日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ

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14.蒼き時代の幕開け

黎明の対話

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1942年(昭和17年)10月5日
東京・帝国大学 医療研究棟・特別会議室

――その会議は、夜に開かれた。
それは、記者も入れず、閣僚も限られ、ただ“未来を担う者たち”だけが集った静かな会合だった。

出席者は、蒼月レイ、近衛文麿、吉田茂、そして――
「まさか、本当に来日されるとは思いませんでした」
レイが立ち上がり、深く一礼した。
「私はかつて、この国から逃れた。しかし今、“あなた”が示したものは、もはや私の知る日本ではない」

白髪の男は、穏やかな笑みを浮かべていた。
アルベルト・アインシュタイン――科学と倫理の象徴であり、今やレイの提案する「秩序の未来」に関心を寄せる最大の賓客だった。

「私は戦争を止めたい。そのために核という“悪魔の知恵”に手を貸していたが、君はそれを“理性の枷”として使おうとしている。それこそ核の正しい使い方だ」

レイは静かに頷く。
「世界は、武力ではなく“構造”で縛られるべきです。
核は使わずとも、使わせないために存在させる。それが僕の提案する“非戦の枠組み”です」

アインシュタインは一枚の書簡を差し出した。
「これは、私がアメリカ政府に送る覚書案だ。“君の構想は、理論として機能する可能性がある”と明記するつもりだ」

吉田茂がそれを受け取り、目を通した後、小さく息を漏らした。
「これが世界に出れば、アメリカの保守派も動揺するだろうな。だが同時に、“新しいルール”を模索する者たちの支えになる」

近衛も静かに語った。
「日本が核を持った今、世界の重心は動いた。だが、動かすだけでは不十分だ。君が“導く”必要がある」

レイは言った。
「導くのではありません。僕は“道そのもの”を示すだけです」



翌朝。
帝国大学の講堂には、国際記者団が集まっていた。

「本日の声明は、“新たな秩序構築の原則”についてです」

レイはマイクに向かい、原稿も見ず、言葉を紡いだ。
「我々は、暴力による支配ではなく、共有された未来像によって秩序を築くべきです。
日本はこれから、“信頼される国”を目指します。核兵器は抑止であり、決して使用の道具ではありません。
そして、敵味方の区別ではなく、“人類としての協調”を前提とした外交を進めます」



放送は世界中に中継された。
翌日のニューヨーク・タイムズはこう報じた。

「14歳の日本人少年が語る“核なき支配”に、世界が耳を傾けている」

ベルリンではヒトラーが無言で新聞を破り捨て、
モスクワではスターリンが“やっかいな駒が生まれた”とつぶやいた。

しかし――
ロンドン、カイロ、ニューデリー、リオ、そしてワシントン。
どの首脳陣も、すでに“彼”の名を避けて通れぬものとして記録に刻んでいた。

蒼月レイ。
秩序の名の下に世界を変えようとする、唯一無二の存在として。
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