり合い、沙耶の舌が蓮の口内を自在に蹂躙する。
キスだけで腰が抜けそうになり、首輪を握られていなければ倒れていた。
「可愛い声……もっと聞かせて?」
首輪をぐいと引かれた瞬間、呼吸が乱れ、声が漏れた。
「はっ……ぁ……っ」
沙耶は口角を吊り上げて笑い、蓮の顎を上に向けたまま、ゆっくりと手をシャツの中に差し込む。
冷たい指が胸板を撫で、乳首に触れる。
「っ……!」
びくっと跳ねた蓮の反応に、沙耶は楽しそうに指で転がし、軽く爪を立てた。
「んっ……あ……!」
「ねぇ、蓮……こんなに硬くして。ここだけじゃないでしょう?」
沙耶の視線が下腹に落ちる。
ジーンズ越しに突っ張るものを見られ、顔が真っ赤になった。
「脱いで。全部、見せて?」
ゆっくりと、恥ずかしさに震える手でジーンズと下着を下ろす。
硬く昂ぶったそこを沙耶に見られ、恥辱に頭が真っ白になる。
「可愛い……ほんとに犬みたいね。嬉しくておちんちんこんなに立たせちゃって」
沙耶は艶然と笑い、指先で先端をちょんと弾く。
「っ……あっ……!」
痺れるような快感が駆け上がり、腰が引けた。
「逃げないで」
沙耶は蓮の腰を片手で押さえ、もう片方の手でしごき始める。
ゆっくり、じわじわと焦らすように。
「やっ……ぁ……!」
「声、我慢しなくていいのよ? むしろ、聞かせて。私をもっと気持ちよくして?」
沙耶の目が妖しく光り、蓮の首輪をくいと引いた。
「私が許すまで、絶対に出さないで。いい?」
「……はい……」
声が震える。
けれど、首輪の鎖に引かれるたび、頭がおかしくなるほど甘い。
沙耶は片手で蓮を優しく、時にきつく扱きながら、もう片手で乳首を転がす。
「んっ……あっ……あ、ダメ……っ……!」
「ダメじゃないわ。もっと感じて。私の手で、壊れなさい」
指先が根元をぎゅっと締めた瞬間、声にならない嬌声が零れた。
「っ……あ……あああっ……!」
膝の力が抜け、その場に崩れ落ちる。
限界まで追い詰められた快感に、脳が白く染まった。
「まだよ?」
沙耶は鬼のように冷たい声でそう告げ、根元を強く締めたまま、絶頂を止める。
「……っ! ぁ……あ……」
全身が小刻みに震え、涙が滲む。
「ほら……もっとおねだりして? 私にイカせてくださいって」
「……っ……い……イカせて、ください……沙耶さん……っ……」
「いい子ね。じゃあ、ご褒美」
沙耶がゆっくり手を動かすと、堰を切ったように蓮の身体が跳ねた。
「あ……あっ……あああああっ……!」
張り詰めた欲望が一気に弾け飛び、沙耶の白い手に零れ落ちる。
「フフ……いっぱい出したわね。汚い犬」
唇に軽くキスを落とされる。
その小さな温もりに、蓮は何故か涙が止まらなかった。
0
あなたにおすすめの小説
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる