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30 いや、またやるんだ。
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門番、と言うか門を守る兵士は、いる。
さすがに王都では門番はサボれないか。
無駄にギラギラした鎧を、着ているのが見える。
すんなり通れない事を少しだけ残念に思いながら、検問の列に並ぶ。
並んでいる人達は二通りいた。
小綺麗な装いの者と、俺達の様な着の身着のままな者。
入れないのは俺達に近い服装の物ばかりだ。
何か、決まりがあるのか? それとも警戒してるのか?
別に問題があって、入れないんだろうか?
「アルバート、どういう事だろうな?」
「トム兄、ここからでは先頭の様子はわからないよ。あまりキョロキョロしちゃ駄目だ。」
「門兵に何か見せてるぞ? なんだろう、アレ。」
通行料が払えそうなら、アルバートだけでも中に入って様子見をして貰おう。
「通行許可証を出せ。なければ今日の通行税はこれだ」
門兵がニヤつきながら、炭で板に書かれた金額を指す。
通行料はおっソロしく高かった。
この金額なら馬が買えるぞ。
「嫌ならとっとと帰んな、貧乏人。それとも、誰かの紹介状と包みは持ってるのか?」
「いえ、もってません。中にいる知人に、仕事を紹介してもらおうと思ってきたんですが、あとから提出では駄目ですか?」
「はっ。外に連絡も取れないような、稼ぎの無いヤツの仲間は必要ないんだよ。ほら帰れ帰れ。」
追加で嘲笑ってきたが、大して気にもならない。
二人とも中に入ることをあきらめる。
溜息しか出ない。
踵を返し、元来た道を戻る。
待っている仲間と馬達の所に戻り、門での事を話す。
「前に来た時も通行料はあったが、そんなに高くなかったんだよな。」
「まぁ払ったのは二人だけで、あとは忍び込んだんだよ。」
「チョロかったからの。だが、今は少し厳しいのう。」
「やだ、俺の嫁ぎ先怖いトコだった。」
「婿入りだろ。嫁ぐなよ。」
俺達を待つ間、爺さんは暇だからと城壁の様子を見てきたらしい。
以前の忍び込んだ場所には兵士が張り付いていて、別の場所を探したが見つからなかったと。
何やってんだよ、爺さん。
夜も一応見てみようとなり、川のそばで一晩休むことにした。
ゆっくりゆっくりだが、馬の元気が戻ってきた。
年を取っている方は、これ以上の回復はなさそうだ。
まぁ、もう無理させるバカから離れたのだから、これから少しくらいはのんびり余生を送ればいい。
一頭は名前を付けてしまった愛着があり、隣国へ連れて行く気にはなっている。
爺さん親子が達が戻って来た。
夜の方が警戒が厳しく、あれなら昼間の方がまだイケルと。
やだ、ギルの婿入り先恐ろしいトコだった。
もしかしたら政変は諦めてしまったのかもと、みんなで勝手に結論を出し横になる。
朝になり、隣国へ向けてとぼとぼと歩く。
王都が見える丘に着いたとき、黒い煙がいくつも上がっているのが見えた。
もしや?
全員無言で頷きあい、再び王都への道を行く。
隠れながら爺さんが「入りやすい」と言っていた場所へ。
どんどん近くなる王都の中から、たくさんの怒号や金属音が聞こえてきた。
一度だけ体験した、いくさの事が頭をよぎる。
やれるか? いや、またやるんだ。
「ギル、アルバートと馬達を頼む。いざとなったら川沿いに逃げる。先に行って待っててくれ。
「ばっかやろう、俺も行くって。」
「僕も行きます!」
「「お前は待ってろ。」」
「見た目的にお前達二人の組み合わせが無害に見える。川沿いにいるのが見られても、まず疑われにくい。」
とても納得いかないがなと、痛む胸を押さえて言うとギルはあっさり納得してくれた。
「いいけど、二時間して戻らなかったら俺も中に入るよ?」
「わかった、一度戻る。それでいいだろう?」
「決まったなら行くぞ。儂の後についてこい。」
爺さんの先導で、城壁から身を隠しながら進む。
あちこちから壁を壊すような、大きな打撃音が聞こえる。
中から壊せるのか?この壁。
城壁が低くなっていて、見張りも見当たらない場所があった。
爺さんと俺、爺さんの息子とバートで組んで登る。
意外と薄い壁だった。これなら壊せるなぁ。
王都の中に入り、手分けして若者二人を探す。
二時間後の待ち合わせはこの場所だ。
まずは外周を回る。
人をよけながら走るが、結構広い。
弓兵扱いで雇われただろうから、高い所と弓が飛んでいればそこを見る。
人が多すぎて爺さんとはぐれそうだ。
一時間以上かかって、元の場所に戻る。
汗だくだが、爺さんの消耗が思ったより早い。
近くの井戸で、毒の有無を確認してから爺さんに水を飲ませる。
爺さんの息子のジミーと、親近感バートが戻って来た。
向こうも見つけられなかったか。
あちこちで切り合いが始まっていて、武器の無いものは家に帰るか建物の中に入ろうとしている。
悲鳴が上がり、子供の泣き声に混じって大人のものも混じる。
その建物も、そこかしこから火の手が上がっていて逃げ込むのも危険だ。
ああ。控えめに言って大混乱だ。
「はぁ、はぁ、む、向こうに、壁に穴が。外に、出れる。」
息も切れ切れにジミーが、林側の城壁の方へ指をさす。
揃って周囲をうかがいながら、外への穴に向かう。
「一度戻る。アルバートが、なにか考えてるかもしれない。聞いてくるよ。」
「お、俺達は残って、はぁ。また探してみる。もう一周してみるさ。」
「ジョンおじさん、こっちでトムを待ちながら探してくれ。」
「はっ、はっ、はっ。」
息を切らしたままの爺さんを置いて、俺達はそれぞれの方向に走り出す。
王都の人達が我先にと、壁の外へと逃げ出している。
紛れて一緒に出ると、目の前の草むらからギルが顔を出していた。
「アルバートから伝言。弓兵役なら指令が近くにいるかも。平服で偉そうに指示してるやつの、近くの建物。あと屋根に上がった方が早いって。夕方までに川沿いに来て。夜に紛れて川を渡る。あとは考えがあるってさ。」
「分かった、中は火事で大騒ぎだ。まだ死人は出てない。井戸水は無事。兵士の違いがわからねえ、てんでバラバラに動いてやがる。」
「広場があれば、そこで探した方が早いかも。間違われない様に手ぶらで走れよっ!」
苦笑いだけで返事をして、再び中へと戻る。
さすがに王都では門番はサボれないか。
無駄にギラギラした鎧を、着ているのが見える。
すんなり通れない事を少しだけ残念に思いながら、検問の列に並ぶ。
並んでいる人達は二通りいた。
小綺麗な装いの者と、俺達の様な着の身着のままな者。
入れないのは俺達に近い服装の物ばかりだ。
何か、決まりがあるのか? それとも警戒してるのか?
別に問題があって、入れないんだろうか?
「アルバート、どういう事だろうな?」
「トム兄、ここからでは先頭の様子はわからないよ。あまりキョロキョロしちゃ駄目だ。」
「門兵に何か見せてるぞ? なんだろう、アレ。」
通行料が払えそうなら、アルバートだけでも中に入って様子見をして貰おう。
「通行許可証を出せ。なければ今日の通行税はこれだ」
門兵がニヤつきながら、炭で板に書かれた金額を指す。
通行料はおっソロしく高かった。
この金額なら馬が買えるぞ。
「嫌ならとっとと帰んな、貧乏人。それとも、誰かの紹介状と包みは持ってるのか?」
「いえ、もってません。中にいる知人に、仕事を紹介してもらおうと思ってきたんですが、あとから提出では駄目ですか?」
「はっ。外に連絡も取れないような、稼ぎの無いヤツの仲間は必要ないんだよ。ほら帰れ帰れ。」
追加で嘲笑ってきたが、大して気にもならない。
二人とも中に入ることをあきらめる。
溜息しか出ない。
踵を返し、元来た道を戻る。
待っている仲間と馬達の所に戻り、門での事を話す。
「前に来た時も通行料はあったが、そんなに高くなかったんだよな。」
「まぁ払ったのは二人だけで、あとは忍び込んだんだよ。」
「チョロかったからの。だが、今は少し厳しいのう。」
「やだ、俺の嫁ぎ先怖いトコだった。」
「婿入りだろ。嫁ぐなよ。」
俺達を待つ間、爺さんは暇だからと城壁の様子を見てきたらしい。
以前の忍び込んだ場所には兵士が張り付いていて、別の場所を探したが見つからなかったと。
何やってんだよ、爺さん。
夜も一応見てみようとなり、川のそばで一晩休むことにした。
ゆっくりゆっくりだが、馬の元気が戻ってきた。
年を取っている方は、これ以上の回復はなさそうだ。
まぁ、もう無理させるバカから離れたのだから、これから少しくらいはのんびり余生を送ればいい。
一頭は名前を付けてしまった愛着があり、隣国へ連れて行く気にはなっている。
爺さん親子が達が戻って来た。
夜の方が警戒が厳しく、あれなら昼間の方がまだイケルと。
やだ、ギルの婿入り先恐ろしいトコだった。
もしかしたら政変は諦めてしまったのかもと、みんなで勝手に結論を出し横になる。
朝になり、隣国へ向けてとぼとぼと歩く。
王都が見える丘に着いたとき、黒い煙がいくつも上がっているのが見えた。
もしや?
全員無言で頷きあい、再び王都への道を行く。
隠れながら爺さんが「入りやすい」と言っていた場所へ。
どんどん近くなる王都の中から、たくさんの怒号や金属音が聞こえてきた。
一度だけ体験した、いくさの事が頭をよぎる。
やれるか? いや、またやるんだ。
「ギル、アルバートと馬達を頼む。いざとなったら川沿いに逃げる。先に行って待っててくれ。
「ばっかやろう、俺も行くって。」
「僕も行きます!」
「「お前は待ってろ。」」
「見た目的にお前達二人の組み合わせが無害に見える。川沿いにいるのが見られても、まず疑われにくい。」
とても納得いかないがなと、痛む胸を押さえて言うとギルはあっさり納得してくれた。
「いいけど、二時間して戻らなかったら俺も中に入るよ?」
「わかった、一度戻る。それでいいだろう?」
「決まったなら行くぞ。儂の後についてこい。」
爺さんの先導で、城壁から身を隠しながら進む。
あちこちから壁を壊すような、大きな打撃音が聞こえる。
中から壊せるのか?この壁。
城壁が低くなっていて、見張りも見当たらない場所があった。
爺さんと俺、爺さんの息子とバートで組んで登る。
意外と薄い壁だった。これなら壊せるなぁ。
王都の中に入り、手分けして若者二人を探す。
二時間後の待ち合わせはこの場所だ。
まずは外周を回る。
人をよけながら走るが、結構広い。
弓兵扱いで雇われただろうから、高い所と弓が飛んでいればそこを見る。
人が多すぎて爺さんとはぐれそうだ。
一時間以上かかって、元の場所に戻る。
汗だくだが、爺さんの消耗が思ったより早い。
近くの井戸で、毒の有無を確認してから爺さんに水を飲ませる。
爺さんの息子のジミーと、親近感バートが戻って来た。
向こうも見つけられなかったか。
あちこちで切り合いが始まっていて、武器の無いものは家に帰るか建物の中に入ろうとしている。
悲鳴が上がり、子供の泣き声に混じって大人のものも混じる。
その建物も、そこかしこから火の手が上がっていて逃げ込むのも危険だ。
ああ。控えめに言って大混乱だ。
「はぁ、はぁ、む、向こうに、壁に穴が。外に、出れる。」
息も切れ切れにジミーが、林側の城壁の方へ指をさす。
揃って周囲をうかがいながら、外への穴に向かう。
「一度戻る。アルバートが、なにか考えてるかもしれない。聞いてくるよ。」
「お、俺達は残って、はぁ。また探してみる。もう一周してみるさ。」
「ジョンおじさん、こっちでトムを待ちながら探してくれ。」
「はっ、はっ、はっ。」
息を切らしたままの爺さんを置いて、俺達はそれぞれの方向に走り出す。
王都の人達が我先にと、壁の外へと逃げ出している。
紛れて一緒に出ると、目の前の草むらからギルが顔を出していた。
「アルバートから伝言。弓兵役なら指令が近くにいるかも。平服で偉そうに指示してるやつの、近くの建物。あと屋根に上がった方が早いって。夕方までに川沿いに来て。夜に紛れて川を渡る。あとは考えがあるってさ。」
「分かった、中は火事で大騒ぎだ。まだ死人は出てない。井戸水は無事。兵士の違いがわからねえ、てんでバラバラに動いてやがる。」
「広場があれば、そこで探した方が早いかも。間違われない様に手ぶらで走れよっ!」
苦笑いだけで返事をして、再び中へと戻る。
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