聖獣の絆

モカココ

文字の大きさ
5 / 6
第0章『プロローグ』

藍鳶と白姫

しおりを挟む

「………」

「難しい顔してどうしたの?」
「えっ?あ、あー…考えてたんです。さっき皆が言ってたことを…。…あの時、皆の頭の中で色んなことが浮かんだと思います。それを考えると…、…、やっぱり、共存はそんな簡単なことじゃない…。分かってたことなんですけど…、リョカクさんの言葉で、正直、俺の頭の中にも“無理”っていう2文字が浮かびました…」
「…」

「………白姫様なら、どうしますか?」
「え?」
「白姫様がもし、俺達の立場だったら…どうしますか?」

「あー…そういう風には考えたことなかったな…。…えーっと…そうだねぇ…、…んー…、…やっぱり私はそういう立場でも、時の流れに身を任せるんじゃないかなぁ…。どんなに頑張っても、その時じゃなきゃ変わらないことって沢山あると思うし。…私は、今出来ることを精一杯やろうとするかな。先の答えが見つからない時は特に。急いだって仕方ないし、やりたいことややれることを精一杯やってればいつか答えは出てくると思うし、その答えに辿り着けなかったとしても、生きてきたことに後悔はしないでしょ?後悔しながら死んだら、今度生まれ変わった時にもっと酷いことになりそうな気がするじゃん。だから私は“今出来ることを精一杯する”、かな?」

「…やっぱり白姫様だね…」
「ん?」
「白姫様はいつも、答えは絶対くれませんけど、ヒントはくれますもんね」
「…ま、藍鳶は藍鳶らしく、今まで通り自分の思った通りにやればいいんだよ。お前のやりたい通りにやれば、やったことを迷う必要もないし」

そう言いながら、白姫は藍鳶の頬を引っ張ったり潰したりしながら弄り始めた。

「…いひゃい…」

されるがままになっている藍鳶に優しく微笑んでから、頬から手を離し、頭を撫でる。

「ともかく、お前の思う通りにやればいいよ。私は何も言わないから」
「いつもじゃないですか」
「そうだね(笑)。…なんか入りたそうにソワソワ、ウズウズしてる人がいるみたいだから、私は戻るよ。じゃあね」

そう言えば突然少し強い風か吹き、思わず瞬きをして目を開けた時にはもう、白姫の姿はそこにはなかった。

「?」

最後に白姫が残していった言葉にも疑問を感じながら、とりあえず場所を移動しようと部屋を出ようとすると扉のすぐそこには、

「わっ!?」
「チッ…」
「コウサ!?何してるの?」
「…いや、別に…」
「じゃあもしかして、“入りたそうにソワソワ、ウズウズしてる人”って…」
「ち、違ぇよ!!」
「違うの?でもコウサ以外に周りには誰もいないけど…」

「…そ、そんなことより、白姫様と何話してたんだよ?」
「ん?んーとねぇ…内緒」
「は?」
「白姫様の言葉は大事だから、俺だけで留めておくんだ。だから、内緒」
「…それならしょうがねぇな」
「え、なに、…んっ…」

怪訝そうな顔をした藍鳶に、紅猿は突然至近距離まで近付き、ドアに押し付けながら口付ける。その反動でドアは閉まり、扉と体で藍鳶の逃げ場をなくす。キスもはじめは唇を合わせただけだったが、舌を入れ深くする。

「…んっ…ん、…んぅ…は、ぁ……」
「…ん」
「…んん…っ、…もっ……んふ…、は…、だめ、だよ…、…んぅ…ん、…ぁ、…ここ、どこだと…」

「…分かってるよ。でも、…いいだろ、久々に会ったんだから。なのにやっぱり、白姫様に独り占めされるし…」
「…えっ…?」
「何でもねぇよ!この鈍感ッ!!」
「うわっ、何それ~」
「変なのばっかりに好かれるんじゃねぇよ!!」
「変なのに好かれてるとは思ってないけど…、その変なのにもしかして、白姫様も入ってる?」
「当たり前だろ?あの人が筆頭して変だよ」
「あっ!あーあ~、白姫様のこと悪く言ったら黒輝さんに滅殺されちゃうんじゃない?」
「ゲッ…でもあれぐらいだったらさすがに滅殺は…ない、だろ?」
「さぁ?でも滅殺はないにしても、絶対超怒られて、何かはさせられるよ」
「じゃあその前に帰るぞ。…ウチ、寄ってくだろ?」
「え?あ、…うん…」
「何照れてんだよ」
「照れてないよっ!!//」

……

「アイツら、いつの間にあんなピンクのオーラ振り撒くようになったんだ…」
「いいじゃない、別に、可愛らしくて」
「いや、まぁいいんだけどよ…」
「私は聖獣達には特に幸せになってほしいの」
「出たよ、聖獣贔屓発言」
「あんな可愛い子達、贔屓したくもなるでしょ!!」
「力説するとこじゃねぇよ(呆」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...