26 / 69
後輩ちゃんの親友
しおりを挟む
「すみません、ありがとうございます」
「どういたしましてー」
あれから僕たちはお姉さんと一緒に館内へ戻ってきていた。
少し話して分かったことがあった。
彼女はやっぱり央光医療大学から見学に来た3年生らしい、しかもかなり優秀な。
「それで、君たちはこれからどうするの?」
「もうお昼なので、一旦休憩室に行ってから担当の看護師さんが戻ってきてくれるのを待ちたいと思います」
「......ん」
るなちゃんもコクコクと頷いてくれた。
「じゃあ一緒に行って待とっか!」
「いえいえ、お気になさらないでください」
「いやいや、ここまで来たら最後までちゃんと送るよー」
この人お人好し過ぎないか? ...一緒に居てもらった方がるなちゃんも安心できるし、居てもらおうかな。
「ありがとうございます」
「いいえー!」
そんな会話をして5分後、僕たちは休憩室に着いていた。
「担当の看護師さん居ない?」
「居ないですね」
「じゃあ入れ違いにならないようにここで待ってよっか」
「そうですね」
「......うん」
そう言ってくれた矢先に廊下の方から小さく僕の名前が聞こえた。
「奏汰くーん! ──あっ! いた!」
「静華さん! 神崎さんまで!」
「ん......え...なん...?」
彼女は驚いてその場に立ち尽くしてしまった。
「どこ行ってたのー!? もー! 心配したんだから」
「ごめんなさい...」
「あっ......私...が......誘っ...て......庭...園......に...」
「るなちゃんが誘ったのー!? 大丈夫だったー?」
あれ...? 私の知ってる神崎雪希子さんじゃない......
静華さんは奏汰に、神崎さんはるなちゃんに話しかけ心配している様子で頭を勢いよく撫でられた。
「奏汰......と...一緒だっ......た...から...大丈夫......」
「良かったー! 部屋に行っても居ないから探してたんだよー」
「ごめ......なさ...」
「いいよー! あんまり気にしないでね。元々こっちが悪いんだから」
そう言いながらるなちゃんの体を両手で優しく包み込み、落ち着きを保たせる神崎さん。
今思えば確かに、庭園だって病院の敷地内だし大丈夫だと思うんだけど。
......もしかして2人って結構過保護なのかな?
あっ、でも基本移動する時とか庭園に行くってなったら肋骨と右足折れてるし看護師さんがついて行かないと部屋みたいにナースコール無いし危ないよね。そこは反省。
「すみません、神崎さんですよね? さっき試験を見てくれた」
「あっ、はい。そうですけど...あなたは......!?」
「静華さん! この子ですよこの子!」
「すみませんが今は奏汰くんを堪の......って! もしかして咲苺佳子ちゃん!?」
「なんで北条さんが私の名前を...?」
「ちょうどいいわ! 聞きたいことがあったの!」
「え、いや......」
勢いが凄い......お姉さんも少し引いてるじゃん。
あっそういえばお姉さんの名前まだ聞いてなかった、咲苺 佳子さんって言うんだ。凄い苗字だ。
「ちょっ...ちょっと待って静華さん。咲苺さん引いてるから......」
「あっ! ごめんなさいね」
「いえいえ...何か話があったんですよね」
「そう! そうなのよ!」
「まぁまぁ落ち着いて、お昼ご飯食べながらでもゆっくり話しましょ?」
「それもそうね、奏汰くんとるなちゃんもお腹すいてるだろうし」
「......うん...すい......た...」
「僕もです」
僕はいいけど咲苺さんは多分時間が...
「すみません、私はじゃあ理事長に許可を取りに行ってきますね。望みは少ないと思いますけど...」
咲苺は少し言いづらそうな顔をして口を開き静華さんに話した。
「大丈夫! そうですよね、理事長先生?」
「ああ、昼食を食べ終わったら央光《おうこう》に戻ってくるんだよ」
「えっ! 理事長? ...ありがとうございます!」
静華さんが名前を出した瞬間咲苺は後ろに振り向き、お礼を言った。
「ということで行きましょうか、食堂へ!」
「はい」
こうして5人は食堂へ歩き始めた。
そこで1つの話題が上がった。
「咲苺さんって病院食初めて?」
「そうですね、入院など大きな怪我はしてないので今回が初めてです」
そう、初めての病院食。
央光医療大学の近くでここの病院もかなり評判いいから、食事制限のある病気とかになってなかったら普通に美味しいものが出てくるはず......
「お口に合うかどうかは分からないけど普通に美味しいと思うよ」
「そうなんですか。病院食って栄養第一の食事みたいなイメージでしたけど」
「それもそうだが作ってる側からしたらかなりの美味しさで作ってるぞ。...味は少し薄いが」
「ん......もしか...して......前の...お味噌汁...」
「そうそう、作ってたよ」
やっぱり作ってたんだ。病院食の中ではまた食べたいと思えるぐらいには美味しかったなー。
「あっ、着きましたよ食堂」
病院食を初めて食べる咲苺は緊張していた。
なぜなら、3年連続十二光に入った天才が3人中2人いるのだから。
それに初対面の2人の子供。何かの試験と疑ってしまうのも無理はない。
咲苺の心の中で色んな気持ちが入り交じっておかしいぐらい緊張していたのだった。
「どういたしましてー」
あれから僕たちはお姉さんと一緒に館内へ戻ってきていた。
少し話して分かったことがあった。
彼女はやっぱり央光医療大学から見学に来た3年生らしい、しかもかなり優秀な。
「それで、君たちはこれからどうするの?」
「もうお昼なので、一旦休憩室に行ってから担当の看護師さんが戻ってきてくれるのを待ちたいと思います」
「......ん」
るなちゃんもコクコクと頷いてくれた。
「じゃあ一緒に行って待とっか!」
「いえいえ、お気になさらないでください」
「いやいや、ここまで来たら最後までちゃんと送るよー」
この人お人好し過ぎないか? ...一緒に居てもらった方がるなちゃんも安心できるし、居てもらおうかな。
「ありがとうございます」
「いいえー!」
そんな会話をして5分後、僕たちは休憩室に着いていた。
「担当の看護師さん居ない?」
「居ないですね」
「じゃあ入れ違いにならないようにここで待ってよっか」
「そうですね」
「......うん」
そう言ってくれた矢先に廊下の方から小さく僕の名前が聞こえた。
「奏汰くーん! ──あっ! いた!」
「静華さん! 神崎さんまで!」
「ん......え...なん...?」
彼女は驚いてその場に立ち尽くしてしまった。
「どこ行ってたのー!? もー! 心配したんだから」
「ごめんなさい...」
「あっ......私...が......誘っ...て......庭...園......に...」
「るなちゃんが誘ったのー!? 大丈夫だったー?」
あれ...? 私の知ってる神崎雪希子さんじゃない......
静華さんは奏汰に、神崎さんはるなちゃんに話しかけ心配している様子で頭を勢いよく撫でられた。
「奏汰......と...一緒だっ......た...から...大丈夫......」
「良かったー! 部屋に行っても居ないから探してたんだよー」
「ごめ......なさ...」
「いいよー! あんまり気にしないでね。元々こっちが悪いんだから」
そう言いながらるなちゃんの体を両手で優しく包み込み、落ち着きを保たせる神崎さん。
今思えば確かに、庭園だって病院の敷地内だし大丈夫だと思うんだけど。
......もしかして2人って結構過保護なのかな?
あっ、でも基本移動する時とか庭園に行くってなったら肋骨と右足折れてるし看護師さんがついて行かないと部屋みたいにナースコール無いし危ないよね。そこは反省。
「すみません、神崎さんですよね? さっき試験を見てくれた」
「あっ、はい。そうですけど...あなたは......!?」
「静華さん! この子ですよこの子!」
「すみませんが今は奏汰くんを堪の......って! もしかして咲苺佳子ちゃん!?」
「なんで北条さんが私の名前を...?」
「ちょうどいいわ! 聞きたいことがあったの!」
「え、いや......」
勢いが凄い......お姉さんも少し引いてるじゃん。
あっそういえばお姉さんの名前まだ聞いてなかった、咲苺 佳子さんって言うんだ。凄い苗字だ。
「ちょっ...ちょっと待って静華さん。咲苺さん引いてるから......」
「あっ! ごめんなさいね」
「いえいえ...何か話があったんですよね」
「そう! そうなのよ!」
「まぁまぁ落ち着いて、お昼ご飯食べながらでもゆっくり話しましょ?」
「それもそうね、奏汰くんとるなちゃんもお腹すいてるだろうし」
「......うん...すい......た...」
「僕もです」
僕はいいけど咲苺さんは多分時間が...
「すみません、私はじゃあ理事長に許可を取りに行ってきますね。望みは少ないと思いますけど...」
咲苺は少し言いづらそうな顔をして口を開き静華さんに話した。
「大丈夫! そうですよね、理事長先生?」
「ああ、昼食を食べ終わったら央光《おうこう》に戻ってくるんだよ」
「えっ! 理事長? ...ありがとうございます!」
静華さんが名前を出した瞬間咲苺は後ろに振り向き、お礼を言った。
「ということで行きましょうか、食堂へ!」
「はい」
こうして5人は食堂へ歩き始めた。
そこで1つの話題が上がった。
「咲苺さんって病院食初めて?」
「そうですね、入院など大きな怪我はしてないので今回が初めてです」
そう、初めての病院食。
央光医療大学の近くでここの病院もかなり評判いいから、食事制限のある病気とかになってなかったら普通に美味しいものが出てくるはず......
「お口に合うかどうかは分からないけど普通に美味しいと思うよ」
「そうなんですか。病院食って栄養第一の食事みたいなイメージでしたけど」
「それもそうだが作ってる側からしたらかなりの美味しさで作ってるぞ。...味は少し薄いが」
「ん......もしか...して......前の...お味噌汁...」
「そうそう、作ってたよ」
やっぱり作ってたんだ。病院食の中ではまた食べたいと思えるぐらいには美味しかったなー。
「あっ、着きましたよ食堂」
病院食を初めて食べる咲苺は緊張していた。
なぜなら、3年連続十二光に入った天才が3人中2人いるのだから。
それに初対面の2人の子供。何かの試験と疑ってしまうのも無理はない。
咲苺の心の中で色んな気持ちが入り交じっておかしいぐらい緊張していたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる