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第1章「普通」
第9話
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カナコに支えられながら、何とかベンチに腰を下ろした。
座った途端、カナコは口を開いた。
「今から話すことは全部本当の話よ」
いつもより低い声音で、真剣な眼差しをこちらに向けていた。
不穏な前置きから始まり、私は少し聞くのが怖くてカナコから目を逸らし、俯いた。
「彼女は悪魔に乗っ取られている。」
悪魔……?
カナコの言葉に耳を疑った。
悪魔なんて現実世界にいるわけがないと思っていたのに。
私がずっと動揺していても、カナコは常に冷静に話を続けた。
「私はその悪魔を倒すことが使命の”ルス”……いわゆる”能力者”ってやつ」
”ルス”……何処かで聞き覚えがある。
……そうだ、ぼんやりとしてるけど、気絶していた時に夢を見たんだった!
その夢に出てきた少女と少年が、”ルス”って言っていた気がする…!
じゃあ、あの少年はカナコなのか……?
でも少年は青っぽい髪色だったし、カナコの髪色とは全くもって似つかないから、違う気がする。
「本来は”ルスルス”ってのが正式呼称らしいけど、みんな縮めて”ルス”って呼んでる。」
”ルスルス”……何語なんだろう?響きだけは可愛い。
カナコも”ルス”ってことは、夢に出てきた人たちはカナコの仲間ってこと…?
「”ルス”が能力者ってことは、カナコさんは何かしらの能力が使えるんですか?」
「そう。私は時間を操る、”時のルス”。
時間を止めたり、30分後くらいの未来を知ることが出来る。過去系の能力は一切使えないのが難点ね。
さっき走った時に”手を離したらダメ”って言ったのも、私から手を離したら、みよりの時間も止まっちゃうからだったの。」
なにそれ、能力者というか超能力者みたい。
時間を止めることが出来るなら、朝学校行きたくない時に時間を止めれば寝放題だし、未来を知ることが出来るなら、30分前にテスト勉強すれば余裕じゃん。
そんな変なことを考えていると、カナコに勘づかれたのか、横目で睨まれた。
ん……?時間を止める……?
もしかして、山頂から落ちた時に助かったのって、落ちた瞬間にカナコが時間を止めたから…………?
それに、さっき街の人々が微動だにしなかったのも、カナコが時を止めていたから…?!
先程のことを思い返し、カナコの凄さと助けられた有難みをじわじわと身体が感じ取り、鳥肌が立った。
「だけど、”ルス”の弱点は、能力を使う時にかなりの体力を消耗すること。
それから、私の場合は攻撃型じゃなくて、サポート型だから、一人で悪魔を倒せないこと。」
「サポート型は悪魔を倒せないんですか…?」
私が問い掛けると、カナコは何処か暗い表情を浮かべた。
「”ルス”は大きく分けて三タイプに分けられるの。
攻撃型、サポート型、混合型の三つ。
攻撃型は、火や雷を操る、攻撃特化のルス。
サポート型は、私みたいな時を操るルスで、闘いのサポートに特化している。
混合型は、風や植物を操る、攻撃もサポートもこなせるルス。
……唯一サポート型のルスだけは、一人で悪魔を倒すことが出来ない。」
座った途端、カナコは口を開いた。
「今から話すことは全部本当の話よ」
いつもより低い声音で、真剣な眼差しをこちらに向けていた。
不穏な前置きから始まり、私は少し聞くのが怖くてカナコから目を逸らし、俯いた。
「彼女は悪魔に乗っ取られている。」
悪魔……?
カナコの言葉に耳を疑った。
悪魔なんて現実世界にいるわけがないと思っていたのに。
私がずっと動揺していても、カナコは常に冷静に話を続けた。
「私はその悪魔を倒すことが使命の”ルス”……いわゆる”能力者”ってやつ」
”ルス”……何処かで聞き覚えがある。
……そうだ、ぼんやりとしてるけど、気絶していた時に夢を見たんだった!
その夢に出てきた少女と少年が、”ルス”って言っていた気がする…!
じゃあ、あの少年はカナコなのか……?
でも少年は青っぽい髪色だったし、カナコの髪色とは全くもって似つかないから、違う気がする。
「本来は”ルスルス”ってのが正式呼称らしいけど、みんな縮めて”ルス”って呼んでる。」
”ルスルス”……何語なんだろう?響きだけは可愛い。
カナコも”ルス”ってことは、夢に出てきた人たちはカナコの仲間ってこと…?
「”ルス”が能力者ってことは、カナコさんは何かしらの能力が使えるんですか?」
「そう。私は時間を操る、”時のルス”。
時間を止めたり、30分後くらいの未来を知ることが出来る。過去系の能力は一切使えないのが難点ね。
さっき走った時に”手を離したらダメ”って言ったのも、私から手を離したら、みよりの時間も止まっちゃうからだったの。」
なにそれ、能力者というか超能力者みたい。
時間を止めることが出来るなら、朝学校行きたくない時に時間を止めれば寝放題だし、未来を知ることが出来るなら、30分前にテスト勉強すれば余裕じゃん。
そんな変なことを考えていると、カナコに勘づかれたのか、横目で睨まれた。
ん……?時間を止める……?
もしかして、山頂から落ちた時に助かったのって、落ちた瞬間にカナコが時間を止めたから…………?
それに、さっき街の人々が微動だにしなかったのも、カナコが時を止めていたから…?!
先程のことを思い返し、カナコの凄さと助けられた有難みをじわじわと身体が感じ取り、鳥肌が立った。
「だけど、”ルス”の弱点は、能力を使う時にかなりの体力を消耗すること。
それから、私の場合は攻撃型じゃなくて、サポート型だから、一人で悪魔を倒せないこと。」
「サポート型は悪魔を倒せないんですか…?」
私が問い掛けると、カナコは何処か暗い表情を浮かべた。
「”ルス”は大きく分けて三タイプに分けられるの。
攻撃型、サポート型、混合型の三つ。
攻撃型は、火や雷を操る、攻撃特化のルス。
サポート型は、私みたいな時を操るルスで、闘いのサポートに特化している。
混合型は、風や植物を操る、攻撃もサポートもこなせるルス。
……唯一サポート型のルスだけは、一人で悪魔を倒すことが出来ない。」
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