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第0章『プロローグ』
中央神殿
しおりを挟む「…と、いうことで、」
「はいはぁーい」
「…お前、ちゃんと聞いてただろうな?」
「聞いてたよ。…ただ、…面倒だなぁーって」
「…また抜け出すなよ?」
黒輝。中央神殿神護使。神護使とは、神を護るために傍にいる存在である。しかし、黒輝は短気で喧嘩っ早いのがたまにキズなところがある。
そして、華雫国神である、白姫。平和主義だが、時に身を任せる派なので戦争が起こっている今でも、特に干渉せず、人間や妖怪達の好きにさせている。それゆえ、正反対の性格である黒輝にはいつも叱られっぱなしで、他の妖怪達に黒輝は陰壁と呼ばれているが、黒輝は一応白姫を絶対的存在としているので、白姫を悪く言ったり裏切るようなことをすると、容赦なく消滅させる。この2人は誰よりも密接な関係と自他共に認識されている。
「我慢しろよ?もうじきアイツら来るんだから、それまでは絶対に神殿から出るなよ?いいな!?」
「は~い…」
まぁ中央神殿では毎日のようにこういう会話が繰り返されているのである。
ー数日後ー
月に一度、中央神殿に北方・東方・西方の全16人の聖獣が一同に集まる時がある。その時は基本自他の近況などを報告しあい、これからのことなどを白姫と黒輝の前で話し合う。そして毎回必ず全員が頭を悩ます話題となっているのが、南方無法地帯のことである。
「また南方の奴らが暴れたんやって?」
「あぁ。それもウチで人間100人斬り」
「酷ぇな…」
「おかけでウチはてんやわんや。人間が妖怪に向ける憎悪や恐怖の目も増えたし、戦いも激しくなった」
「東はガラ悪いのいっぱいいるしね」
「南にいれなくなった奴らが流れてくるからしょうがないんだよ」
「どうするのが1番いいのかな?」
「………」
「…白姫様、何かない?」
「知らない」
「…そう言うと思ったよ」
「お前らの好きにすればいいんじゃねぇか?俺だったら問答無用で言うこときかすけどな」
「そんな簡単な話じゃないんだよ。大体、人間と妖怪が平和に共存できることを目的にしてるのに、その前に南方の奴らを問答無用にしちゃったら、更に反感かうだろ」
「冗談に決まってんだろー?」
「アンタの冗談は冗談に聞こえないんだよ。ってか南方を無法地帯って言うけど、アンタが1番危険だからね」
「んなことねぇだろうが」
「あるから言ってんでしょ。…もう南方のことを考えるのはやめなさい。その時その時に臨機応変に対処するのが結局1番いいから。それより今はどうやったら戦いが1番いい形で終われるのかを考えなさい」
「…って、言われてもなぁ…、終わる気がしないんだよなぁ…。最近ますますそう思ってきた」
「そんな考えじゃダメだろ」
「…でも、現状を考えるとそう思っちゃうのも仕方ないよね。今の争い…ゴールがないから」
「戦いなんて、起こらなきゃ良かったんだけど…」
「…良くも悪くも、人間にも妖怪にも、欲があって感情があって記憶がある。それがある限り、戦いは…終わらない」
「守りたいものがあるとき、生物は何でも正当化しようとするしね」
「…人間と妖怪が何事もなく平和に共存なんて…、…実質無理なのかもしれんね…」
「………」
「…なんで今日はそんな後ろ向きなんだよ。諦めんのか?」
「諦めないけど…、…諦めたくないけど…」
「………」
「…」
「…、おいハク!何とかしろよ!このままじゃよくねぇだろ!?」
「…んー…じゃあ…今日は終わり!」
「えっ?」
「お前何言って…」
「だから、今回の会議はもう終わり。全員が下がっている気分の中で何話しても良いことなんて1つも出ないよ。答えは急がなきゃいけないけど焦る必要はない。もう何百年も前から争いは始まってるの。そんな時間も経っていない話し合いだけで解決しようとしても出来るわけないのよ。現状をちゃんと見極めながら、時間をかけてゆっくり話し合えばいい。こんな、全員が前だけを向けてない状況で結論は決めるべきじゃない。そんな状態で決めるぐらいなら、先延ばしにした方がマシ」
「…」
「…本当お前、たまに良いこと言うよな」
「たまにって何(-_-#)」
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