日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ

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14.蒼き時代の幕開け

抑止という名の刃

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1942年(昭和17年)9月30日
東京・帝国大学 医療研究棟 特別会見室

全国放送のカメラが静かに回る中、壇上にはただ一人、白衣を羽織った少年の姿が立っていた。
蒼月レイ。
彼の前には、厳重に封が施された一枚の文書が置かれていた。

「本日、我が国は世界に対し、一つの重要な事実を公開します」

カメラの奥、息を呑む記者たち。

「我が国、日本は現在、“核分裂反応を用いた新型爆弾”を保有しております。
すでに試作型は実験段階を終え、実戦配備可能な水準にあります」

場内に、凍りつくような沈黙が走った。

「この兵器は、決して“使用”のためのものではありません。
あくまでも、“抑止”と“秩序の維持”のため――」

彼は一瞬言葉を切り、真っ直ぐカメラを見据えた。

「我々は、もう二度と不平等な講和を強いられることはありません。」



同時刻・ワシントンD.C.
アメリカ国防省地下戦略会議室

「……まさか、本当に核を完成させていたとは」

ルーズベルト政権内の軍事顧問たちが、レイの声明を見つめていた。

「我が国よりも早く……?」

「いえ。理論的には我々が先です。だが“実行”したのは彼らです。
あの少年は、“抑止”の定義すら塗り替えた」

ルーズベルトはしばらく黙っていたが、やがてこう呟いた。

「本物だな、彼は。いま我々は、“新たな世界の均衡”を見せつけられている」



東京・首相官邸 地下会議室

「これで、アメリカとの軍事的同盟交渉は優位に進められるでしょう」

近衛文麿が、蒼月レイに静かに言った。

「核という“最後のカード”を切ってしまったが、大丈夫か?」

レイは、深く頷いた。

「大丈夫です。“信頼”と“恐怖”の両輪で、秩序は成り立つ。
そして我々は、それを最初から“誓い”として示している。
使わぬために持つ――それが、この時代の覇道です」



ベルリン・総統官邸

ヒトラーは吠えていた。

「本当に核を完成させただと!? 極東の島国が、我々よりも先に……!」

SS将校のひとりが低く囁いた。

「……総統、日本はもはや“従属国”ではありません。彼らは、枢軸の外に新たな秩序を築き始めています」

「認めぬぞ……絶対に認めん……!!」



同日夜。レイはノートにこう書き記していた。

「力を持つ者が支配するのではない。力を持つ者が“使わないと誓う”とき、初めて世界は均衡する」

その筆跡は、やがてひとつの章題となって浮かび上がった。

『核による平和』
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